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【クラブW杯】なぜバルサ、リバプールがいない?賞金総額は1450億円なり~/大会ガイドQ&A

日本時間15日、アルアハリ(エジプト)対インテル・マイアミ(アメリカ)戦で開幕。4年に1度の大規模大会にリニューアルされ、賞金総額10億ドル(約1450億円)。参加チームが従来の7チームから32チームまで拡大され、大会期間が7月13日(日本時間14日)までの1カ月間となった。今回は世界から32チームが出場しているが、その大会方式や規則はご存じだろうか?近年のJ1での優勝がない浦和レッズが、なぜアジア代表として日本から唯一の参加チームなのか? また、世界的名門のバルセロナ(スペイン)やリバプール(イングランド)がいないのはどうしてか?そのレギュレーションは分かっているようで、知らないことも多い。そこであらためてQ&A方式で押さえておきたいポイントを紹介しよう。  ◇  ◇  ◇■Q1:出場クラブはどうやって決まりましたか?◆A1:出場国の割り当ては次の通り。欧州12枠、南米6枠、アジア4枠、アフリカ4枠、北中米カリブ海4枠、オセアニア1枠、開催国(米国)1枠。その枠組の中で21~24年に行われた各大陸のチャンピオンズリーグ優勝チームと、同期間を対象とした各大陸におけるクラブランキング上位から追加チームが出場権を得ている。例えばアジアでは過去3シーズンの優勝チーム、21年のアルヒラル(サウジアラビア)22年の浦和、23-24年のアルアイン(UAE)が出場権を自動的に得た。そして4枠目には同期間のランキングが適用され、1位のアルヒラルに次ぐ2位となった蔚山(韓国)が最上位で大会切符を手にしている。欧州は23-24年まで4大会を制しているチェルシー、Rマドリード(※2度)、マンチェスターCの3チームが勝ち抜け、残りの9枠は同期間のランキング順に委ねられた。リバプールは8位、バルセロナは12位に付けていたが、同じ国・地域の1つの協会からは2チームまでという基準から除外された(※イングランドはチェルシーとマンチェスターC、スペインはRマドリードとAマドリードの各2チームが出場)。ただし各大陸王者に同一協会から3チームあった場合は、その3チーム目もOKとなる条項が設けられていたが、該当するものはなかった。■Q2:勝ち上がる大会方式はどうなっていますか?◆A2:参加32チームが4チームずつ、8グループに分かれて総当たりのグループステージ(1次リーグ)を戦い、各組2位以上がノックアウト方式の決勝トーナメント(16強)に進出します。ただし3位決定戦は行われません。 ■Q3:1次リーグの順位決定方式はどうなりますか?◆A3:勝ち点(勝ち=3、引き分け=1、負け=0)を争います。勝ち点が同じ場合は、(1)当該チーム間の対戦における勝ち点(2)当該チーム間における得失点差(3)当該チーム間における得点(4)1~3を適用後の同順位のチームがある場合は、そのチーム同士で再び1~3を適用し、それでも決まらない場合は次の通り。(5)全試合での得失点差(6)全試合での得点(7)フェアプレーポイント(イエローカードはマイナス1ポイント、イエローカード2枚によるレッドカードはマイナス3ポイント、一発レッドカードはマイナス4ポイント、イエローカードの後の一発レッドカードはマイナス5ポイント)決勝トーナメントは90分で勝敗が付かない場合は15分ハーフの延長戦、それでも決着しない場合はPK戦で勝ち上がりチームを決める■Q4:賞金の額、その分配方式はどうなっていますか?◆A4:賞金総額は10億ドル(約1450億円)で、成績による賞金と参加賞金があります。<成績による賞金>・1次リーグ勝利ごとに200万ドル(約2億9000万円)、引き分け100万ドル(約1億4500万円)・ベスト16進出=750万ドル(約10億8750万円)・準々決勝進出=1312万5000ドル(約19億312万円)・準決勝進出=2100万ドル(約30億4500万円)・決勝進出=3000万ドル(約43億5000万円)・優勝=4000万ドル(約58億円)<参加賞金>・欧州=1281~3819万ドル(約18億5745万円~約55億3755万円)※欧州はFIFAが定める「スポーツと商業に基づくランキング」に伴い、金額が異なっている・南米=1521万ドル(約22億545万円)・北中米カリブ海=955万ドル(13億8475万円)・アジア=955万ドル(約13億8475万円)・アフリカ=955万ドル(約13億8475万円)・オセアニア=358万ドル(約5億1910万円) <出場32チーム><A組>パルメイラス(ブラジル)FCポルト(ポルトガル)アルアハリ(エジプト)インテル・マイアミ(アメリカ)<B組>パリ・サンジェルマン(フランス)アトレチコ・マドリード(スペイン)ボタフォゴ(ブラジル)シアトル・サウンダーズ(米国)<C組>バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)オークランドC(ニュージーランド)ボカジュニアーズ(アルゼンチン)ベンフィカ(ポルトガル)<D組>フラメンゴ(ブラジル)エスペランス・チュニス(チュニジア)チェルシー(イングランド)ロサンゼルスFC(アメリカ)<E組>リバープレート(アルゼンチン)浦和レッズ(日本)モンテレイ(メキシコ)インテル・ミラノ(イタリア)<F組>フルミネンセ(ブラジル)ドルトムント(ドイツ)蔚山(韓国)マメロディ・サンダウンズ(南アフリカ)<G組>マンチェスターC(イングランド)ウィダード・カサブランカ(モロッコ)アルアイン(UAE)ユベントス(イタリア)<H組>レアル・マドリード(スペイン)アルヒラル(サウジアラビア)パチューカ(メキシコ)レッドブル・ザルツブルク(オーストリア)

