Battle

夏場所解説の西岩親方「宇宙人」40歳玉鷲に驚き「マイナンバーカードを見せてもらいたい」

東前頭3枚目の玉鷲(40=片男波)が西前頭1枚目の王鵬(25)に敗れ、8敗目を喫した。敗れはしたが、力強い姿に、ABEMAの相撲中継で解説を務めた元関脇若の里の西岩親方(48)は思わず「マイナンバーカードか何かを見せてもらいたい(笑い)。年齢ごまかしているんじゃないか(笑い)」とコメント。40歳という年齢が信じられない様子で話した。玉鷲を「宇宙人」とも表現した西岩親方は「冗談は私の顔だけにしておきます」と実況アナウンサーとの会話を締めた。

コメの価格高騰、相撲部屋への影響は? 高砂部屋は1日15キロを消費する

コメの価格高騰が相撲部屋にも波及しています。力士にとって食事は仕事の一部であり、コメの消費量は一般家庭のそれをはるかに超えます。 相撲部屋ではコメの消費が多いため、備蓄している部屋が多いです。後援者からの差し入れも支えていますが、価格高騰の影響は避けられず、ちゃんこ鍋の材料にも変化があります。いくつかの部屋の師匠に現状を聞きました。 九重親方(元大関・千代大海)は力士20人を率いています。「コメの在庫はあるが、ない時には対応が必要。炊き込みご飯やたけのこご飯の時はコメの消費が少ない。ちゃんこに麺を加えることも」と語ります。30キロの米袋は3、4日で消費され、「うどんを増やしている部屋もある」とのことです。 同じく20人の力士を抱える木瀬親方(元幕内・肥後ノ海)は、価格高騰の影響を「今まで差し入れがあったところが減少した」と述べています。地方場所での差し入れを持ち帰ることも多かったが、「余剰分を施設に配ることができなくなった」とのことです。 押尾川親方(元関脇・豪風)は力士11人を指導。「地元・秋田のコメを食べさせたいが高価。麺を食べる日を儲けるなど工夫しています。ちゃんこは楽しい時間」と語ります。農家との協力を模索しています。 高砂部屋では26人の力士が1日15キロのコメを消費し、30キロの米袋が3日も持たない状況です。「コメは必要不可欠で、後援者からの支援に感謝しています」と高砂親方(元関脇・朝赤龍)はコメント。 玉ノ井部屋では21人の力士が1日8升のコメを消費。玉ノ井親方(元大関・栃東)は「福島からのコメの支援に感謝し、余ったコメはチャーハンにするなどして無駄を避けている」と述べています。 佐渡ケ嶽部屋では16人の力士が、4升釜2つと、2升釜と1升釜を活用。「山形のお米をいただくことに感謝」と佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)が語り、若い衆も「高価なコメに感謝」と言う。 各部屋では、差し入れに頼りつつ麺への代替や食べ方の工夫をし、コメの価値を再認識しながら食事を楽しんでいます。【佐々木一郎】

大の里が初日から10連勝 得意の右ではなく左差しで完勝 解説の元栃東の玉ノ井親方も称賛

綱取りを目指す大関大の里(24=二所ノ関)が危なげなく前頭一山本(31=放駒)を破って初日から10戦全勝とした。立ち合い直後の左からの攻めで横向けにすると、回り込もうとする一山本を追いかけて、そのまま押し倒しという完勝だった。大の里といえば右差しだが、この日は左から。「右が使えなければ左を使う。思ったような相撲がとれている」とNHKの解説を務めた元大関栃東の玉ノ井親方。1敗の2人がともに敗れたため、2つの星の差をつけた。【大相撲夏場所全取組結果】はこちら>>

“三役の壁” 大栄翔が1敗の伯桜鵬を下す「幕内はみんな強いので気合を入れて取った」

関脇の大栄翔(31歳、追手風部屋)が、取組前まで1敗だった伯桜鵬を下し、再び「壁」となりました。初顔合わせとなった伯桜鵬を、一方的に突き出しで完勝しました。これまでにも、幕内中位や下位で勢いよく勝ち続ける力士に対して「三役の壁」として立ちはだかり、彼らの勢いを止める役割を果たしてきました。今回も、組み合わせを決める審判部の期待に応えた形です。「昨日(前日9日目の玉鷲戦)悔しい負けをして、この一番に集中して、良い相撲を取れた。幕内はみんな強いので気合を入れて取った」と、納得した様子で語りました。

豊昇龍、6連勝で横綱として初の勝ち越し – 「自分のことだけ考える」無敗の大の里に2差

横綱の豊昇龍(25歳、立浪部屋)は、6連勝を飾り、横綱昇進後2回目の場所で初めて勝ち越しを決めました。取り組み開始から相手の宇良の上体を起こし、低い姿勢を封じて主導権を握りました。押し込んだ際、相手がバランスを崩した瞬間を逃さずに追撃し、最後は背中を押して送り出しました。「様々な手を使う相手でしたが、集中して取り組みました」と、彼は胸を張りました。無敗の大の里とは2番手に並びながらも、「自分のことだけ考える」と冷静に語っています。

