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【データ】大の里の優勝確率が44.4%に上昇、日本出身の新横綱誕生へ

大関の大の里(24歳、二所ノ関部屋)は2場所連続、通算4回目の優勝を果たしました。大関琴桜を破り、自らの記録を更新する初日から13連勝を達成。後続との差を3に広げ、13日目に優勝が決まりました。これにより、横綱審議委員会の「大関として2連続優勝」という推薦条件を満たし、75代横綱への昇進が確実となりました。師匠である二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)の引退後、約6年間不在だった日本出身の横綱が誕生することになります。   ◇   ◇   ◇◆記録メモ 大の里は幕内9場所目で4回目の優勝を成し遂げ、優勝確率は44.4%に上昇しました。これは、大鵬の46.4%(幕内69場所で32度の優勝)、朝青龍の45.5%(幕内55場所で25度の優勝)に次ぐ歴代3番目の高さです。白鵬の43.7%(幕内103場所で45度の優勝)、千代の富士の38.3%(幕内81場所で31度の優勝)、北の湖の30.8%(幕内78場所で24度の優勝)、貴乃花の29.3%(幕内75場所で22度の優勝)を上回ります。また、同郷石川県出身で同じ大学出身と比較されることの多い輪島の22.6%(幕内62場所で14度の優勝)を大きく上回っています。

大の里、史上初のデビューから負け越しゼロで連続優勝達成!スピード昇進で横綱昇進が確実に

大関大の里(24歳、二所ノ関部屋)が負けなしの13連勝で、2場所連続として4度目の優勝を果たしました。琴桜との大関同士の取り組みを制し、15年初場所での横綱白鵬(現・宮城野親方)以来、10年ぶりに13日目での幕内優勝を決定。同時に、2場所連続で昇進が議論され、28日の番付編成会議と臨時理事会を経て、「第75代横綱 大の里」が誕生する見通しです。なお、大関で連続して優勝しながら横綱に昇進しなかった例はありません。 横綱昇進が正式に決定すれば、それは記録的なものでしょう。初土俵からわずか13場所での昇進は、昭和以降最速の記録です。これまでの羽黒山、照国の16場所を超え、年6場所制が導入された1958年以降では、輪島の21場所を大幅に更新しています。学生相撲出身としても、輪島以来2人目となり、新入幕からの9場所での昇進は、「昭和の大横綱」大鵬の11場所を上回る最速記録です。さらに負け越しなしでの昇進も、年6場所制では初めてのことです。大関昇進時に述べた「唯一無二」の存在になることが確実です。 前日22日の12日目、2敗で追っていた横綱豊昇龍が敗北し、大の里との間に3差がつきました。この日の琴桜戦に勝てば優勝が決まるという状況でしたが、大の里は冷静に「自分のことだけ考えて、明日も頑張ります」とコメントしました。師匠の稀勢の里(現・二所ノ関親方)以来、8年ぶりに日本出身横綱の誕生となります。 ◆13日目の優勝 2015年初場所以来10年ぶり。大関では2012年初場所の把瑠都以来で、日本出身力士としては1996年秋場所の貴乃花以来29年ぶりの快挙です。    ◇   ◇   ◇ 大の里泰輝(おおのさと・だいき) ◆生まれ 2000年(平成12年)6月7日、石川県津幡町出身。本名は中村泰輝(なかむら・だいき)。 ◆幼少期  生まれた時の体重は4036グラムあり、幼稚園のころから同級生よりも頭一つ大きかったです。津幡町の少年相撲教室で小学1年生のときから相撲を始め、小学1年生のころにはすでに牛丼並盛り2杯を軽々と食べていました。 ◆中学、高校 小学6年生の夏に「もっと強くなりたい」と新潟県糸魚川市に相撲留学し、能生中学校と海洋高校へと進学しました。 ◆大学 日本体育大学では1年生で学生横綱に輝き、3、4年生時にはアマチュア横綱を獲得し、幕下10枚目格付け出し資格を得て、大相撲界に華々しくデビューしました。 ◆幕下 昨年の夏場所初日、日本体大の2年先輩である石崎とのデビュー戦で敗戦しました。しかし、その2日後には初白星を挙げ、「前評判で騒がれすぎたが、自分はただの人になった」と述べました。同場所は6勝1敗でしたが、その後の名古屋場所では苦戦し、六番相撲では再び石崎に敗れて3勝3敗となりましたが、七番相撲に勝利し、新十両昇進を決めました。 ◆十両 所要2場所での新十両昇進は、伯桜鵬の1場所に次ぐ2番目のスピード出世です。この秋場所の初日も、石崎改め朝紅龍に対し「三度目の正直」で初白星。この場所と続く九州場所では12勝3敗とし、十両を2場所で通過しました。 ◆幕内 昨年初場所で昭和以降3位タイとなる所要4場所で新入幕。同場所で優勝争いに加わり、10日目から関脇琴ノ若(現琴桜)、大関豊昇龍、横綱照ノ富士に3連敗も、新入幕力士が横綱と対戦するのは10人目でした。敢闘賞を受賞し、続く春場所では敢闘賞と技能賞を獲得しました。夏場所の所要6場所での新三役昇進は昭和以降2位の速さで、12勝3敗の成績で優勝。技能賞と殊勲賞に輝きました。名古屋場所では9勝に終わるも、優勝した照ノ富士を破り殊勲賞。この結果、新入幕から4場所連続で三賞を受賞する史上初の快挙を達成しました。秋場所では13勝2敗で2度目の優勝を果たし、技能賞と敢闘賞で5場所連続三賞受賞を果たしました。その後大関に昇進し、今年春場所で3度目の優勝を飾りました。 ◆サイズ 192センチ、191キロ。靴は32センチ。腕周り53センチ、太もも周り76センチ。 ◆得意 右四つ、寄り、突き、押し。 ◆特技 けん玉。 ◆家族 父・知幸さん、母・朋子さん、妹・葵さん。...

