Battle

井岡一翔、フェルナンド・マルティネスとの10カ月ぶりの再戦に向け計量パス

プロボクシングで4階級制覇を果たした元王者であり、現在WBA世界スーパーフライ級6位の井岡一翔(36歳、志成所属)が、リベンジに向けて順調に進んでいます。11日に東京・大田区総合体育館で、WBAスーパーフライ級の現王者フェルナンド・マルティネス(33歳、アルゼンチン)との再戦が予定されています。10日には東京・品川区にあるホテルで前日計量が行われ、両選手は共にリミットである52.1キログラムを下回る51.9キログラムで計量をクリアしました。井岡選手はネックレスを付けたまま体重計に乗るなど、余裕を感じさせました。昨年7月のWBA、IBF世界同級王座統一戦でマルティネス選手に判定で敗れて以来のリマッチとなります。この再戦は昨年大みそかに予定されていましたが、マルティネス選手がインフルエンザに感染したため試合直前で中止になりました。今回の試合は仕切り直しの一戦です。もし井岡選手が勝利すれば、元世界3階級制覇王者の長谷川穂積が持つ、日本国内の最年長世界王座奪取記録(35歳9カ月)を更新し、36歳1カ月での新記録を樹立します。

リベンジに燃える井岡一翔、過去の世界戦リマッチでの無敗記録に自信 オッズが不利でも「気にしていない」

ボクシング元世界4階級制覇王者でWBA世界スーパーフライ級6位の井岡一翔(36歳、志成ジム所属)は、この度、不利なオッズを覆すべくリベンジを果たす決意を示しています。11日に東京・大田区総合体育館で、同級王者のフェルナンド・マルティネス(33歳、アルゼンチン)にリベンジ戦を挑みます。約10カ月ぶりの再戦に向け、9日には都内でお互いに顔を突き合わせる調印式が行われました。過去に行った世界戦のリマッチでは全勝してきた井岡は、自信を持って王座返り咲きを目指しています。   ◇   ◇   ◇井岡は心も体も落ち着いていました。昨年7月に判定負けを喫し、次は昨年大みそかのリベンジ戦で挑む予定でしたが、マルティネスのインフルエンザ感染により試合直前に中止となりました。因縁深い王者と10カ月ぶりに再会した井岡は、「以前お会いした時と特に変わりはない印象ですし、久しぶりに会えて元気そうで良かったです」と冷静な様子でした。4階級制覇を成し遂げた井岡にとって、珍しく厳しいオッズが設定されています。英大手のブックメーカー、ウィリアムヒルではマルティネスの勝利に1.30倍、井岡の勝利には3.50倍のオッズがつけられました。昨年7月の敗北と年齢が影響しているとみられていますが、井岡は自信を持っています。「今回の試合に限らず、私はオッズの不利について全く気にしていません。前回の試合の結果を受けての評価ということも理解していますが、これを覆し勝利するつもりです」と井岡は意気込んでいます。過去に3回、世界戦のリマッチを経験し、全て勝利している井岡。その試合でセコンドにつくキューバ人名伯楽のイスマエル・サラス・トレーナー(67歳)は、「井岡の修正能力は素晴らしいです。今回も必ずリベンジを成功させたい。私は数多くの世界王者を育ててきましたが、井岡は本当に信頼できる素晴らしいボクサーの1人です」と絶対の信頼を寄せています。勝利すれば長谷川穂積が持つ国内最年長王座奪取記録(35歳9カ月)を更新し、36歳1カ月での新記録となります。井岡は「11日に勝つこと、それがすべてです。それだけを考えてきた1年間でした」とリベンジへの思いを強く語りました。【藤中栄二】

