行司の木村銀治郎が懲戒解雇「横領や不正経理をギャンブルなどに使用」処分内容全文

日本相撲協会は9日、幕内格行司の木村銀治郎(芝田山)が力士会の資金を不正に使用したとして懲戒解雇処分を発表しました。2日の理事会で決議され、本人にも通知されました。退職金は支給されません。
銀治郎は調査の結果、約2000万円の力士会の資金を私的に使ったと述べました。
以下は協会の処分内容です。
協会員である行司が力士会の資金を不正に使用した件について
令和7年6月9日
公益財団法人日本相撲協会
芝田山部屋所属の行司、木村銀治郎(以下「銀治郎」)に関する処分について、彼が書記として管理していた力士会の現金を不正に使用してギャンブルに使っていたことが発覚しました。
(1)事案発覚の経緯
公益財団法人日本相撲協会は、十両以上の力士で構成される力士会の役員から、銀治郎が力士会の資金を不正に使用した疑いがあるという通報を受け、令和7年5月10日に銀治郎に対する調査を実施しました。彼は約2000万円の資金を不正に使ったことを認めました。
(2)コンプライアンス委員会の調査結果と処分意見
八角理事長は、銀治郎の不正行為が確認されたことを受け、5月13日に青沼コンプライアンス委員長に調査と処分意見の報告を依頼しました。委員会は調査を行い、次のように報告しました。
(調査結果)
銀治郎の違反行為は以下の通りです。
(1) 力士会の社会貢献活動などのために積み立てていた資金を、平成31年1月頃から令和7年5月頃までの間に計2187万円を不正に使い込み、ギャンブルに使用した。
(2)令和3年1月頃から令和7年4月頃までの間に、他の会計担当者をだまして計332万円を出金させ、ギャンブルに使用した。
(処分意見とその理由)
これらの行為は刑罰法規に違反するものであり、銀治郎は長期間にわたり不正を繰り返していたため、非常に重大な問題です。彼の不正行為により、計2519万円の被害が生じており、その内訳の332万円は返済されましたが、2187万円は依然として未返済です。
さらに彼は不正に得たお金をギャンブルに使用し、その動機に酌量の余地はありません。この状況を考慮し、反省しているという点も考慮しながらも、それに対する処分は重く、懲戒解雇とすることが相応しいと判断されました。
(3)理事会決議と今後の対応
6月2日に行われた理事会では、コンプライアンス委員会の意見通り銀治郎を懲戒解雇とし、退職金も全額不支給とすることを決議しました。本日、彼に処分が通知されました。
力士会は今後、現金管理体制を見直し、毎年の総会で会計報告を行うなどして不正防止に努めます。