元イングランド代表ベッカム氏がナイトの爵位を受け、「思いがけない名誉」とコメント

イギリス政府は13日、元イングランド代表サッカーキャプテンのデビッド・ベッカム氏(50)がナイトの爵位を授与されることを発表しました。ベッカム氏は英PA通信に送った声明で「この名誉は思ってもいなかったことで、少し時間がかかるかもしれないが、非常に誇りに思う」とその喜びを述べました。今後は「サー」の称号を名乗ることが許されます。ベッカム氏は2013年に引退するまで、プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドなどで活躍したほか、国連児童基金(ユニセフ)の親善大使としても貢献し、チャールズ国王の慈善団体の大使を務めるなど、サッカー界での功績や社会貢献が広く評価されています。また、ベッカム氏は英国王室とも強い関係を保っており、2003年には故エリザベス女王から大英帝国勲章を授与された経験もあります。

隠し子含め8人養育の7年前J1得点王、元名古屋の38歳ブラジル代表歴持つFWが3度目の逮捕

名古屋グランパス時代の2018年にJ1得点王に輝いた、元ブラジル代表FWジョー(38)が母国で逮捕された。6カ月ぶり3度目。元コリンチャンスのストライカーは12日、サンパウロ・グアルーリョス空港で、息子(2歳)の養育費を滞納したとして、連邦警察に身柄を拘束された。弁護士がCNNブラジルに明らかにした。対象の子は、ジョーとインフルエンサーで実業家のマイアラ・キデロリーさんとの間に生まれた男児という。ジョーの弁明によると、裁判所から出された逮捕状については把握していたが「慰謝料の未払いは、今の経済状況に起因している」としており、弁護士も「選手は自らの責任を回避しているのではなく、現実に合わせなければならない状況にあると、強調する必要がある」と説明した。弁護側は、ジョーには養育費を支払う余裕がないため、増額して完済するための代替案として、サンパウロの不動産を売却する案などを示しているという。本人は、まだ留置場にいる。逮捕は3度目で、全て養育費の未払い。昨年5月に会見したジョーの証言によれば、子供は婚外子を含めて8人いるという。その支払いを巡って1回目に逮捕されたのは24年5月6日。当時、プレーしていたブラジル2部の試合前、チームメートとともにホテルからバスでスタジアムへ向かっていた最中に、地元警察に連行された。翌日までに支払いを終えて釈放されていた。2回目は同年12月18日。午後、養育費未払いの容疑で逮捕された。この時は練習場で取り押さえられている。この時も翌日に支払って解放された。左利きの点取り屋。名門コリンチャンスのユースからロシアのCSKAモスクワ、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティー、エバートンを渡り歩き、代表では08年の北京オリンピック(五輪)や14年のW杯ブラジル大会に出場した。名古屋には18年に加入して、いきなり32試合24ゴールで得点王に。二重契約問題で一方的にコリンチャンスへ復帰したが、そこでも確執があり契約解除され、見る影もないほど落ちぶれていた。