横綱昇進に挑む大の里、初日は若元春戦 夏場所、2日目までの取組決定

日本相撲協会は9日、大相撲夏場所(11日初日・両国国技館)の取組編成会議を開き、2日目までの取組を決めた。先場所覇者で横綱昇進に挑む大関大の里は、初日に若元春、2日目に小結高安の挑戦を受ける。両者には春場所の本割で敗れており、難敵を迎えることになった。先場所を途中休場した横綱2場所目の豊昇龍は、小結若隆景、若元春とぶつかる。大関琴桜は王鵬、阿炎の順で当たる。両関脇は大栄翔が阿炎、霧島が豪ノ山と初日に顔が合った。8場所ぶりに三役に復帰した元大関の高安は、40歳の玉鷲と初日に対戦する。十両以上の休場者は幕内琴勝峰だけだった。

井岡一翔、世界戦3日前に特別なTikTokライブを開催「この1年それしか考えず」、マルティネスと再戦へ

日本人プロボクシングのレジェンドである元世界4階級制覇王者、現在はWBA世界スーパーフライ級6位の井岡一翔(36歳、志成ジム所属)が、試合3日前の2月8日に特別なTikTokライブを実施しました。 彼は11日に東京の大田区総合体育館で、同級の王者フェルナンド・マルティネス(33歳、アルゼンチン出身)との再戦に臨みます。この日10時過ぎから始まったライブには、妻の恵美さんと共に出演しました。 井岡選手は昨年7月のタイトル統一戦でマルティネス選手に敗れており、それ以来の試合です。実は昨年大晦日に再戦が決定していましたが、王者がインフルエンザに感染したため試合直前で中止となりました。今回は再スタートの試合です。井岡選手は「まずは敗北の流れを断ち切り、リベンジを果たしたい。この1年ずっとそれだけを考えてきた」と決意を顕にしました。 仮に勝利すれば、彼は長谷川穗積の国内最年長王座奪取記録(35歳9カ月)を更新し、36歳1カ月という新記録を達成します。今のところ「引退は考えていない」と言い切る井岡選手は、妻の恵美さんから「45歳まで続けてほしい。あと10年は頑張って」と言われると、微笑みながら「それは無理だろう」と答えました。視聴者から「妊娠が判明し応援に行けませんが、子どもには一翔の名をつけます」とのコメントに対して彼は好反応を示しました。 約1時間にわたって、ファンからの質問に応じた井岡選手は、「応援している人々の思いを背負って戦いたい」と語りつつ、「5月11日は全力で臨みます。再びチャンピオンの姿をお見せします」と意気込みを語りました。

