元横綱白鵬の宮城野親方の視点から見た大の里「連続優勝し、全勝なら、直すところはないかも?」

史上最多45回の優勝を誇る元横綱白鵬こと宮城野親方が報道陣に応じ、大の里について語りました。
-今場所の大の里についてどう感じましたか?
「以前から型が重要だと話してきました。(大の里は)左の使い方に弱い部分もありますが、右の差し手や下手の使い方が非常に上手で、その強さと光り方が際立ちました。これが連続優勝につながったと思います。」
-あと2日間、14勝と全勝は違うものですか?
「優勝額を見た時に、単に優勝と全勝優勝では印象が違いますね。全勝優勝を果たすと、『次も全勝しなきゃ』という気持ちになります。そうして30連勝、また全勝すれば45連勝で大鵬さんに並ぶといった物語があります。1回できれば、もう1回できるものですね。」
-宮城野親方も綱取りの土俵で全勝しました。違うプレッシャーは感じましたか?
「14日目に優勝が決まったことを覚えていますね。(大の里は)昨日決まったので、今日がその日ですね。おそらく全力で挑むとは思いますが、冷静に取り組んでほしいです。」
-全勝は難しいと思いますか?
「関脇までは相撲を楽しんでいましたが、大関になってからはその楽しさが薄れ、横綱になった時は達成感がありました。そして大鵬さんや千代の富士さんに出会い、少しずつ意識を変えました。全勝優勝は非常に嬉しいものです。」
-大の里が初の綱取りで優勝しましたが、その精神的な強さはどう感じますか?
「これで優勝は4回目ですね。3回目の優勝では様々なことを感じ、多く負けて悩んだ場所もあったでしょう。その時期を経て自分を見つめ直す機会があったはずです。そして先場所の決定戦です。以前は高安にうまく勝てなかったですからね。春の巡業で成長し、夏場所に挑んだのではないですか。」
-大の里の課題についてはどう思いますか?
「連続優勝し、ここで全勝すれば直すところはないでしょうね。ただ負けて壁にぶつかった時には考えるでしょう。私だったら右が来たら左を取ります。今は左前みつや左上手を取る力士が少ないですからね。」
-現役だったら大の里にどう挑みますか?
「自分では分かっているんですが(笑)。でもこれは、左と右の展開になるでしょうね。左上手を取れば勝つと思いますが、取らなければいい勝負になるのではないでしょうか。」
-先場所までの課題は減ってきていますか?
「そうですね。豊昇龍の存在も大きかったと思いますよ。」
-大の里は将来的に何回優勝できると思いますか?
「今の状態なら、全部優勝できるのではないでしょうか。2場所連続優勝ですし、このような高い目標を持つべきでしょう。」
-大の里は白鵬杯優勝から成長しました
「優勝しましたし、私は以前に彼をスカウトしたことがあります。どこの部屋に行っても横綱になれると思っていました。」
-大の里は中学3年で優勝し、宮城野親方と写真を撮りましたが覚えていますか?
「その中学生を見て、本当に素晴らしいと感じました。まさかその子が連続優勝を果たした現大関になるとは。当時は夢にも思いませんでしたが、ようやくそのような力士が育ったと感慨深いです。」