Year: 2025

【広島】今シーズン最長の死闘を4時間56分で制覇 新井監督「最後に勝てたのは大きい」

広島は今シーズンの最長試合となる4時間56分の激闘を制しました。打線は延長11回までに14残塁を残しましたが、最後の回に決定打を放つことができました。先頭打者の石原がセンター前ヒットを放ち、1アウト満塁のチャンスを迎えました。その後、矢野が執念の一打で一、二塁間を破り、勝ち越し点を奪いました。続いて大盛とファビアンが適時打を放ち、合計4得点を挙げ、試合を制しました。新井貴浩監督は「ビジターでの総力戦で、このように最後に勝ち切れたのは非常に大きな勝利です」と選手たちを称賛しました。▽広島・大瀬良(7回2失点も勝ち星はなし)「(味方のエラーで追いつかれた直後の1死三塁を)無失点に抑え、逆転されないように頑張り、結果的にこのような勝利につながって良かったです」

【西武】炭谷銀仁朗、試合前の「準備」で劇的サヨナラ打 西口監督「淡い期待はしてた」

西武ライオンズの炭谷銀仁朗捕手(37)が、「日本生命セ・パ交流戦」の阪神戦(ベルーナドーム)でサヨナラヒットを放ち、劇的な勝利を収めました。9回裏2アウト満塁の場面で、岩崎投手から右前に打球を運び、11年ぶり2度目となるサヨナラヒットを達成。今季の交流戦で唯一ホームランがない西武ですが、つなぎの精神が今季5度目のサヨナラ劇に繋がりました。さらに、セ・リーグ首位の阪神に連勝し、パ・リーグ2位に再び浮上しました。   ◇   ◇   ◇サヨナラヒットを決めた炭谷選手は「まさかって感じ」と驚きを隠せず、ベンチでは西口監督が「追い込まれた時点で、ちょっとあきらめも入ってた」と少し冗談交じりに笑みを浮かべました。9回2アウト満塁の場面で、「トルピード(魚雷)バット」で振り抜いた打球が右前に落ちると、グラウンドで若手から水のシャワーを浴びた炭谷選手。「日ごろの恨みを晴らされてるんでしょうね」と笑顔を見せました。試合前の「準備」が、決定的な一打に直結しました。午前11時半、炭谷選手はまだ暗いグラウンドでロングティー打撃を重ねました。「若手の邪魔をしちゃいけないなと思って」とアーリーワーク開始前にグラウンドに入り、「ロングティーをやってから感覚がいいんで」という中村選手の助言も取り入れ、バットを振りました。試合前には、阪神の選手たちの練習を記者席から鋭く観察しました。ミーティングでも「準備」は万全でした。試合前から西口監督らと「昨日の試合前から笑いながら話してたんですよ。(対岩崎は)4の3、得点圏では2の2って」と自然とアピール。監督に「淡い期待はしてた」と思わせ、追い込まれた後にあきらめかけた瞬間、見事に結果を出しました。実際の成績は6打数3安打、得点圏は3打数2安打という、ベテランの技が光った瞬間でした。つなぎの意識が、劇的な勝利へと繋がりました。0-2で迎えた9回、1アウトからセデーニョは四球、ネビンがデッドボールで出塁。外崎が内野安打を放ち、1アウト満塁から源田が同点の2点タイムリーを放ちました。交流戦で12球団唯一のノーアーチでありながら、阪神が誇る「勝利の方程式」を2試合連続で攻略し、リーグ2位に再浮上しました。【久保賢吾】

【日本ハム】新庄監督「コーチにお願いして」加藤貴之、チーム6人目の完投勝利、レイエス4安打

日本ハムは今季交流戦で初のカード勝ち越しを達成しました。試合後、新庄剛志監督(53)は「今日は加藤コーチにお願いして完投してもらいました!」と球団を通じてコメントしました。先発の加藤貴之投手(33)は初回に3安打を許し1点を失いましたが、2回以降は見事に立ち直り、最終的に7安打2失点で完投勝利を収めました。これでチームでは伊藤大海投手(27)、金村尚真投手(24)、北山亘基投手(26)、古林睿煬投手(24)、山崎福也投手(32)に次ぐ6人目の完投勝利投手となりました。攻撃では、フランミル・レイエス外野手(29)が初回にリーグ単独トップとなる13号2ランを放つなど、4安打4打点の活躍を見せました。「チームの勝利に貢献できるバッティングができて良かったです」とコメントし、打点はリーグトップの35まで伸びました。今季の勝ち越しは最多タイの9となり、交流戦の成績は4勝4敗で勝率を5割に戻しました。

【ロッテ】今季初登板の唐川侑己が回またぎの12回に4失点、「こちらの作戦のせい」と吉井監督がかばう

千葉ロッテマリーンズは、延長戦の末に惜しくも敗北を喫しました。35歳の唐川侑己投手が今季初登板で11回を見事に0に抑え、そのまま続投して12回に挑みました。しかし、一死満塁のピンチを迎え、矢野選手に痛い一打を浴びてしまいました。最終的には4失点を許してしまいます。吉井理人監督は「こちらの作戦のせい」と唐川選手をかばいました。終盤には勝ち越しのチャンスがありながらも、打線が決定打を欠いたことを指摘。吉井監督は「若い選手たちがどのような気持ちで打席に立っているのか理解し、改善策を考えたい」とコメントを残しました。