井上尚弥、ロナウドからの可能性ある援軍、12月に予定された「サウジ決戦」 30億円契約の政府プロジェクトでの繋がり** **

** ボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者である井上尚弥選手(32=大橋)は、12月に予定している「サウジ決戦」で、ポルトガル代表FWのクリスティアーノ・ロナウド選手(40)から「VIP援軍」が受けられる可能性が浮上しました。サウジアラビアのアルナスルに所属するロナウド選手が、観戦や激励を行う可能性があることを6日にジム関係者が明かしました。中東で両者が対面すれば、大きな注目を集めることは間違いありません。井上選手は4日(日本時間5日)、米国ラスベガスでラモン・カルデナス(29=米国)を8回TKOで破り、一夜明けた5日(同6日)、現地で静養しました。    ◇   ◇   ◇ 井上選手は以前からロナウド選手と「接点」がありました。2020年11月、同じスポンサーを持っていた縁でオンラインで対談が実現。当時、井上選手は「トレーニングに対する思いをお話しさせていただいた」と述べていました。ロナウド選手といえば、スイーツ禁止、禁酒、8時間の睡眠確保をはじめ、魚と卵、サラダ中心の食事療法を徹底していることで有名です。42歳まで現役を続ける意向を示し、長くトップを走り続ける存在は、32歳になった井上選手にとっても刺激的でしょう。 このロナウド選手との「接点」をきっかけに、サウジアラビア政府の直轄プロジェクト「リヤド・シーズン」からのスポンサー契約オファーが届きました。昨年11月には推定30億円の複数年契約が結ばれた背景もあります。現在ロナウド選手はアルナスルとの契約が今夏に満了しますが、すでに2億ユーロ(約320億円)での2年契約延長が合意間近とされ、リヤド・シーズンの「顔」の役割も担う見通しです。ジム関係者は「ロナウド選手は親日家で、リーグ日程が問題なければ試合観戦も考えられる」と述べています。 まだサウジアラビアでの試合契約は結ばれていませんが、井上選手が9月14日に名古屋で予定されているWBA世界同級暫定王者のムロジョン・アフマダリエフ(30=ウズベキスタン)に勝利すれば、12月の交渉は本格化する見通しです。ロナウド選手は過去に「リヤド・シーズン」として開催された4団体統一ヘビー級タイトル戦(オレクサンドル・ウシク対タイソン・フューリー戦)にも公式イベントとして参加した経験があります。 ジム関係者からは「リヤド・シーズンを運営するトゥルキ・アラルシク長官の判断次第で、対面の機会があるはず」との説明がありました。井上選手の「サウジ決戦」が正式に決まれば、両者の「緊急合体」が一気に実現に向けて動き出しそうです。 ◆クリスティアーノ・ロナウド 1985年2月5日、ポルトガル領マデイラ島生まれ。スポルティング下部組織入りし、2002年にプロ契約。03年夏にマンチェスターUへ移籍しスターに。プレミア、スペイン、セリエAの3大リーグを制覇し、バロンドール5度受賞。身長185センチ、体重85キロ。 ◆リヤド・シーズン 2019年からサウジアラビア総合娯楽庁が政府として大規模プロジェクトを立ち上げ、スポーツ、ライブ、展示会を開催。サッカーでは同国強豪のアルナスルにC・ロナウドが加入し、メッシ擁するパリSGとの親善試合を行った。ボクシングでは4団体ヘビー級王座統一戦を開催し話題を呼びました。米プロレスWWEや米総合格闘技UFCも定期的に開催され、人気アーティストBTSもライブを実施するなど、石油依存からの脱却を目指し、新たなエンタメ産業の定着を目指す国家戦略の一環となっています。

井上尚弥からダウンを奪ったカルデナス「安易な対戦ばかりなら、無敗記録なんて無意味だ」

4団体統一スーパーバンタム級王者の井上尚弥(32=大橋)は、日本時間で5日にあたる4日、ボクシングの聖地ラスベガスで11連続KO勝利を果たしました。相手はWBA世界同級1位のラモン・カルデナス(29=アメリカ)で、試合は8回TKOでの勝利となりました。 試合翌日の日本時間6日、挑戦者のカルデナスは公式インスタグラムを更新し、「勝利は得られなかったが、多くの人々の心を動かすことができたことに感謝しています。これがボクシングの本来あるべき姿だと思います。安易な相手とばかり戦うなら、無敗という記録にはあまり意味がない。すぐに戻ってきますが、目標は一切変わりません。世界タイトルを目指します!」とコメントしました。 彼の投稿に対しては、試合中に井上からダウンを奪ったことなどが称賛され、「新たなファンが増えた!」「ボクシングファンのために全力を尽くしてくれてありがとう!何も恥じることはない。しっかり休んで、また会おう!」「素晴らしいプレイだった!」「誇りに思う。次が楽しみだ」など、多くの激励の声が集まりました。

【ボクシング】井上尚弥の次戦相手、暫定王者アフマダリエフが5月30日にメキシコで戦うことが決定

プロボクシング界で世界から注目を浴びる井上尚弥(32歳=大橋)が次に迎える挑戦者が、大一番の前に前哨戦を行います。井上との対戦が9月14日に日本で予定されているWBA世界暫定スーパーバンタム級王者ムロジョン・アフマダリエフ(30歳=ウズベキスタン)が、5月30日にメキシコ・グアダラハラでルイス・カスティーヨ(メキシコ)と対戦することが、ボクシング専門の米メディア「ボクシング・シーン」により6日までに報じられました。アフマダリエフは昨年12月にモナコでリカルド・エスピノーザ(メキシコ)を3回でノックアウトし暫定王座を獲得しましたが、それ以来約5カ月ぶりのリングに立つことになります。アフマダリエフは元WBAスーパー、IBF世界同級統一王者としても知られますが、2023年4月にマーロン・タパレス(フィリピン)に判定で敗れ、統一王座から陥落しています。