三笘薫が活躍するブライトン、39歳のミルナーと契約更新 来年1月に40歳を迎える元イングランド代表のレジェンド

日本代表のMF三笘薫が所属するプレミアリーグのブライトンは14日、チーム最年長である39歳のMFジェームズ・ミルナーとの契約を来シーズン以降も継続することを発表しました。ミルナーは元イングランド代表選手で、2010年の南アフリカ大会と2014年のブラジル大会に連続出場したワールドカップ(W杯)のレジェンドです。彼は2023年夏にリバプールからブライトンに移籍し、来年1月4日で40歳を迎えます。プレミアリーグの歴史において最年長フィールドプレーヤーは、元イングランド代表FWテディ・シェリンガムであり、彼は40歳272日でウェストハムでプレーしました。ミルナーがこの記録を破るためには、2026-2027年シーズンまでプレーし続ける必要があります。

【スペイン】レアル・マドリードが約101億円を支払い契約した、驚きの17歳スーパー若手選手とは…

レアル・マドリードは13日、アルゼンチンのリーベル・プレートから若き代表MF、フランコ・マスタントゥオーノ(17)との契約を発表しました。マスタントゥオーノはこの夏、ヨーロッパで注目の選手とされ、パリ・サンジェルマンもその獲得を目指していると報じられていました。しかし、スペインの新聞「アス」によると、Rマドリードは最終的に契約解除金4500万ユーロ(約72億円)と、税金・手数料1820万ユーロ(約29億1200万円)を加えた合計6320万ユーロ(約101億1200万円)を支払うことで契約に至ったとのことです。契約期間は今年8月14日から31年6月30日までの6年間で、リーベル・プレートのメンバーとしてクラブワールドカップに出場予定。8月14日に18歳の誕生日を迎え成人となった翌日にマドリードに到着予定です。マスタントゥオーノはリーベル・プレートの下部組織出身で、24年1月に16歳で公式戦デビュー、同年2月には初ゴールを決め同クラブの最年少得点記録を更新しました。通算成績は61試合に出場し10得点、その間にスーパーカップを制しています。この実績が評価され、今月6日に行われたワールドカップ予選ではアルゼンチン代表に初招集され、チリ戦に17歳295日で出場し、アルゼンチン代表史上の公式戦最年少デビュー記録を樹立しました。

ブラジルでの佳子さまとサッカーボールの“ちいさな奇跡”「まさか実際に手に取っていただけるなんて」

現在ブラジルを公式に訪問中の秋篠宮家の次女、佳子さま(30)が手にしたサッカーボールは、静かに多くの注目を集めています。日本時間で6日に、サンパウロ市にある日本の魅力を世界に伝える施設「ジャパン・ハウス」を訪れた佳子さまは、日本企業のリサイクル技術を紹介する展示を視察。その際、リサイクル素材の合成樹脂でできた、組み立て可能なサッカーボールを手にされました。佳子さまもその仕上がりに興味を示されていたご様子でした。この特別なボールを開発したのは、広島市を拠点に競技用ボールを製造しているモルテン社。担当の内田潤さんは日本でニュースを見て驚きました。「まさか実際に手に取っていただけるとは思いませんでした。友人からも連絡をもらいニュース映像を見た時、本当に言葉にならない感情が込み上げました」と、様々な感情が複雑に入り交じったとのことです。モルテン社では「MY FOOTBALL KIT」というプロジェクトを推進しています。これはSDGsの一環として、企業や団体が子どもたちに組み立て式のサッカーボールとゴールを届けることで、子どもたちの体験格差を減少させ、SDGsの目標である「質の高い教育」や「つくる責任・使う責任」に貢献するプログラムです。ジャパンハウスに展示されていた組み立て式のボールは、開発パートナーであるnendoと共同でプロジェクトの一環として出展され、ブラジルの子どもたちに「MY FOOTBALL KIT」を届ける活動が展開されています。この中で佳子さまがボールに触れるという“小さな奇跡”が生まれました。ニュースの反響は大きく、「社内や取引先、友人、家族から多くの連絡を頂きました。皆がとても喜んでくれて、私も本当に嬉しいです」と内田さんは話します。この出来事は活動の認知度を世界的に広める貴重な機会となりました。「今まで続けてきた活動やプロジェクトが多くの方々に知られるきっかけとなり、佳子さまには心より感謝しています」と述べました。

