【広島】小園海斗が祖父に捧げるプロ初満塁弾! 巨人に3タテ食らわせ16日から首位阪神と対決

小園海斗内野手(24)が自身初のグランドスラムで広島を3連勝に導き、祖父への最高の贈り物とした。試合は0-1で迎えた6回1死満塁の場面で、小園は巨人の山崎投手の高めの球を捉え、右翼席に運んだ。これがチームの今季初得点であり、逆転の満塁弾となった。これにより、広島は今季2度目の本拠地での巨人相手の3連勝を達成。前回の東京ドームでの3連敗を見事に返した形となった。16日からは首位阪神と0.5ゲーム差で敵地での3連戦に挑む。
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山崎投手の浮いた球に即座に反応した小園の一打は、右翼席まで伸びた。前進守備の右翼手を軽々越えたその打球は、ファンの大歓声に包まれ、赤い波が揺れる中、小園は右手を天に突き上げながらダイヤモンドを一周した。「どんな形でも1点は入れないとという気持ちだった。何とか食らいつこうと思った」と振り返った小園。ホームイン後はチームメートとハイタッチし、喜びを爆発させた。
5月4日の中日戦で「グラウンドで弱い姿が見受けられる」と新井監督に指摘され、その後連続試合出場がストップ。そこから「弱い自分」との決別を図り、13日の巨人戦からは積極的に初球を打ちにいく姿勢を見せた。3試合で14打席中12打席でファーストストライクを狙った。
13日に祖父が他界。祖父は幼いころから野球の魅力を教えてくれ、甲子園にも連れて行ってくれた特別な存在だった。「一昨日、1人でたくさん泣いた」と話す小園は、祖父の笑顔を胸に戦い続けた。
プロ初の満塁弾でシーズン2号とし、昨季に並ぶ快挙を達成。新井監督は「追い込まれた中で、高めの変化球をしっかり捉えたのはさすが。まだまだ期待している」と小園の成長を称えた。チームは前回敵地での3連敗を、今回は本拠地での3連勝で返した。
16日からは0.5ゲーム差の首位阪神と3連戦を控え、小園は祖父の告別式に参列する予定。祖父の思いを胸に、新たな決意を抱いて、甲子園へと向かう。
▼広島小園がプロ初の満塁本塁打。広島の選手が本拠地の巨人戦で逆転満塁本塁打を放ったのは、1980年7月8日の山本浩二、2002年8月4日の西山秀二に次いで3度目。
▼広島がマツダスタジアムでの巨人戦でシーズン6連勝したのは、2018年開幕から9連勝して以来7年ぶり。