【井上尚弥独占手記】対戦相手を挑発しない理由 ボクシングを親御さんが「やらせたい」競技に

【ラスベガス(米ネバダ州)4日(日本時間5日)=藤中栄二】ボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(32=大橋)が、WBA世界同級1位ラモン・カルデナス(29=米国)を8回0分45秒、TKOで撃破した。聖地ラスベガスのビッグ会場となるT-モバイルアリーナでメインイベンターを務め、世界戦KO勝利を歴代最多の「23」とし、4団体統一王者として歴代タイの4度目防衛に成功。区切りのデビュー30連勝を飾った世界注目の「モンスター」が本紙に手記を寄せた。   ◇   ◇   ◇約4年ぶりのラスベガスは本当に最高の舞台になりました。T-モバイルアリーナのリングから見た景色、ボクシングの本場でこれだけ多くの方が集まってくれたことに感動しました。このリングに立てたのはパウンド・フォー・パウンド(PFP=階級を超越した最強ボクサー)の上位にいたことが大きいと思っています。5位以内は自分以外、重量級の世界王者たちが並びます。そこに軽量級の自分が入っていることは誇りです。重量級と比較されても色あせないKOシーンや試合内容を見せてきた証拠だと思っています。PFPはテクニックがあるだけで認められるランキングではないと感じます。今の自分のスタイルがラスベガス、米国ファン好みの試合なのだろうと想像しています。「ここぞ」というところで、いかに試合を盛り上げることができるか。もちろん勝負の世界。盛り上げることを考えて戦うわけではないですが、そういう部分も兼ね備えて認められるもの。それを自分が自然とできていることが大きいと思っています。 重量級と遜色ない報酬や契約を結んでいることも軽量級の価値を上げていると自負しています。しっかりと結果を残せばMLB、NBAなど米国で人気の他競技と変わらない、いや結果次第ではそれ以上の対価が得られるという競技に変えられることができていると思っています。プロを目指すキッズたちが「こうなりたい」と思えるような位置までようやく到達してきたのかなと。ボクシングは大けがをするリスクも高い。決して甘い気持ちではできないですが、親御さんがボクシングをスポーツとして認め、習わせたいという競技にできているのかなという思いです。自分が試合前に対戦相手を挑発したり、あおったりする発言をしないのはなぜか? もちろん挑発されたらイラっとしますが、自分からはやりません。それは公の場に出て、殴り合ってけんかして…、それを見た親御さんがボクシングをやらせたいと思うのかと。小学生のうちから英才教育し、格闘技の中でもボクシングをやらせたいと思えるスポーツ競技になってきたのは本当に良いことです。自分がプロデビューした時は「具志堅(用高)さんの記録を超す」とボクシング界に残っている記録を追い抜くことが目標でした。もしデビュー当時の自分がPFP1位になりたいと言ったら鼻で笑われ、PFPって何?と言われていたかもしれません。それが今、自分が2階級で4団体統一し、PFP1位となり、デビューした選手たち、キッズたちが「PFP1位になりたい」「4団体統一したい」と言う時代になりました。自分は誰も行ったこともない領域に進むことのやりがいはすごくあります。上り詰められるところまで上り詰めたいです。それが日本のボクシング界のためになると信じています。今年3月の年間表彰式で、中谷潤人選手に「1年後、東京ドームでボクシングを盛り上げましょう」と伝えました。国内外のファンが求めている戦い、両者が望んでいる試合です。本人不在のところで名前を出すより、2人そろって正式な場で発言することが試合実現に向けて走りだすと思ったからです。盛り上がりも違いましたね。しかし、そこに到達するまでの道のりには高い壁があります。 1年後の約束なんて、お互いに100%確約されていないのは事実です。それでも周りが期待する、注目する試合だからこそ進めていかなくてはいけないです。この勝者がその後の日本のボクシング界を引っ張っていくはず。それが井上尚弥だ、というところを証明したいです。約4年ぶりのラスベガスの試合に向け、常に自分が練習に集中できるように協力してくださった大橋会長をはじめ、大橋ジムの全選手、スタッフのみなさまにも感謝の気持ちでいっぱいです。もちろん公私においてサポートしてくれたトレーナーの父をはじめ、家族にも感謝します。本当にありがとうございました!(4団体統一スーパーバンタム級王者・井上尚弥)◆井上の世界戦記録 通算KO数の23KOはジョー・ルイス(米国)を抜き歴代トップ。5位以内の現役は井上とゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)の2人のみだ。連勝は25となり、フリオ・セサール・チャベス(メキシコ)らと並ぶ歴代3位。ルイス、フロイド・メイウェザー(米国)が26連勝で1位。通算勝利は25勝でオスカー・デラホーヤ(米国)らと並ぶ5位。チャベスが31勝で1位。オマール・ナルバエス(アルゼンチン)が28勝で2位。ルイス、メイウェザーが26勝で3位にいる。国内ではこの全項目で1位。18年10月のパヤノ戦でマークした70秒(1分10秒)は日本男子歴代1位の国内最短KO記録。◆パウンド・フォー・パウンド(PFP) 米老舗専門誌「ザ・リング」が選定する、異なる階級の選手を体重差がなかったとして比較した現役最強王者を示す称号。1940~60年代にミドル級などで活躍した「拳聖」シュガー・レイ・ロビンソン(米国)をたたえる造語として誕生◆井上尚弥(いのうえ・なおや) 1993年(平5)4月10日、神奈川・座間市生まれ。父真吾氏の影響で小学1年から競技開始。高校時代にアマ7冠。12年7月にプロ転向。14年6月、6戦目でWBC世界ライトフライ級王座を奪取。14年12月、8戦目でWBO世界スーパーフライ級王座を獲得し2階級制覇。18年5月、WBA世界バンタム級王座を獲得し3階級制覇。19年5月にIBF同級王座、同年11月、WBSS同級制覇。22年12月、史上9人目の4団体統一王者に。23年7月にWBC、WBO世界スーパーバンタム級王座を獲得して4階級制覇。同12月に史上2人目となる2階級での4団体統一に成功。身長164・5センチの右ボクサーファイター。井上尚弥まさかのダウンも8回TKO勝利 11連続KOで世界新 聖地ラスベガスで30連勝/ライブ詳細