【日本代表】南米の強敵パラグアイとの対戦が決定 10月10日にパナソニックスタジアムで 森保一監督「重要な試合」

日本サッカー協会(JFA)は、10月10日に大阪のパナソニックスタジアム吹田で行われるキリンチャレンジカップで、日本代表(FIFAランキング15位)がパラグアイ代表(同48位)と対戦することを12日に発表しました。パラグアイは南米予選で残り2節を残して5位に位置し、ワールドカップ本大会出場に向けた好位置にいます。日本代表の森保一監督(56)は、「この試合も来年に向けた準備において重要な試合ですので、大切に戦いたい」とこの対戦を心待ちにしています。FIFAランキングでは日本が上回っていますが、ワールドカップ本番に向けた貴重な力試しの機会です。パラグアイは、2010年のワールドカップ南アフリカ大会の決勝トーナメント1回戦で、日本がPK戦で敗れた因縁のある相手です。過去の対戦成績は日本の5勝2敗4分けで、直近では2022年6月の親善試合で日本が4-1で勝利しています。試合は午後7時20分にキックオフし、日本テレビ系で放送される予定です。 森保監督のコメント全文9月のアメリカ代表、メキシコ代表に続き、パラグアイ代表という強豪国との対戦をありがたく思います。FIFAワールドカップで世界一を目指すには、試合巧者な南米の国々に対しても勝利を収めることが必要です。この試合も来年に向けた準備において重要な試合として、大事に戦ってまいります。また、約2年ぶりとなるキリンチャレンジカップに臨めることを嬉しく思います。9月のアメリカ遠征後、この試合を皮切りに年内に4試合を日本国内で戦います。多くの方にスタジアムへ足を運んでいただき、ワールドカップに向けて日本が一丸となる共闘の輪を広げ、最高の景色を一緒に見たいと思います。

【J3】選手に頭をぶつける行為と強い口調の使用…奈良クラブ監督交代での「発生した事象」を公表

J3の奈良クラブは12日、中田一三監督(52)との契約解除を発表しました。これは、6日に行われた練習中の不適切な行為が発覚し、クラブが彼を現場から外して調査を進めていたことに起因します。その後、中田監督本人からの申し出があり、協議の結果、双方合意の下で契約解除が決定されました。後任には、今年の5月までJ2カターレ富山を指揮していた小田切道治監督(46)が就任します。 注目されていた「発生した事象」の調査結果も公表され、以下の通り説明が行われました。 「2025年6月6日(金)、ナラディーアにて行われたトレーニング中、チーム内での指導に関するやり取りの中で、中田監督と選手との間に言葉のすれ違いが生じ、選手が具体的な改善点について強い口調で説明を求めた際、双方の意見が激しく衝突する場面がありました。」 「その場は周囲の選手やスタッフの仲介により一旦落ち着きましたが、その後、再び中田監督と選手が接触した際に、中田監督の頭が選手の体にぶつかる行為を確認しました(選手に怪我はありませんでした)。この状況を受け、クラブは速やかにJリーグへ報告し公表しました。」 「さらに、クラブ内で選手・スタッフ全員への個別ヒアリングを実施した結果、以前にも強い言葉や表現が原因で監督、選手、スタッフ間での誤解が生じた事例を確認しました。これらはすべて当事者間の話し合いによって過去に解決してきました。今回の事象をクラブとして非常に重く受け止め、6月9日(月)、中田監督が選手・スタッフに対して不適切な行為について謝罪し、本人から契約解除の申し入れがあり、双方の合意により契約解除に至りました。」 中田監督は三重県伊賀市出身。四日市中央工業高校時代に全国高校選手権で帝京高校と両校優勝し、元日本代表のFW小倉隆史選手、DF中西永輔選手と共に「四中工三羽がらす」と呼ばれました。卒業後は横浜フリューゲルスなどでプレーし、引退後は京都サンガFCの監督などを歴任しましたが、昨年9月から奈良クラブで指揮を執っていました。

