大谷翔平 投手早期復帰の背景は? 本人の意見尊重、ドジャースの苦しい投手事情も

ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手(30歳)が、アメリカ西海岸時間で16日午後7時10分(日本時間では17日午前11時10分)に始まるサンディエゴ・パドレスとの試合で二刀流でのプレーを再開することとなりました。この発表は、15日(日本時間の16日)のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦が終わった後、チームの公式X(旧Twitter)によって行われました。
試合の後、デーブ・ロバーツ監督が復帰に至る経緯について説明しました。彼は、球団の編成都長であるアンドリュー・フリードマン氏、投手コーチ、チームドクター、そして大谷選手本人との協議を経て復帰を決定したと述べました。「これまで3度のライブBP(実戦形式の投球練習)を行って、少し負担もありましたが、大谷選手が『メジャーの試合で投げる準備ができた』と伝えてくれました」と監督は明かしました。
これまでライブBPを試合前に行い、その数時間後には打者として試合に出場していた大谷選手の状況について、ロバーツ監督は「ダブルヘッダーのような感覚だったと思う。我々としては(復帰プロセスは)初めてのことですが、大谷選手自身は一度経験しています。ショウヘイの意見を重視し、実戦でそのエネルギーを発揮してもらうことにしたのです。彼自身がとても楽しみにしています」と述べ、大谷選手の意見を尊重したことが重要な要因だったと語りました。
さらに、チームの投手陣が苦しい状態にあることも、大谷選手の早期復帰を後押ししました。監督は「1イニングでも2イニングでも彼が投げてくれれば、チームにとって非常に助かります」と話しました。ベテラン投手のクレイトン・カーショウ(37)は復帰しましたが、サイ・ヤング賞を2度受賞したブレイク・スネル、昨年9勝を挙げたタイラー・グラスノー、そして佐々木朗希(23)など、チームは先発投手の不足に苦しんでいました。
一方、大谷選手は前回10日のライブBPで44球を投げ、3イニングを想定し、6つの三振を奪うなど順調な調整ぶりを見せていました。14日のジャイアンツ戦後の囲み取材で「試合で投げる準備はほぼ整いました」とコメント。大谷選手の体調、チームの状況、そして自身の強い復帰意欲が交錯し、急速な復帰につながったのです。