【天皇杯】東洋大がJ1柏をジャイキリ「うれしいしかない」来季柏内定のDF山之内佑成が先制弾

天皇杯初出場の東洋大がJ1で今季4位につける柏レイソルに延長の末に2-0で勝った。大学生チームがJ1に勝ったのは前回大会2回戦で、筑波大が当時J1首位のFC町田ゼルビアにPK戦の末に勝利して以来10度目。今回の東洋大は延長戦での勝利だったが、2点差以上でJ1に勝ったのは19年度大会3回戦でガンバ大阪に2-0の法大以来、6大会ぶり4度目となった。延長後半2分、主将のDF山之内佑成が左足で強烈なシュートを決めて先制。同アディショナルタイムにもFW依田悠希が体で押し込んで加点し、ジャイアントキリングを達成した。来季から柏入りが内定している山之内は試合後のインタビューで「うれしいしかない。最高です。最後にチャンスがくると思っていた。決められて良かった。チーム全員が勝利に矢印をもっていけた」と喜んだ。◆天皇杯で大学生チームがJ1に勝利09年度3回戦 明大 3-0山形11年度2回戦 福岡大 1-1(5PK3)大宮14年度2回戦 関学大 2-1神戸17年度2回戦 筑波大 3-2仙台18年度2回戦 関学大 2-1G大阪19年度2回戦 鹿屋体大 3-0名古屋19年度3回戦 法大 2-0G大阪21年度2回戦 順大 2-1東京24年度2回戦 筑波大 1-1(4PK2)町田25年度2回戦 東洋大 2-0 柏【天皇杯】東洋大がジャイキリ!柏を延長戦の末2-0撃破 ほか全26試合/2回戦スコア詳細

【巨人】“憧れを捨てた”西舘勇陽、先発本格転向初戦で結果を残す…偉大な先輩たちを追い続ける

巨人の先発ローテーションに新しい星が誕生しました。プロ2年目の23歳、西舘勇陽投手が今季初の先発登板で初勝利を挙げました。「日本生命セ・パ交流戦」のソフトバンク戦(みずほペイペイドーム)で強力な打線を相手に粘りを見せ、7回を6安打3失点でまとめました。昨年は中継ぎを主に担当していましたが、先発転向初戦で白星を手にしました。花巻東高校(岩手県)出身で、エンゼルスの菊池雄星やドジャースの大谷翔平に続いて中大に進学し、23年ドラフト1位で入団。偉大な先輩たちを追い続けています。   ◇   ◇   ◇西舘が新たな挑戦に挑みました。7回のマウンドで、投球数は100球を超えました。ソフトバンクの柳町、近藤の主要打者に2連打され、内野ゴロで1失点。さらに栗原に二塁打を許しました。1死二、三塁で代打の山川に三塁ゴロを打たれてもう1点を失いましたが、2死まで持ちこたえました。最終的には秋広を空振り三振に抑えました。「最後はピンチでしたし、投球数的にもここが最後だと分かっていました。なんとか1点でも少なく終わらせたいと思っていました」と、プロ入り後最多の111球を投じ、7回を投げ切りました。プロ2年目の日々で、初々しさを残しつつも日に日にたくましさを増しています。ルーキーイヤーの昨季は中継ぎを主軸に28試合に登板。不安定な場面も多く、1軍と2軍を行き来しました。どこか遠慮がちで内向的なのを自覚しており、「プロの世界に入って、自分も対等と言えるわけではないですが、立場上、プロ野球選手として同じなので、憧れずに普通に攻めていけばいいのかなと思います」とマウンドでは憧れを捨て、相手打者と直接対峙しました。今季は1軍での救援登板が5試合あり、5月から2軍で先発に専念しました。2軍戦では8試合に先発して3勝0敗、防御率1.06と安定感を増しました。「1軍で結果が出ないということが続いているので、相手より自分の気持ち次第だと思います。自分が向かっていける姿勢を持っていければ」と、攻めるピッチングスタイルを目指しました。先発で掴んだ“初勝利”には、さらなる成長の余地があります。阿部監督は「僅差で勝てるピッチャーになってほしい。ストライク先行も全然できてなかったし、細かいところはまだまだだなと思って見ていました」と中大の後輩にさらなる成長を期待しました。西舘本人も「本当に野手の皆さんに勝たせてもらった勝利なので。まず次に向けて修正できるところは修正していきたい」と満足はありません。岩手県出身で、地元の花巻東高校で先輩の菊池、大谷と共に甲子園を目指していました。“憧れを捨てた”プロ2年目の右腕が、巨人の先発ローテーションに食い込んできました。【為田聡史】