大の里が連続優勝!日本人横綱が6年ぶりに誕生確実** **

** 大関大の里(24=二所ノ関部屋)は2場所連続で4回目の優勝を果たしました。大関琴桜に勝利し、13連勝の自己記録を更新しました。後続との差を3つに広げ、13日目で優勝が決まりました。 これにより、横綱審議委員会の内規である「大関として2連続優勝」を満たし、彼の第75代横綱への昇進は確実です。師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)の引退後、約6年間不在だった日本人横綱が誕生します。 13日目での優勝決定は、2015年初場所の白鵬以来10年ぶり。日本人力士に限ると、1996年秋場所の貴乃花以来の29年ぶりです。横綱昇進がかかった場所での13日目優勝は史上初のことです。 日本体育大学時代に2年連続でアマチュア横綱を獲得した大の里は、2023年の夏場所で幕下10枚目格付出しデビューを果たしました。所要13場所での横綱昇進は、1958年以降の年6場所制において最速となり、輪島の21場所を超えました。昭和以降としても、羽黒山と照国の16場所を超えます。初土俵から無敗での横綱昇進は、史上初の快挙です。 ◆13日目の優勝 2015年初場所の白鵬以来10年ぶり。大関としては、2012年初場所の把瑠都以来。日本人力士としては、1996年秋場所の貴乃花以来29年ぶりです。 ◆横綱昇進までの流れ 日本相撲協会審判部が横綱昇進に相当と判断した場合、八角理事長(元横綱北勝海)に対し、場所後の理事会招集を要請します。理事長は横綱昇進について横審に諮問し、横綱審議委員会(横審)は千秋楽翌日の26日に行われる定例会で審議を行います。出席委員の3分の2以上の賛成があれば横綱推薦を理事長に答申し、これが事実上の最終決定となります。答申を受けて28日に開催される理事会で横綱昇進が正式決定されます。    ◇   ◇   ◇ 大の里泰輝(おおのさと・だいき) ◆生まれ 2000年(平成12年)6月7日、石川県津幡町生まれ。本名・中村泰輝(なかむら・だいき)。 ◆幼少期 生まれた時は4036グラム。幼稚園時代から常に同級生より頭一つ大きかったです。津幡町少年相撲教室で、小学1年生の7歳から相撲を始めました。小学1年生のころには、チェーン店の牛丼並盛り2杯をぺろりと平らげるほどでした。 ◆中学、高校 小学6年生の夏に「強くなりたい」と思い、新潟県糸魚川市に相撲留学。能生中学校、海洋高等学校に進学しました。 ◆大学 日体大では1年生で学生横綱を獲得。3、4年生時にはアマチュア横綱に。幕下10枚目格付け出しの資格を得て、大相撲デビューを果たしました。 ◆幕下 昨年の夏場所初日には、日体大の2年先輩である石崎と初対戦し黒星を喫しました。2日後には初白星を挙げ、「前評判で騒がれすぎたが、ただの人になった」とコメント。6勝1敗で名古屋場所を迎えましたが苦しみ、六番相撲で再び石崎に敗れましたが、七番相撲で勝利し、新十両昇進を決めました。 ◆十両 所要2場所での新十両は、伯桜鵬の1場所に次ぐスピード記録。昨年秋場所初日の関取デビュー戦でも石崎改め朝紅龍と対戦し、「三度目の正直」で初白星。この場所と続く九州場所で12勝3敗とし、十両を2場所で通過しました。 ◆幕内 昨年初場所で、昭和以降では3位タイの所要4場所で新入幕を果たしました。同場所で優勝争いに加わり、10日目から関脇琴ノ若(現琴桜)、大関豊昇龍、横綱照ノ富士に3連敗も、新入幕力士が横綱と対戦するのは10人目でした。同場所は敢闘賞を受賞し、続く春場所でも敢闘賞と技能賞を獲得。夏場所での6場所での新三役昇進は昭和以降2位の速さでした。その夏場所では12勝3敗で、所要7場所と史上最速で優勝し、技能賞と殊勲賞を獲得しました。名古屋場所は9勝に終わりましたが、優勝した照ノ富士を破って殊勲賞を受賞し、史上初めて新入幕から4場所連続で三賞を受賞しました。秋場所では13勝2敗で2度目の優勝を果たし、技能賞と敢闘賞で5場所連続三賞受賞。場所後に大関に昇進。今年春場所で3度目の優勝を飾りました。 ◆サイズ 192センチ、191キロ。靴のサイズは32センチ。腕回りは53センチ、太もも回りは76センチ。 ◆得意技 右四つ、寄り、突き、押し。 ◆特技 けん玉。 ◆家族 父・知幸さん、母・朋子さん、妹・葵さん。...

