佐々木尽、「宇宙人対宇宙人の戦いに」——日本人初の世界ウェルター級王者を目指してノーマンに挑戦

プロボクシングWBO世界ウェルター級2位の佐々木尽選手(23歳、八王子中屋所属)は、日本のボクシング史に新たな一歩を刻む挑戦を開始します。
6月19日、東京・大田区総合体育館にて、同級王者のブライアン・ノーマンJr.(24歳、アメリカ)に初挑戦することが、25日に横浜市内で発表されました。
これまで、日本ジム所属の選手はミニマム級からミドル級までの各階級で、102人の世界王者を輩出してきました(日本ボクシングコミッション公認)が、ウェルター級(リミット66.6キロ)だけはまだ日本人の世界王者が誕生していません。会見に臨んだ佐々木選手は、「日本のボクシングの歴史を変えるために、この世に生を受けました。本気で人生をかけて挑みます。応援に来ていただければ、後悔はさせません」と情熱を語りました。
ノーマン選手は27勝(21KO)2無効試合の無敗記録を持つ、若き24歳のチャンピオンで、その実力は「スピード、パワー、技術全てを兼ね備えた、とても強い選手」と佐々木選手も高く評価しています。それに対し、佐々木選手は「自分もスピードやパワーで劣ってはいません。勝機は十分にあります。これはまるで宇宙人同士の戦いになるでしょう。日本代表として絶対に勝利します」と自信を見せました。
3月30日にノーマンJr.がラスベガスで初防衛戦を成功させた直後、佐々木選手は彼に直接挑戦状を手渡すために訪問しました。その後、ラスベガスに滞在して世界のトップレベルの選手たちとスパーリングを重ね、24日に帰国しました。「海外の選手たちは打たれた後に動きます。今までの自分では対応できなかった。動きをよく読み戦うことが大事だと感じました。それを実践しない限り、100%勝利はありません」と語り、貴重な経験を得たと強調しました。
先代の会長である中屋廣隆さんは、「1ラウンドから攻めろ。ガードの上からでもいい、思い切りいけ。倒される可能性も大いにあるが、勝負に挑め。確率は50%」と初回からの積極的な作戦を明かしました。これに対し佐々木選手も、「攻撃こそ最大の防御。全力で攻める。強い相手ほど自分は強くなる。ボクシングだけに人生を注いできました。人生を賭けて勝利を目指します」と意気込みを示しました。彼は日本人ボクサーに立ちはだかるウェルター級の壁に、自らの拳で突破口を開く決意を固めています。【首藤正徳】