最古参力士の澤勇が引退 涙止まらず ももちファンの桃智桜を名乗った48歳、初土俵から33年

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日本の伝統を体現する力士の中でも特に長いキャリアを持つ東序ノ口24枚目の澤勇(さわいさむ、48歳=式秀)が引退を発表しました。彼は兎富士との取り組みを終え、33年にわたる相撲人生に終止符を打ちました。1992年の名古屋場所でデビューした澤勇は、2022年の初場所からは最古参力士として活躍していました。

取組後、東の花道を降りると、弟弟子たちが待っていました。彼に花束を渡されると、澤勇の涙は止まりません。「最後なので、国技館の景色をしっかり目に焼き付け、勝敗に関係なく自分の相撲を取り切ろうと思いました」と彼は力強く語りました。最後は黒星でしたが、彼は全力を尽くしました。

昨年6月、師匠である式秀親方(元幕内北桜)と相談し、1年後に引退することを決意しました。「体力的にも、体調も思わしくなく、長く続けることは難しいと判断しました。椎間板ヘルニアや首の痛み、高血圧もありました」。48歳という年齢は彼の限界を示していました。

「ももち」として親しまれるアイドル歌手・嗣永桃子のファンであったことから、かつて「桃智桜」に改名して話題となりました。そして2018年の初場所からは「澤勇」として再出発。彼の父が急逝したことを機に、父の芸名「沢いさむ」を四股名として背負いました。

彼の身長は167.4センチ、体重103キロと相撲界では小柄であり、数々の苦戦を乗り越えてきました。最高位は2014年名古屋場所の東序二段53枚目。2017年からは勝ち越しがなく、引退することとなりました。序ノ口135場所は史上最多であり、彼は強い力士ではありませんでしたが、多くを学びました。

「師匠をはじめ、今まで出会った方々の支えのおかげでここまで来れました。相撲の基本だけでなく、人としての生き方や礼儀作法も教えていただきました」と彼は語りました。

千秋楽の翌日、26日に部屋で断髪式が行われます。その後は千葉県茂原市の介護施設で調理関係の仕事に就く予定です。

澤勇が引退したことで、最古参力士は1993年春場所初土俵の天一(てんいち、47歳=山響)に引き継がれます。

◆澤勇智和(さわいさむ・ともかず)本名は澤原知和。1977年(昭和52年)2月7日に東京都で生まれる。元大潮の式秀部屋に15歳で入門し、1992年名古屋場所で初土俵を踏む。1995年初場所から本名の澤原から「式乃川」に改名。元北桜が部屋を継承後の2013年秋場所から「桃智桜」、2018年初場所から「澤勇」に改名。通算成績406勝860敗24休。

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