豊昇龍5連勝、取組前の鬼の形相やめた「緊張するよりも楽しもう」横綱初の勝ち越しへあと1勝

昇進2場所目の横綱豊昇龍(25=立浪)が、いよいよ乗ってきた。西前頭4枚目の一山本をはたき込み、5連勝で7勝2敗。まずは横綱初の勝ち越しへ、あと1勝とした。先場所は新横綱として39年ぶりに休場。その休場前、最後に敗れて金星を配給したのが一山本だった。雪辱を果たした格好で、勢いが加速しそうな気配。無敗で単独トップの大関大の里との2差を守り、逆転をうかがっている。   ◇   ◇   ◇本来の力を発揮すれば、当然の結果だった。豊昇龍は立ち合いで、一山本のもろ手突きを予想。突っ込みすぎず、冷静に下からあてがった。まわしにこだわらず、突いて応戦し、反射神経の良さで相手の左を手繰った。バランスを崩した一山本は、前のめりにバッタリ。まずは通過点の勝ち越しへ、あと1勝と迫った。「(立ち合いで相手が)もろ手でくると思った。慌てず集中してやった。だんだん楽しくなってきた」。明るい表情が好調の証しだ。新横綱の先場所は慣れないことだらけで、まさに地に足がついていなかった。場所前は昇進に伴う行事やあいさつ回りで、稽古量は減った。本場所では慣れない雲竜型の土俵入りを連日こなし、厳しい声も聞こえてきた。心ここにあらずの状態で、取り口に重みはなく、新横綱で金星3個を配給。64年春場所の栃ノ海以来、61年ぶりにワースト記録に並び、休場となった。先場所休場前、最後の取組の相手が一山本だった。今場所も3、4日目に連敗し、金星を2個配給しているが、もはやその時の豊昇龍ではない。2場所連続で一山本に敗れていれば、またもワースト記録に並ぶ、新横綱から2場所で計6個の金星配給だったが「終わったことは終わったこと」と、先場所の嫌な記憶はよぎらず快勝。何よりも「巡業でも稽古してきた」と、今場所前の春巡業中に一山本を指名して圧倒し、悪い記憶はすでに消えていた。今場所の2連敗後、師匠の立浪親方(元小結旭豊)に「肩の力を抜け」「顔の力を抜け」と、取組前の鬼の形相をやめた。「緊張するよりも楽しもう」。そう心の中で念じて5連勝。大の里が無敗で先頭を走るが「自分のことだけ考える」ときっぱり。自力優勝の可能性が復活するまで勝ち続ける決意だ。【高田文太】【大相撲夏場所全取組結果】はこちら>>

眼窩底骨折かもしれないが日翔志は休まない 絆創膏で目をこじ開けて奮闘中

大相撲の東十両6枚目である日翔志(ひとし、27歳、追手風部屋)は、眼窩底骨折が疑われる中でも奮闘を続けています。 アクシデントは5月12日、夏場所の2日目に発生しました。錦富士の頭突きが右目に当たり、目と眉の間に大きな傷ができたため、国技館内の相撲診療所で4針縫いました。 「まだちゃんと検査はできていません。大きな病院で診てもらわないと正確にはわかりませんが、『多分、骨折しているのではないか』と言われました」と日翔志は話します。腫れが引かないうちは、眼球内の状態も含めて正確な診断ができないと言います。 3日目には、目の周囲が腫れ、どす黒く変色していました。腫れがひどくて目が開けられないため、絆創膏を上まぶたと下まぶたに貼り、無理に目を開けて相撲を取りました。 なぜ休場しないのか? 「休んだら番付(ランキング)が落ちてしまいます。相撲が取れないわけではないので。以前、幕下に落ちた経験があるので、意地でも番付を保ちたいのです」 2023年九州場所で新十両に昇進しましたが、2勝に終わり幕下に落ちました。その後、再び十両に戻るまでに7場所かかりました。 再十両となった3月の春場所で勝ち越しを果たし、今場所が十両3場所目です。関取の座を守りたいという強い気持ちがあります。 8日目には4勝4敗の成績となり、来場所の降格を免れる見込みです。まぶたを開けるための絆創膏も少しずつ減らし、この日は上まぶたにだけ貼って相撲を取りました。しかし、内出血が左目にも広がるなど、見た目は痛々しい状態です。「当たれば痛い」という状況に変わりはありません。 師匠の追手風親方(元幕内の大翔山)も無理に休場させる意図はなく、「負けが重くなったら休むのではないか」と本人に任せています。 大相撲の世界では、体を張って生き抜いていかなければなりません。日翔志は残り7日間に向けて、「とにかく目を冷やして、視野を確保します」と前向きに語っています。【佐々木一郎】