久保建英、豪華メンバーずらり「長友会」ショット披露「最高な時間でした!」

サッカー日本代表のMF久保建英(24=Rソシエダード)が12日までにインスタグラムを更新。10日に行われたW杯最終予選終了後の食事会の写真をアップした。「長友会」と題してDF長友佑都(38=FC東京)を中心に、堂安律や南野拓実ら代表選手が多数集まり、笑顔の写真をアップ。「ご馳走様でした! 最高な時間でした!」と感謝のメッセージをつづった。投稿に対し、「初キャプテンほんとうにおめでとうございます」など、労をねぎらう言葉とともに対戦相手のインドネシアからと思われるコメントも多く見られ「久保くんインドネシアの人たちに好かれてる?」「コメント欄占領されてる」とのコメントもあった。

【番記者の目】最終予選最多30ゴール突破も「引いて守る相手をどう崩すか」日本代表が見せた3つのヒント

日本代表(FIFAランキング15位)は、2026年W杯北中米大会のアジア最終予選を11ヶ月前に終えました。この予選では史上最速となる3試合を残して突破を決め、7勝2分け1敗、最多の30得点に対してわずか3失点という結果を残しました。攻撃的な3バックへの変更が効果を発揮し、攻守にわたり圧倒しました。しかし、2位のオーストラリアには1分け1敗(1-1、0-1)、3位のサウジアラビアには1勝1分け(2-0、0-0)と、力のある相手には苦戦を強いられました。W杯本大会に向けて、何を学んでいくべきか。6-0で勝利したインドネシア戦から未来へのヒントを探ります。   ◇   ◇   ◇ 森保ジャパンは「アジア仕様の戦い」で見事に成果を挙げました。昨年の1~2月に行われたアジアカップカタール大会では8強どまりという苦い結果があり、それを反省材料としました。そして攻撃的な3バックを採用し、両ウイングにアタッカーを配置した結果、10試合で30得点という歴史的な成績を残しました。しかし、同じグループ内の上位国であるオーストラリアとサウジアラビアからは、合計4試合で3点しか奪えませんでした。「史上最強」という称号がついたものの、W杯常連国が引いて守る時に、攻撃の手がかりを見つけられませんでした。新顔を試した2試合が消化試合であったことを考慮しても、世界のトップチームであれば、より多くのゴールを決めるはずでした。攻めあぐねた結果、5日のオーストラリア戦ではMF鎌田が「最後の質」が重要と述べ、MF中村も「最後はクオリティー」と最終局面の精度向上を求めました。では、どのようにしてゴールに迫り、質を高めるか。インドネシア戦での前半3ゴールに、そのヒントが隠されていました。 (1) サイド攻撃 1点目は左サイドにボールを託された2列目の鎌田がボックス内に走り込み、MF三戸の精密なクロスを頭で仕留めてゴールを決めました。相手守備陣がマークするのは困難で、クロスの質も速く正確でした。主力選手のMF三笘やMF伊東の突破力は世界トップクラスで、さらに磨きをかければ、23年に敵地で4-1でドイツを撃破した試合のように、本大会でも武器となります。(2) セットプレー 2点目は、MF久保がデザインされた左CKで相手を出し抜きました。一度は防がれたものの、ダブルタッチで押し込むことに成功。担当コーチの前田遼一の指導のもと、さまざまな形を取り入れ、流れが悪くとも得点源となる戦術を備えています。(3) 中央突破 3点目はシャドーに位置した久保が、右サイドの下がった位置でボールを受け、ボランチの佐野海との連携で中央から前進しました。その結果、鎌田が個人技で仕留めました。1年後のW杯では参加国枠の拡大に伴い、試合数が増えることになります。決勝まで進めば最大8試合。そして、対戦相手のレベルもさまざまで、攻撃のバリエーションが試されます。インドネシア戦後、久保は「楽な相手はいないけれど、今日のように違いを見せることで、W杯でも日本を助けられる」と自信を語りました。(1)~(3)の原型を進化させ、好機を増やすことで、ゴールの可能性が高まります。ラスト1年で攻撃を「世界仕様」に仕上げられるかが、日本代表の今後を左右します。【日本代表担当=佐藤成】