MLBオールスターのロースターが7月6日(日本時間7日)、スポーツ専門局ESPNの番組内で発表されました。ドジャースからは初選出となる山本由伸投手(26)、エンゼルスからは2度目の出場となる菊池雄星投手(34)が選ばれました。日本人選手としては、ファン投票でリーグトップだった大谷翔平投手(31)と併せ、史上最多の3名が選出されることに。しかし、メジャートップの77打点を稼いでいるカブスの鈴木誠也外野手(30)が選ばれず、日米両国で話題を呼んでいます。 ◇ ◇ 現在「RBI(打点)マシン」として知られる鈴木が選出されなかったのは、不運としか言いようがありません。 カブスからはすでに中堅のクローアームストロング選手と右翼のタッカー選手がファン投票で選出されており、スタメン出場が決定済み。DH枠では、大谷翔平に次いで27本塁打のフィリーズのシュワバー選手が選ばれたため、鈴木の初選出は見送られました。 人気球団ドジャースからは5人が選出されるなど、多数の選出は珍しくありません。さらには、ドジャースのカーショー選手が史上20人目の3000奪三振を達成したことから、コミッショナーのマンフレッド氏による「レジェンド枠」で選出されました。一方、すべての球団から最低1人を選出するというルールがあるため、鈴木はギリギリのところで漏れたようです。 地元のシカゴだけでなく、アメリカ全体でも「鈴木選出漏れ」に疑問を呈する声が少なくありません。 球宴前に25本塁打、75打点を達成したのは、カ軍では01年のサミー・ソーサ以来です。メジャー最多打点を誇る鈴木の評価は変わらず、その日の「カブス-カージナルス戦」を中継したESPNでも、球宴前日に行われるホームランダービーへの出場を期待する声が上がりました。 MLBでは、ほとんどの選手が所属球団と契約し、オールスター選出時には平均5万ドル(約725万円)の特別ボーナスを受け取ることになっています。選出の意義は金銭面以上に「名誉」に重きを置いており、選手のプロフィールにはオールスター出場回数が記録されるなど、「真夏の祭典」の重みは今も変わりません。 今後、選出された選手が登板日程や故障などで辞退する可能性もあるため、鈴木が追加で選出される余地は十分にあります。オールスター出場は名実ともに「全国区」への認知を示す証明です。今回の選出漏れが話題になったこと自体が、鈴木の存在感を示すものと言えるでしょう。【MLB担当・四竈衛】