柔道男子60キロ級でパリ五輪の銅メダルを獲得した永山竜樹選手(29=パーク24所属)は、体重無差別級の大会に挑みました。大会では最軽量の階級から唯一の出場者として、最重量の100キロ超級に出場する筑波大学の4年生、入来巨助選手と対戦しました。試合は開始から1分44秒で、払い腰によって一本負けを喫しました。
永山選手は試合後、「もう少し戦いたかったけれど、相手が重すぎた」と語り、「足技で崩せるかと思ったが、相手の足が動かなくて、私の技も全く通じなかった」と振り返りました。序盤に攻め込むシーンを見せ、背負い投げやともえ投げで一瞬相手を浮かせたものの、再び試みたともえ投げは防がれ、場内は驚きに包まれました。
永山選手の体重は66キロで、入来選手は160キロ。身長も156センチの永山選手に対して、入来選手は182センチと大きく異なります。こうした不利な状況で、一度は相手の技に耐えたものの、その後の払い腰で畳に叩き付けられました。
試合後、「試合に夢中で大歓声もあまり聞こえなかった」「失敗すれば命に関わるような気持ちだった」と笑い、「投げられた瞬間は平気だったが、耐えた時の衝撃があまりに大きくて、正直、死を覚悟しました」と振り返りました。
それでも「柔よく剛を制す」という声援に応えつつ、小柄な選手として場を盛り上げました。「持っても浮かないので」と笑みを浮かべつつ、「向かい合った瞬間に大きさを感じた」と語りました。東海大学の重量級選手との練習でも相手が怪我をしないよう気を使っていたというが、「全日本の舞台では特に相手の真剣さを感じ、恐怖もあった」と述べました。
今回が5年ぶり2度目の出場となった永山選手は、前回は90キロ級の相手に勝利していたものの、今回は初戦突破ならず。「重量級との練習で体は鍛えられた。60キロが160キロに挑むのは無謀だったかもしれないが、成長できた」と述べました。
永山選手の前には、同じくパリ五輪代表の阿部一二三選手と橋本壮市選手が初戦を突破。「自分も続きたかったが、条件が悪すぎた」と悔しがり、笑いながら「次は、もう少し軽い相手と戦いたい」と述べました。
「腰だけでなく首も痛い」と苦笑しつつ、「でも大丈夫です」と切り替えました。次戦は6月、ハンガリーのブダペストで開催される世界選手権で初優勝を目指します。「まだ世界チャンピオンになれていないので、オリンピック前に自分が一番強いことを証明したい」と意気込みを語りました。