井上尚弥、名古屋で9月に統一戦!首都圏以外で初の世界戦、新オープンの「IGアリーナ」での開催が最有力

日本が誇る4団体統一スーパーバンタム級王者、井上尚弥(32=大橋)が、初めて名古屋での決戦に臨むことが5日に明らかになりました。9月14日、名古屋でWBA世界同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(30=ウズベキスタン)との統一戦に挑むことが決定しました。今年7月にオープンする「IGアリーナ」が最も有力な開催地とされています。井上にとって、首都圏以外での初の世界戦となり、4団体統一王者としての防衛記録を更新する重要な一戦です。   ◇   ◇   ◇ラスベガスに次ぐ舞台は名古屋。井上の世界戦が首都圏を超えて初めて名古屋で開催されます。今年7月に開業する「IGアリーナ」が最有力の会場候補。井上と大橋ジムはスポンサーであるNTTドコモとの協力を得て、名古屋の舞台での戦いに挑むことになります。大橋ジムは6月に初めて大阪でもイベントを開催し、エディオンアリーナ大阪で自主興行のフェニックスバトルを行います。全国の主要都市でイベントを行う長期計画を進めており、名古屋での井上の世界戦開催にも前向きです。ジム関係者は、「IGアリーナでの開催交渉は進行中です」と述べました。自然を取り入れたデザインが印象的なこのアリーナは、観客席が4階まで広がっており、最大1万7000人を収容できます。3階には1000席のスイートルームが設けられており、貴賓席も完備されています。センターには日本でも珍しい360度から見やすい八角形のビジョンを設置。まさにグローバルアリーナと呼ぶにふさわしい会場です。ラスベガスでは、4団体統一王者として4回目の防衛を成功させ、サウル・アルバレス(メキシコ)の歴代最多防衛記録に並びました。今回の名古屋での勝利が、歴代1位の大記録となります。アフマダリエフも実力者であり、この対戦は大いに注目を集めています。◆IGアリーナ 愛知県体育館としての伝統を受け継ぎ、名古屋市の名城公園に建設されました。収容人数は1万7000人で、25年7月にオープン予定。大相撲名古屋場所のほか、有名アーティストのライブも予定されている話題のスポットです。◆井上尚弥(いのうえ・なおや) 1993年4月10日、神奈川・座間市生まれ。ボクシングを始めたのは父親の影響によるもので、小学1年生から競技を開始しました。高校時代にはアマチュアで7冠を獲得し、2012年にプロへ転向。14年6月にWBC世界ライトフライ級王座を獲得、以降4階級制覇に成功。23年にはWBC、WBO世界スーパーバンタム級王座を獲得し、史上2人目の2階級での4団体統一王者となりました。身長164.5センチの右ボクサーファイターです。

