【阪神】勝利への流れをつかんだサインプレー 大山悠輔「大きかった」過去の経験を生かす

阪神の守備陣の周到な準備が勝敗を分けた。先発の伊藤将司投手(29)は初回、2アウトながら一、二塁のピンチを迎えていた。前の森下翔太外野手(24)がソロホームランで先制した直後で、ここは何としても抑えて流れをつかみたかった。
打者の増田珠外野手(26)に対してカウントは2-2。5球目を投げる前に、一塁手の大山悠輔内野手(30)は一塁ランナーのホセ・オスナ(32)の背後からベースに走り込んだ。
けん制技術に優れた伊藤投手が絶妙なタイミングで一塁に投げた。判定はセーフだったが、大山は即座にベンチにリクエストを要請。結果、アウトに覆った。この好判断について大山は「そうですね、大きかったと思います」と試合を振り返った。
チームとして用意されたサインプレーが功を奏したようだ。2アウトのため、一塁走者は長打が出れば一気に本塁を狙う心理にある。それを読み切ってのプレーだった。
過去の苦い経験が生かされた。12日の西武戦(ベルーナドーム)では、3点を追う状況で8回1アウト満塁、一塁ランナーの佐藤輝明内野手(26)が同様のピックオフプレーでアウトになった。
阪神は交流戦終了後の4日間を使って、2度にわたり室内練習場を閉め切って連係プレーの確認を行っていた。藤川球児監督(44)は詳細については触れなかったが、ピックオフプレーの確認も含まれていた可能性がある。
この1つのプレーにより伊藤将投手は、3回以降無安打で2安打完封勝利を収め、快勝で6月を締めくくった。