【巨人】長嶋茂雄氏への追悼試合で勝利を逃す…阿部慎之助監督「勝つことは本当に難しい」と語る 打線振るわず5連敗
後輩たちよ、勝利の道は険しい-。読売ジャイアンツは楽天と対戦し、今季最悪となる5連敗を喫しました。3日に永遠の名誉監督、長嶋茂雄さんが89歳で逝去されてから初めての東京ドームでの試合でしたが、彼に捧げる勝利を手にすることはできませんでした。先発の赤星投手は7回途中まで1失点と好投しましたが、打線は4安打に抑えられ、今季6度目の完封負けとなりました。ユニフォームの左胸に「3」の文字を刻んで臨んだ阿部慎之助監督(46)は、「ひとつ勝つのは難しいんだと叱咤していただいているのかもしれない」と語りました。 ◇ ◇ ◇天に向かって祈る思いでした。ジャイアンツ打線は沈黙したままで、楽天の先発ハワード投手に対して7回まで無得点に終わりました。交流戦での3連敗で、今季最悪の5連敗です。阿部監督は「みんな、一生懸命勝とうとしている。自分をどうコントロールするか、打てないということは技術が足りないということだけれど、今の戦力で戦わなければならない」と話しました。将来を担う若い選手たちは苦しんでいます。26歳の泉口選手は4打数1安打、23歳の中山選手、24歳の増田陸選手、門脇選手、25歳のリチャード選手はいずれもノーヒットに終わりました。監督は「なんとかその壁を打破して、つなぐ気持ちを持ってやるしかない。できることがあればしてあげたいけれど、フィールドに立つのは選手たちだから」と話しました。選手たちは懸命に食らいつこうとするも、凡退を重ねました。試合前には長嶋さんの追悼セレモニーが行われ、特別映像が映し出されました。左胸に「3」を刻んで戦いました。どんな時でも勝負にこだわり、勝利への執念を持ち続けたミスターに、阿部監督は「『1つ勝つのは難しいよ』と教えていただいているように感じます」と受け止め、「そう考えて、進んでいきます」と前向きに語りました。東京ドームで「長嶋監督」として最後のユニホーム姿を見せたのは01年9月30日。その試合後にミスターがファンに向けて伝えたメッセージで、長嶋氏が後輩たちに未来を託していました。【為田聡史】 ◆長嶋茂雄氏と東京ドーム 東京ドームは88年に開場し、長嶋氏はジャイアンツ監督として93~01年の第2次政権時に本拠地として使用しました。リーグ優勝は1回、日本シリーズは2度優勝しています。94年の日本シリーズ第6戦で初の日本一を達成、00年の中日戦では劇的な逆転勝利でリーグ優勝を果たしました。さらに01年9月30日の試合後に監督を退任しました。また、13年の広島戦の前には国民栄誉賞の表彰式が行われ、松井秀喜氏との始球式も話題になりました。今年3月15日には巨人-ドジャースのプレシーズンゲームにも姿を見せ、ドジャースの大谷選手が試合後にインスタグラムで2ショット写真を公開しました。