名古屋場所の新会場IGアリーナ初勝利は東颯海 0歳で被災、力士会寄贈の土俵で鍛えた15歳

新しい名古屋場所の会場となったIGアリーナでの取り組みが開始されました。
IGアリーナで記念すべき初勝利を収めたのは、序ノ口東24枚目の東颯海(とうそううみ、15歳、所属:玉ノ井部屋)です。試合中には鼻血を出しながらも奮闘し、西序ノ口23枚目の末冨(15歳、所属:境川部屋)を押し倒しました。
「最初に勝つことができてとても気持ちが良かったです」と彼は喜びを語りました。
2010年3月23日に岩手県山田町で生まれた東颯海は、1歳になる少し前に東日本大震災で被災し、津波で自宅を失いました。しかし、力士会が山田町に寄贈した土俵で練習を重ね、玉ノ井部屋に入門しました。5月の夏場所で初めて土俵に立ったばかりです。
今場所が序ノ口デビューとなり、「自分の出身地の名前がしこ名になっていて嬉しかった」と語りました。彼が感謝の意を伝えたい相手として、「親方、親、そして尊敬する先輩の東俊隆さん、それに富士東さん」と名前を挙げました。「三段目に上がり、雪駄(せった)を履きたい」と意気込む彼は、新しい会場と共に新鮮な気持ちでスタートを切りました。【佐々木一郎】