ロバーツ監督、大敗で極端な“割り切り”2番手サウワーを限界111球まで引っ張る「本当に感謝」

【サンディエゴ(米カリフォルニア州)10日(日本時間11日)=斎藤庸裕】ドジャースのエース、大谷翔平投手(30)がライブBP(実戦形式の打撃練習)に登板し、二刀流復帰に向けてさらに一歩前進しました。パドレスとの対戦前に、3イニングを想定して44球を投じ、11人の打者に対して6奪三振、1四球を記録。最速96マイル(約154.5キロ)を計測し、多様な球種を駆使しました。マイナーリーグの打者相手でも、13球の空振りを奪い、安打を許さない完全な投球を見せつけました。投手陣が苦しい状況下で、「大谷待望論」が一段と盛り上がっています。    ◇   ◇   ◇ ロバーツ監督は、極端な“割り切り采配”で試合を早々に諦める決断をしました。パドレスとのライバル対決3連戦の2試合目は、ブルペンゲームとして臨んだ試合で、ローテーションの谷間だったため、救援陣が先発しました。2回からは中継ぎ2番手の右腕サウワーが登板。3回から相手打線に捕まり、被安打13、9失点で、6回2死まで交代せず、球数は111球に達しました。メジャーに再昇格したばかりの26歳右腕を限界まで引っ張る形となりました。ロバーツ監督は、この3連戦で勝ち越すために、思い切った配置転換を行いました。試合後、「序盤でリードされ、救援陣の状況を考慮して無理な起用は賢明ではないと思った。マット(サウアー)には本当に感謝している。彼はこれまでで最も多くのイニングを投げ、シリーズを勝ち越すためのチャンスをつくってくれた」とコメントしました。登板過多の救援陣を休ませる一方で、6回2死、中盤で内野手のキケ・ヘルナンデスを登板させました。「気持ちのいいものではないが、ルール上も問題なく、シリーズを勝ち越すためにこの判断を下した」と説明しました。

【アクシデント】中日・高橋周平が楽天・太田と三塁付近で衝突し、立ち上がれないまま途中交代

中日ドラゴンズの内野手、高橋周平選手(31)が試合中に相手選手と接触し、途中交代する事態になりました。3回1アウトの場面で、楽天の太田選手が右越えの長打を放ちました。返球を受けようと三塁ベースで構えていた高橋選手は、左手を挙げながら捕球の準備をしていましたが、三塁を目指して突進する太田選手と衝突してしまいました。衝突の結果、高橋選手はその場から起き上がれずに地面に伏してしまいました。すぐに左翼手の大島洋平選手(39)やコーチらが駆けつけ、高橋選手は左手の痛みを訴える様子を見せました。トレーナーの助けを借りつつ、ベンチへと引き下がることになりました。その後、石川昂弥選手(23)が三塁の守備に就きました。

【阪神】佐藤輝明の18号ソロ、ベルーナドームで再び輝く!新人時代の伝説を思い起こさせる一撃

阪神タイガースの内野手、佐藤輝明選手(26)が、本塁打争いで圧倒的な存在感を見せ、18号本塁打を放ちました。交流戦でも5号と、リーダーの座を確保しています。1-0で迎えた9回の先頭打者として登場。追加点が必要な場面で、201センチの右腕、ウィンゲンター投手の初球153キロを見事に捉え、右翼席へと運びました。これでリーグトップの打点も46となり、一時は同点に追いつかれた森下翔太外野手(24)を再び引き離しました。佐藤選手はルーキー時代の2021年に、同ドーム(当時はメットライフドーム)の試合で3本塁打を記録しており、その伝説が再び蘇ります。

【天皇杯】JFL青森が驚異のジャイアントキリング!横浜を2-0で撃破 GK廣末陸がPKで先制点&2点目の起点に

J1から数えて4部に当たるJFLのラインメール青森が、横浜F・マリノスを下して見事なジャイアントキリングを成し遂げました。アジアチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)で8強を誇る横浜を2-0で破ったのです。試合の先制点を決めたのは、なんと守護神の廣末陸選手でした。前半34分、FWルイス・フェルナンド選手が倒されて得たPKを、同35分にGK廣末選手がゴール右隅に決めて先制しました。さらに前半アディショナルタイムの46分、廣末選手のロングフィードから右サイドのカウンター攻撃を開始し、クロスボールをFWルイス・フェルナンド選手が決めて2-0にしました。後半では、横浜が2点を追いながらも反撃してきましたが、冷静な試合運びで時間を進めました。最終的には、廣末選手の攻守にわたる活躍で2-0の完封勝利を収めました。試合後、廣末選手は「本当にホッとしました。自分たちがやってきたことに自信があり、それを発揮すれば勝てると思っていました。PKゴールも練習から積み重ねてきたことですし、チームが体を張って得たPKなので、絶対に決めたかった。攻守の切り替えが良かったことが、有利に働きました」と振り返りました。一方で、今季J1最下位と低迷する横浜は、直近2連勝で調子を上げていた矢先の予想外の敗北でした。それはチームにとって非常に悔しい結果となりました。