13日目の最初の取組で行司が土俵下へ転落 動けなくなり担架で退場 相撲診療所に

序ノ口の最初の相撲で、思わぬハプニングが発生しました。日本の大切な伝統である相撲において、予期せぬアクシデントは珍しいことです。 寺西が住吉を押し出した瞬間に、今場所デビューしたばかりの若い行司、式守友三郎(18=音羽山)が土俵下に落ちてしまいました。力士たちの激しい戦いの影響を受け、思わず土俵の下へ転がり落ちた友三郎は、その場から動けなくなり、救護班によりすぐさま手当てを受ける事態となりました。 護衛の親方衆もすぐに現場に駆け付け、友三郎は担架で搬送され、国技館内の相撲診療所に運ばれました。同会場内で適切な医療を受けられることは、安心できるポイントといえるでしょう。 この後の取組は、木村裕之助が行司を急きょ務め、無事に進行しました。ただ、若い世代の行司が事故に遭遇することは、相撲界にとっても注意が必要な出来事でした。

大の里、13日目に優勝を決めれば白鵬以来10年ぶり 初土俵から13場所での横綱昇進なら史上最速

大関の大の里(24歳、二所ノ関部屋)が自身初となる初日からの12連勝を達成し、2場所連続4度目の優勝と横綱昇進に王手をかけました。平幕の伯桜鵬をはたき込みで下し、唯一の2敗で追っていた横綱豊昇龍が敗れたことで、後続との差は3に広がりました。残り3日間、仮に3連敗した場合でも優勝同点以上が確定しました。13日目の大関琴桜戦に勝つと、長らく続いた激戦の時代を終え、大の里が頂点に立つことになります。   ◇   ◇   ◇12日目も安定した取り組みを見せました。伯桜鵬に対し、大の里がもろ手突きから頭を下げてくる相手をはたき込みで制しました。冷静に対応し、「落ち着いて取り組めました」と述べ、初対決には「集中して相手をしっかり見ていたので」と淡々とした様子で語りました。12連勝を達成したものの、浮ついた様子は見せませんでした。横綱豊昇龍の敗北により、後続との差が3に広がりました。「自分のことだけを考えて、明日以降も頑張ります」と語り、13日目に優勝が決まる可能性があるにもかかわらず、「以降」と言及するあたりに隙がありません。12日目終了時点で3差の逆転例はありません。1950年の横綱審議委員会発足後、連続優勝で昇進を見送られた大関はいません。仮に3日間すべて敗れても、優勝同点。横綱審議委員会の推薦内規には「2場所連続優勝か、それに準ずる好成績」とあり、大の里は現時点でその条件を満たしています。このまま優勝すれば、大相撲史にとっても意義深い出来事です。2021年九州場所で照ノ富士が優勝して以来、先場所まで20場所連続で連覇がありません。これは、優勝制度が1909年に確立して以来、2度目の出来事です。最初の例は1974~1978年の「輪湖時代」で、20場所中輪島と北の湖が13場所を制しました。現在は20場所で12人が優勝を経験する乱世にあります。史上最多45回の優勝を誇る元横綱白鵬の宮城野親方は、「1回目の乱世は両横綱が強かった。今回は、コロナの影響で巡業がなく、力士たちに稽古の蓄積がないのでこういうことが起きた」と分析します。