井上尚弥、8回TKOで11連続KO勝ち 通算KO数も世界新 ダウンも鼻血も「楽しかった」

【ラスベガス(米ネバダ州)4日(日本時間5日)=藤中栄二】4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(32=大橋)が聖地ラスベガスで11連続KO勝利を挙げ、77年ぶりに世界新記録を更新した。WBA世界同級1位ラモン・カルデナス(29=米国)の挑戦を受け、8回TKO勝ちした。4本のベルトの防衛(WBAスーパー4度目、WBC5度目、IBF4度目、、WBO5度目)に成功。「褐色の爆撃機」と呼ばれた元世界ヘビー級王者ジョー・ルイス(米国)が1948年6月にマークした世界戦通算KO記録(22KO)を抜き、約77年ぶりに世界新記録を樹立した。自身のプロデビュー30連勝という区切り勝利でもあった。4団体統一王者としての4度防衛成功は、現4団体統一スーパーミドル級王者サウル・アルバレス(メキシコ)と並ぶ歴代トップタイ記録となる。近年の伝統とも言える数々のビッグマッチが開催されてきたシンコ・デ・マヨ(メキシコ国民の祝日)ウイークの大トリとして勝利。過去には元世界6階級制覇王者となるオスカー・デラホーヤ(米国)やマニー・パッキャオ(フィリピン)、50戦無敗のまま現役引退した元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(米国)、アルバレスらと続いたバトンを、井上がきっちりと勝利で受け継いだ。 4月23日にロサンゼルスで公開練習した時から数多くのメディアが集結した。同日にラスベガスにプライベートジェットで移動して現地調整を開始、練習先のトップランクジムにはサインを求めるファンが殺到し、5月1日のグランドアライバルと呼ばれる到着イベントには約300人、同3日の公開計量には200人を超えるファンが詰め掛けるフィーバーぶりだった。 井上は「いつも通りの試合を。あえてラスベガスだからこういう試合をするではなく、求められているのは日本でやっているパフォーマンス。いつも通り、平常心で戦う。気負いなく、ここは日本だという気持ちで」とリラックスした表情で試合当日を迎えていた。カルデナス戦をクリアしたことで、9月にはWBA世界同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(30=ウズベキスタン)との団体内統一戦に臨むことが確実だ。さらに12月にはサウジアラビア・リヤドでの世界戦も計画。1階級上となるWBA世界フェザー級王者ニック・ボール(28=英国)が候補として浮上している。さらに来春にはWBC世界バンタム級王者中谷潤人(27=M・T)との日本人対決も約束されており、今後の井上尚弥にも目が離せない。◆井上尚弥 みなさん、今日の試合をみていただければ僕が殴り合いが好きなことが分かっていただけだと思う。すごく楽しかったです。(2回にダウンを喫したが)非常に驚きましたが、冷静に組み立て直すことができました。3回からは絶対にもらわないようにと思った。オッズはかなりの差があった。相手は必死に倒しににくる。ボクシングは甘くないと思った【ラウンドVTR】1回ともに右構えのオーソドックススタイル。開始30秒はともにパンチは繰り出さず。