【DeNA】牧秀悟に聞いた「最も○○な1本」同学年で最大のライバル佐藤輝明は「いい存在」

「最も○○な1本とは?」。DeNA牧秀悟内野手(27)が自身の特別な1発を振り返った。4月4日広島戦(マツダスタジアム)で通算100号アーチを達成し、現在111号まで積み上げた。一方、交流戦開始直後の6月5日には阪神佐藤輝明内野手(26)も通算100号を達成し、103号まで積み上げてきた。ともにプロ5年目の同学年で仲良しながらリーグ優勝を争う上位球団の4番でもある。牧が仲間でありライバルへの思いも口にしながら、通算100号までの「さまざまな1本」を振り返った。【取材・構成=小早川宗一郎】 ◇ ◇ ◇ いまやセ界を代表するスラッガーになった牧が、しみじみと言う。「プロに入る前は、まさかこんなにホームランを重ねることができるとは、マジで思ってなかったです」。アーチストというより、どちらかというと率の残せる中距離打者。それでもプロ入りから4年連続20本塁打を達成し、今季もすでに13本塁打を記録する。そんな牧に5年目までで積み上げた100本塁打を振り返ってもらった。打った球種や打球方向、点差、塁状況…。目立つのはバランスの良さ。直球も変化球も、右に左にホームランにできるのが最大の特長だった。牧も「真っすぐをはじけて、変化球もホームランにできるのは、ピッチャーからも嫌じゃないかなと思う」とスキのなさにはこだわりを持つ。◆最も感触が良かった1本=22年3月29日の中日戦(バンテリンドーム)で小笠原から右越えに通算24号 外角真っすぐをバンテリンドームの逆方向にホームランにできるんだ、と。再現しようと思ってもなかなか難しくて、めちゃくちゃ印象に残ってます。◆最もうれしかった1本=23年8月30日阪神戦(甲子園)で大竹から右越えに通算70号 初めての感触で、打球の角度も低くて。バットに長くボールが乗っているような感覚で理想的というか…初めての感覚過ぎて自分でもびっくりした記憶があります。◆自信になった1本=23年8月4日阪神戦(横浜)で村上から左越えに通算64号 内角ツーシームだったんですけど、(村上)頌樹はこの年スーパーな活躍していて、コントロールもボールもすごかった。シンプルに打ててなかったのでうれしかったです。◆重圧がかかった中での1本=23年8月11日巨人戦(東京ドーム)で中川から左越えに通算65号 1点リードされている9回に逆転2ラン。東さんに勝ちもつけられました。でも不思議と興奮はしなくて、あの時はめっちゃ冷静でした。何でか分からないですけど、「お、いった」みたいな。◆感情が爆発した1本=23年5月17日広島戦(横浜)で九里から右越えに通算54号 九里さんから8回に打った逆転3ランですかね。6連敗していてなかなか勝てなくてチーム状況も良くなくて。そんな中で打てたのでうれしくて感情が出ましたね。特徴的だったのは逆方向への本塁打へのこだわり。「引っ張ったホームランもうれしいですけど、やっぱり右中間とか逆方向の方が手応え的にも気持ちいい。小笠原さんからのと大竹さんからの2本が自分の中では印象的です」と明かす。ただこれだけの本塁打や勝負強い一打を重ねてきても、意外にもサヨナラ本塁打はおろかサヨナラ打すら打てていない。長い野球人生で1度もサヨナラ打を放った経験がないという。「サヨナラ打に縁がないです。そういう運命なんです」と嘆きつつ「抑えからホームランを打ちたい。自分が打って勝つことにはすごくこだわりもありますし、特にハマスタだったらサヨナラ打も打ってみたいですね。ウオーターシャワー、浴びたいです」と歓喜の瞬間を思い描いた。一方でリーグ優勝へ向けた最大のライバル、阪神佐藤輝も同じ5年目に通算100号を達成。大学時代から知る同学年のライバルの存在に、自然と刺激される。「負けられないなと思いながらやってます。ただ同い年というところでは、一緒に頑張っていこうというのもある。ありがたいというか、いい存在だなと思います」。チームは交流戦は7勝11敗と苦しんだが、首位阪神とは3・5ゲーム差の2位に踏みとどまっている。27日からは巨人3連戦(東京ドーム)でリーグ戦再開。27年ぶりのリーグ優勝へ、牧が中心となって仕切り直す。【関連記事】DeNAニュース一覧