変化で倒れたのは行司さん 尊富士の変化に豊昇龍は動じずに木村庄之助が転倒するハプニング

変化で倒れたのは行司さん- 結びの一番は予想外の展開となった。横綱豊昇龍(25=立浪)は実力者、東前頭4枚目の尊富士(26=伊勢ケ浜)と対戦。立ち合いでは、尊富士が右に変化する。この奇襲に豊昇龍はついていったが、行司の木村庄之助が驚いたのか土俵上に転がるハプニング。奇襲失敗で劣勢になった尊富士は、盛り返して左を差して寄り立てる。豊昇龍は土俵際に攻め立てられたが、冷静に右から逆転の小手投げを繰り出して4連勝で2敗をキープ。すぐに立ち上がった木村庄之助に軍配を上げられた。SNS内では「なんと尊富士が変化したーーーそして木村庄之助が転んだーーー」などと反響を呼んでいた。【大相撲夏場所全取組結果】はこちら>>

6日目の結びの一番でマナー違反 元嘉風の中村親方の熱い思い「大相撲への侮辱行為ですよ」

大相撲夏場所6日目の16日、会場となる両国国技館で残念な出来事があった。結びの一番、豊昇龍-玉鷲戦。制限時間いっぱいとなり、39代木村庄之助が「手をついて」と声を張ると、場内は静寂に包まれた。誰もが土俵に集中するその時、向正面のマス席から「ハッケヨイ!」と野次にも似た声が飛んだ。大事な場面だったが、一部観客がつられてクスクス笑い出した。それでも両者は集中を途切れさせることなく立ち合い、豊昇龍が勝った。NHKラジオで解説を務めていた中村親方(元関脇嘉風)は、放送中に指摘した。「最高潮の雰囲気になって館内が静まり返っている時にお客さんからの『ハッケヨイ』、これは力士に敬意がないですね。こういうのはやめてほしいですね」この発言はその後、X(旧ツイッター)で拡散され、好角家に支持された。一夜明けた7日目の17日、中村親方に事情を聴いた。「昨日のことですけど…」と切り出すと、それだけで中村親方は察してくれた。-放送中にあの指摘をするのは、勇気が必要だったのではないですか「全然」-どういう考えで指摘されたのでしょうか「もう、冷静さを失っていました。自分は元力士ですけど、相撲が大好き、見るのも大好きなんです。今、見ることに幸せを感じます。ラジオで解説をしていて、なぜ冷静さを失ったかというと…。制限時間いっぱいの、待ったなしの感じ、場内がシーンとなって、土俵に気持ちが入り込んでいたんです。土俵に吸い込まれていました。それが全部、ぶち壊しになりました」 -相撲ファンは、親方の考えを支持していると思います「コロナ禍を経験して、無観客開催になりました。お客さんを入れてからも最初は声援がダメになり、それが解除されて、あらためてお客さんの声援で力士のパフォーマンスが上がることがわかりました。力士のモチベーションは、お客さんが作っているものでもあります。あのような場面は、正面や向正面で解説している時に初めて起きたことでした。これは、力士に対しても、観戦に来た人にも敬意を欠く行為だと思います。その後、アナウンサーの声が全然耳に入らない状態になりました」-親方はマナー違反を指摘した後「すみません、僕はそんなこと言える立場ではないんですけれども」とフォローされていました「頭に血が上っていたのですが、次第に冷静になって、そう言いました。実はあのあと、エゴサしたんです」-観客批判のようにとらえられたら本意ではないですもんね「協会が変なふうに思われなきゃいいなと思いました。でも、まぎれもなく本音です。配慮を欠く行為に、酔っ払っていたからとかは関係ない。大相撲への侮辱行為ですよ。それは間違っていないと思います。ぜひやめてほしいです」-私もそのお考えに同意します「大好きなものを盗られたような感じです。芸術を壊されたような、ドミノを並べてきて、最後に倒されたような感じです。フレンチの前菜からすべておいしかったのに、最後のメインでソースがかかっていない、そんな感じになりました」大相撲には「相撲競技観戦契約約款」があり、日本相撲協会のウェブサイトには「観戦マナー」についての記述もある。それでも、親方が放送中に判断して、踏み込んで発言するのは簡単でない。どうしても当たり障りのない発言になりがちだが、中村親方の正義感はそれを許さなかった。【佐々木一郎】

綱取りを目指す大関・大の里、冷静な判断で無敗の7連勝。「毒まんじゅう」技にも舞の海氏の評価は…

新星大関の大の里(24=二所ノ関部屋)は、東前頭4枚目の実力者である尊富士(26=伊勢ヶ浜部屋)を相手にはたき込みで勝利を収め、初日からの快進撃を継続、見事無傷で7連勝を遂げました。 速攻をかけられ、相手に先手を取られたものの、大の里は余裕を見せ、右からのはたき込みを効かせました。元大関の琴風浩一氏(68)によれば、大の里の引き技は「毒まんじゅう」と評されており、楽に勝利を得ることを例える一方で、引き技はリスクを伴う戦法であると指摘しています。この日の解説を務めた舞の海秀平氏(57)は、「相手が低く構えると引きたくなるもの。今日の引きは悪くない」との見解を示しました。アナウンサーから「毒まんじゅうとは言えないですか」との問われ、「今日の毒は軽めですね」と柔らかく続けました。