30秒すぎに井上が左ジャブでカルデナスを突き放す。井上は左ジャブを突きながら慎重に様子を見る。カルデナスは高いガードでブロックに必死。井上はかまわずガードの上からジャブをたたきつける。終了間際に井上の右ストレートが浅くヒット【日刊採点】井上10-92回井上が強い左ジャブで突き放す。20秒すぎにボディーブローから右フックを当てる。カルデナスも接近して左右アッパーを繰り出す。1分すぎにカルデナスがパンチを繰り出して前に出る。井上のワンツーもヒット。カルデナスもボディーから右を当てて打ち合いに出る。残り10秒、カルディナスの左フックを浴びて井上がダウン【日刊採点】カルデナス10-83回井上が左ジャブを突いて突き放す。カルデナスはガードをかためて強打を狙う。カルデナスの左フックは大きく空を切る。2分すぎに井上のワンツーが2連発でヒット。カルデナスの大振りの狙い打ちを井上はことごとくかわす。【日刊採点】井上10-94回井上がガードをかためながらワンツーから左ジャブでペースを握る。カルデナスもワンツーを返す。中盤は井上は徹底して左ジャブを突く。2分すぎに井上の左ボディーブロがヒット、終盤は井上がワンツーからの連打でガルデナスをコーナーに追い詰めてラッシュ。【日刊採点】井上10-95回開始からジャブの付き合い。井上の左ボディーブローが決まる。中盤も井上が左ジャブでペース掌握。カルデナスはガードに追われて手数が少ない。カルデナスはカウンター狙いか。残り30秒、井上のワンツーから左ボディーブローがヒット。終了間際に井上のワンツーが浅く決まる【日刊採点】井上10-96回開始からジャブの付き合い。30秒すぎに井上の左ボディーブローでカルデナスが後退。1歩半すぎに井上の右ストレートがヒットしてカルデナスが後退。。井上がカルデナスをロープにつめて猛ラッシュ。カルデナスは何とか耐えて終了ゴング【日刊採点】井上10-97回井上が左ボディーブローでカルデナスをロープにつめて連打。50秒すぎに井上の右ストレートを受けたカルデナスが後退。中盤は井上が一方的に連打で迫るが、カルデナスも反撃して井上をロープに詰めて連打。残り30秒、井上の右ストレートの連打でカルデナスがダウン。【日刊採点】井上10-88回開始早々、井上がワンツーを決める。カルデナスは大振りの左右フックを狙うも空を切る。30秒すぎ井上の連打にカルデナスがコーナーに後退。井上がラッシュしたことろでレフェリーが試合を止めた。井上のTKO勝利◆井上尚弥(いのうえ・なおや)1993年(平5)4月10日、神奈川・座間市生まれ。父真吾氏の影響で小学1年から競技開始。高校時代にアマ7冠。12年7月にプロ転向。14年6月、6戦目でWBC世界ライトフライ級王座を奪取。14年12月、8戦目でWBO世界スーパーフライ級王座を獲得し2階級制覇。18年5月、WBA世界バンタム級王座を獲得し3階級制覇。19年5月にIBF同級王座、同年11月、WBSS同級制覇。22年12月、史上9人目の4団体統一王者に。23年7月にWBC、WBO世界スーパーバンタム級王座を獲得して4階級制覇。同12月に史上2人目となる2階級での4団体統一に成功。身長164・5センチの右ボクサーファイター。【ライブ速報】井上尚弥、5・5防衛戦 カルデナスと米ラスベガスで激突