コロナ禍が過ぎ、誰が勝つか分からない時代を、大の里が終わらせる可能性があります。初土俵から13場所での横綱昇進なら史上最速記録となります。また、負け越しなしでの横綱昇進は過去に例がありません。大関昇進時の「唯一無二」の口上を既に体現しています。13日目で優勝を決めれば、2015年初場所の白鵬以来10年ぶり。13日目、勝てば優勝。「それについては、やるべきことをやっていけばいいので」と大の里。歴史的瞬間が目前に迫っています。【佐々木一郎】

豊昇龍が日本国籍取得へ 情報漏れに立浪親方は「あまり騒いでほしくない」

横綱豊昇龍(26=立浪)が日本国籍取得の準備に入っていることを、師匠の立浪親方(元小結旭豊)が認めた。一部報道で情報が出たものの、立浪親方は「まだ(豊昇龍は)言って欲しくないらしい。あまり公表してほしくない。場所中だし、あまり騒いで欲しくない」とくぎを刺した。力士が現役引退後、親方として日本相撲協会に残るためには日本国籍が必要になる。立浪親方は「前から決まっていたし、そういうふうに聞いていた」と話した。夏場所後の6月にモンゴルに帰国し、日本国籍を取得するための手続きを進めていく。外国出身の歴代横綱では米国出身の曙、武蔵丸(現武蔵川親方)、モンゴル出身の白鵬(現宮城野親方)、鶴竜(現音羽山親方)、照ノ富士(現照ノ富士親方)が日本国籍を取得している。【大相撲夏場所全取組結果】はこちら>>

大の里が4度目の優勝に王手!横綱昇進も視野に、豊昇龍が敗れ3差に** **

** 24歳の大関、大の里(二所ノ関部屋)が、東前頭7枚目の伯桜鵬(21歳、伊勢ケ浜部屋)をはたき込みで下し、4度目の優勝に近づきました。自己ベストの初日から12連勝を記録した大の里は、結びの一番で2敗の横綱豊昇龍が関脇霧島に敗れたことで、全勝のままで後続に3勝のリードを得ました。13日目に大関琴桜との対戦で勝利すれば、優勝が決定します。同時に、大関で2場所連続優勝を達成し、横綱昇進の可能性が高まります。取組後の支度部屋で、大の里は「落ち着いて取組めました。しっかり集中して、相手を捉えられました」と冷静なコメントを残しました。また、3勝差については「自分のことだけを考え、明日以降も頑張ります」と気を引き締めていました。

横綱豊昇龍、日本国籍取得へ 夏場所後にモンゴルに帰国し手続き進める

大相撲の横綱豊昇龍(26)=本名スガラグチャー・ビャンバスレン、モンゴル出身、立浪部屋=が日本国籍取得の準備に入っていることが22日、関係者の話で分かった。現役引退後、親方として日本相撲協会に残るためには日本国籍が必要。師匠の立浪親方(元小結旭豊)によると、豊昇龍は2023年名古屋場所後に大関昇進を果たす前から、将来的には指導者になる希望を持っていた。「思いはずっと聞いていた。準備を始めたのは最近」と説明した。夏場所後の6月にモンゴルに帰国し、日本国籍を得るための手続きを進めるという。外国出身の歴代横綱では米国出身の曙、武蔵丸(現武蔵川親方)、モンゴル出身の白鵬(現宮城野親方)、鶴竜(現音羽山親方)、照ノ富士(現照ノ富士親方)が日本国籍を取得した。(共同)

