井上尚弥が試合5日前に異例のファン対応 大橋会長「サインを求める方々で長蛇の列が…」 ####

【ラスベガス(米ネバダ州)4月29日(日本時間30日)=藤中栄二】ボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者の井上尚弥選手(32=大橋ジム)は、試合を目前にした異例のファン対応を行いました。ラスベガスのT-モバイルアリーナで5月4日(日本時間5日)に行われるWBA世界ランクトップのラモン・カルデナス選手(29=アメリカ)との防衛戦に備え、トップランク社専用ジムで最後の調整を行っています。練習後、ファンの長蛇の列にサインをするなど、リラックスした状態で試合に臨む準備を整えています。
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ラスベガスのメインイベントの選手らしい振る舞いでした。トップランク社のジムでの練習中、ジムの外には多くのファンが集まりました。井上選手の所属する大橋秀行会長(60)は「サインを求める方々で長蛇の列ができていました」と述べています。ファンたちはボクシンググローブやTシャツ、キャップなどさまざまなグッズにサインをもらい、井上選手の自信を感じさせるファンサービスとなりました。
井上選手は、WBAスーパー、IBF世界バンタム級王者の時期には、2020年10月のジェーソン・モロニー戦、2021年6月のマイケル・ダスマリナス戦に続き、3年11カ月ぶり3度目のラスベガスでの試合となります。過去の2試合はコロナ禍で無観客もしくは入場制限がかかった環境で行われました。そのため、「聖地」のファンとの触れ合いの機会はほとんどありませんでした。井上選手は渡米前から「1つ1つのイベントを楽しみたい」とコメントし、この機会を心待ちにしていました。
国内の世界戦ではインフルエンザなど感染症対策のため、ファンとのふれあいは非常に限られています。そのため、今回のサイン対応は異例と言えます。減量中にもかかわらず、心身ともに調整がうまくいっていることを示しています。井上選手も「決戦まで残り5日」とSNSを通じてカウントダウンしており、迫り来る「ベガス決戦」を楽しみにしています。
カルデナス選手は身長165センチの右利きボクサーで、強打を得意としています。破壊力あるアグレッシブなスタイルから、「ディタミーナ」(スペイン語でダイナマイト)と呼ばれます。世界ランクもWBAで1位です。ラスベガスでアメリカ人対戦となるため、完全アウェーの可能性もあります。2万人収容のT-モバイル・アリーナで、数多くのボクシングのビッグマッチが開催されたメインステージで、再び世界を驚かせる準備を井上選手が整えています。