【阪神】藤川監督が納得いかない「最後の1球ストライクについて」井上監督の抗議が影響か

阪神は名古屋での苦い敗戦を経験しました。1点差まで追い上げた末の惜しい敗戦です。阪神の藤川球児監督(44)は試合後、「最後の中野への1球が納得いかない」と不満を明かしました。9回、先頭の渡辺選手が四球を選んだ場面で、中日の井上監督が球審に抗議し、試合は最後に2死二塁、フルカウントで中野選手への際どい内角球がストライクと判定され、「井上監督の抗議があり、最後にストライクを取ったように思われても仕方ない」と苦言を呈しました。この1敗で、2位DeNA、3位巨人に0.5ゲーム差まで迫られる形に。
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最後の1球は非常に際どいものでした。
9回表、1点差まで迫った中で、なおも2死二塁の状況。中野選手はフルカウントからの内角155キロの直球を自信を持って見逃しましたが、判定はストライクで試合終了。中野選手は信じられないといった表情で苦笑いし、中日ナインが歓喜する中、打席に30秒以上残りました。ベンチに戻っても、呆然とした表情を浮かべていました。
「最後の中野への1球は、正直納得いかないですね」
試合後、藤川監督は力強く言葉を発しました。ストライクやボールの判定に対する単なる怒りではなく、それまでの試合の流れに疑問を感じたのです。
「井上監督の抗議があって、最後にストライクを取ったように見えてしまう。反対側から見ると、井上監督が出たことで最後の判定につながったという風に見える。非常に判定が難しいとは思いますが、アンパイア側も考えてもらう必要がありますね」
伏線は9回の先頭、代打渡辺の打席にありました。フルカウントからの松山の156キロ直球は低めに投げられ、小林球審は腕を上げかけたもののボールと判定。観客の中には三振と思い拍手する中日ファンの姿もありました。これに対し中日指揮官がすぐに抗議。阪神監督は「ストライク、ボールへの抗議は禁止なはずですが」と疑問を持ちました。
「明らかにタイガースサイドから見れば、最後の結果につながった抗議と見えるので、改善の余地があると思います」
藤川監督は最後まで冷静に訴えました。中野選手は無言でチームバスに乗り込みました。2位DeNA、3位巨人に0.5差まで詰められ、4位広島とも1ゲーム差の非常に激しいレースの中、重い雰囲気を払拭したいと考えています。【伊東大介】