46歳のパッキャオ、4年ぶりの世界戦を自ら発表「歴史を作ろう」7月19日にWBC王者バリオスと対戦

元プロボクシング世界6階級制覇王者であるマニー・パッキャオ(46歳、フィリピン出身)が、21日(日本時間22日)に自らの公式インスタグラムで重大発表を行いました。7月19日(同20日)にアメリカ・ネバダ州ラスベガスにあるMGMグランドで、WBC世界ウェルター級の現王者マリオ・バリオス(30歳、アメリカ出身)に挑戦すると発表しました。 最新のWBCウェルター級ランキングで5位に位置するパッキャオは、「バリオスと対戦するためにリングに戻ります。歴史を作ろう!」と熱い意気込みを述べました。 パッキャオにとって、この試合は2021年8月に行われたWBC世界ウェルター級王座統一戦でキューバのヨルデニス・ウガスに敗れて以来、約4年ぶりのボクシング復帰戦となります。彼はボクサーとして活動する一方で、2010年からフィリピンの議会で下院議員や上院議員としても活躍し、政治の舞台にも進出してきました。2022年にはフィリピン大統領選にも出馬しましたが、惜しくも落選しました。また、パリ・オリンピックへの参加意欲を示し、特別枠での出場を目指しましたが、年齢制限により叶いませんでした。 さらに、2024年7月には日本の総合格闘技団体RIZINに参戦し、RIZINの大会で元K-1王者の安保瑠輝也と特別ルールの下でのエキシビションマッチに挑戦しました。この特別ルールではキックや裏拳が禁止されていました。

** 初挑戦の綱取り、大の里が劇的逆転を演出する「第3の武器」 若隆景を退け11連勝で13日目に優勝の可能性 **

** ```html 初の綱取りに挑む大関大の里(24=二所ノ関)が、進化を見せて11連勝を果たしました。取組前まで2敗を喫していた小結若隆景に苦戦。初優勝を支えた右差し、2度目の優勝をもたらした左おっつけという、従来の得意技は封じられました。しかし、今場所の前に習得した「第3の武器」、右上手が逆転劇を引き起こし、寄り倒しで無敗を守りました。2敗で追っているのは横綱豊昇龍ただ一人となり、13日目には4度目の優勝を果たし、事実上の横綱昇進が決まる可能性が出てきました。    ◇   ◇   ◇ 今場所の前に身に付けたばかりの「第3の武器」が、大きな勝利を呼び込みました。右を差せず、左もおっつけることができず……。大の里は苦しい体勢に追い込まれました。さらには、相撲巧者の若隆景にもろ差しを許してしまいました。先場所までなら絶体絶命の状況でしたが、肩越しに右上手を引き、幕内最重量191キロの体を生かして44キロ軽い相手に圧力をかけました。相手に下手投げを打たれても、命綱の右上手は放さず、体を預けて寄り倒しました。 「集中して取ることができた。危なかったけど、流れでいけたと思う」。取組前までの対戦成績が2勝2敗という難敵を退け、重圧から解放された様子で語りました。もし負けていれば、豊昇龍、若隆景と1つの差となり、途端に優勝争いは混迷しました。しかし、取組前に2敗だった4人が1人となり、一気に13日目での優勝の可能性が出てきました。 大一番を制した右上手は今月6日、茨城・阿見町の部屋での稽古で手応えをつかんだばかりでした。師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)と半年ぶりに行った、連続10番の三番稽古。右四つの自身とはけんか四つ、左四つの師匠に、なかなか差し手争いで勝てませんでした。しかし、右差しにこだわらず、右上手を引いて寄り立てる相撲に変更して8勝2敗。それまで師匠との三番稽古は、ほぼ互角の勝敗でしたが、初めて圧倒しました。 その日の稽古後、大の里は「自然と体が動いた。相手の動きを封じ込められるようになった」と、成長を語っていました。きっかけは3度目の優勝を果たした、先場所千秋楽の優勝決定戦の高安戦。「右上手を取って、うまく攻められた。あれがかなり自信になった。1つの発見」。優勝のたびに新たな武器や気付きがあり、大事な綱取り場所で優勝争い独走へとつなげました。 この日の内容は「良くなかった」という。それでも勝たなければならないのが横綱の使命。「集中し直して頑張りたい」と、再び内容も求める決意です。風格も十分。いよいよ4度目の優勝と横綱昇進が、現実味を帯びてきました。【高田文太】 ```