【ボクシング】那須川天心が10回判定勝利、11月世界初挑戦への大きな一歩「たくさんの課題が成果」

無敗の格闘家でありながらWBA世界バンタム級1位にランクされる那須川天心選手(26=帝拳)が、世界へ向けた前哨戦を無事にクリアしました。対戦相手はWBA世界同級6位のビクトル・サンティリャン選手(29=ドミニカ共和国)。ノンタイトル戦で3-0の判定勝ちを収めました。ボクシング転向から7試合目となる試合で、見事に世界ランカー対決を制して、今年11月に予定される首都圏での世界初挑戦への大きな一歩を踏み出しました。
「収穫は、課題がたくさん見つかったことですね。思ったよりうまくいきませんでしたが、これが自分の実力。これからも一歩一歩進んでいきたい」(那須川)。
那須川選手は、日本の同級世界王者の多くがサウスポースタイルであることから、ボクシング転向後初めてサウスポーとの対決に挑みました。「チャンピオンにはサウスポーが多いので、それを意識しての試合でした。いろいろな経験を積んでおきたかった。今回の対戦相手の中で一番強い相手を選びました」と、サンティリャン選手の打破に集中していました。スパーリング相手には4団体統一スーパーバンタム級王者の井上尚弥選手(大橋)の練習パートナーとしても経験のある、積極的なエリック・ロブレス選手(25=メキシコ)を招待し、週3回のペースで実践練習を重ね、この試合が重要なテストマッチになりました。
那須川選手はアマチュアで200戦以上を経験し、プロでも14勝(5KO)1敗という実績を持つ世界6位のサンティリャン選手に対して警戒心を持っていました。「生半可な気持ちで勝てる相手ではない。心の準備、気持ち、体をすべて整えてきた。いつでも戦えるぞという準備をしていました」と、決意を強調しました。
那須川選手はまた、「相手も強かったし、厄介なタイプでした。でも、ノックアウトを狙いつつ完璧に戦い切ることを目指しました。どんな形であれ、勝つことが最優先」と自らに高い目標を課し、リングに立ちました。
「どの格闘技でも番狂わせは起きるもの。でもボクシングはまだ7戦目ですけど、キックボクシングでは50戦以上無敗でこれが自分の自信になっています。変わらず進んでいきたいです」と語る那須川選手は、常に最高のパフォーマンスを求めてステップアップし続け、ついに世界挑戦への切符を手にしました。
◆那須川天心(なすかわ・てんしん)は1998年(平成10年)8月18日、千葉・松戸市生まれ。5歳で空手を始め、小学5年でジュニア世界大会優勝後、キックボクシングに転向。14年7月に15歳でプロデビューし、16歳でRISEバンタム級王座を獲得しました。そして今や、165センチの左ボクサーファイターとして、ボクシング界でも注目されています。
【ラウンドVTR】