Month: July 2025

【陸上】フロレス・アリエ「次から青木アリエ」家族を迎えて特別な大会で3位/日本選手権

6月に日本国籍を取得した女子400メートルのフロレス・アリエ(21=日体大)は、3位の結果にも「プレッシャーの中で走るのは初めて。ようやく肩の荷が下りた」と笑顔を見せた。6月には右手の人さし指にひびが入り、200メートル以上の練習ができなかった。さらにレース直前にはふくらはぎに違和感を感じたそうだ。「前半に力を入れて、後半は崩れてもいいと思って走った」と感想を語った。5月の静岡国際では51秒71を記録し優勝。日本記録を0秒04上回っていたものの、ペルー国籍だったため公認されなかった。日本人選手として初めて出場した今回の大会では、初めて家族を呼んだ。「特別な大会だから。父と母、姉が来てくれて、支えてくれた人に感謝したい」。世界選手権の混合1600メートルリレー代表の選考基準記録(52秒30)を突破しており、代表入りが期待されている。「次のレースからは苗字が青木アリエに変わります。父の家族が青木だから。新しい自分を見せたい」と意欲を見せた。【首藤正徳】

【陸上】桐生祥秀、5年ぶりの優勝で歓喜の涙「30歳でも日本で勝負できる」/日本選手権

桐生祥秀(29=日本生命)が男子100メートル決勝で5年ぶり3度目の優勝を果たし、初めてのうれし涙を流しました。決勝は追い風0.4メートルの下、10秒23でフィニッシュしました。このタイムは特別早いものではありませんでしたが、激しい接戦を制し勝利しました。中学から陸上を始めて以来、多くの悔し涙を経験してきましたが、今回は初めての歓喜の涙となりました。男子110メートル障害では泉谷駿介(25)が優勝し、野本周成(29)の2人が世界選手権代表に内定しました。   ◇   ◇   ◇5年ぶりの勝利インタビューで、桐生は「すみません」と手で口元を覆いながら、号泣しました。悔し涙の経験があるため、反射的にテレビカメラから顔を隠そうとしましたが、この夜の涙は隠す必要も恥じる必要もないものでした。男子100メートル決勝では、号砲に対する反応速度が決勝参加者8人の中で最速の0.133秒でした。準決勝では狂っていた上体を起こすタイミングを修正し、経験豊富な選手たちが集まるレースで勝利しました。「最後の2メートルで横を見て、いけると思った」と述べ、フィニッシュ後は左の人差し指を突き上げて歓声を上げました。「泣くつもりはありませんでしたが…。(後藤)トレーナーを見た瞬間に涙が出ました。東京オリンピックでも悔し涙しか流しませんでしたが、中学時代から初めてのうれし涙です。」桐生は、16年リオデジャネイロオリンピック選考の日本選手権では3位となり、「想定外の内定だった…」と号泣しました。東京オリンピックでは400メートルリレー決勝でバトンが失敗し敗退、走ることもできず涙しました。2013年4月に高3で10秒01を記録し、9秒台の期待を受けて、感情を素直に出すことは難しくなりましたが、29歳の今、初めて歓喜の涙を流しました。世界選手権の切符はまだ手にしていませんが、ランキングを上げるか、参加標準記録の10秒00突破を目指しています。今年から厚底スパイクを使用するなど挑戦を続けています。「速いタイムではないが、勝利をつかめた。30歳でも日本で活躍できることを示したい。若い力に負けないように頑張る」。ジェット桐生はまだ健在です。【益田一弘】

【巨人】9安打も無得点で今季3度目の引き分け…満塁機会を逃し、菊池の好守に阻まれる

巨人は延長12回まで無得点に終わり、広島と0-0で引き分けた。1回ではオコエが二塁打を放ち、三塁まで進むも無得点。4回もオコエが先頭で安打、1死から盗塁成功するも得点につながらなかった。6回には2死二塁、7回では坂本が1死から二塁打を放つも、キャベッジの二ゴロが菊池の好守に阻まれ好機を逃した。延長10回では2死から3連打で2死満塁のチャンスを作ったが、丸が遊ゴロで倒れた。延長11回、12回も無得点で終わった。投手陣は好投が光った。先発のグリフィンは2回に左すねに打球が当たるアクシデントにもかかわらず、7回無失点の好投。8回は田中瑛とバルドナードが無失点でつなぎ、9回は中川が無失点に抑えた。延長10回は船迫、11回はケラー、12回は石川が無失点に抑え、守護神マルティネスが不在の中、無失点リレーで引き分けに持ち込んだ。▼巨人は本拠地の東京ドームで6月27日から連続無失点試合を続けており、これは2011年に日本ハムが札幌ドームで達成して以来2度目で、セ・リーグでは初の記録。日本ハムは当時、札幌ドームの交流戦で5試合連続完封勝ちを収めている。

【阪神】危険球判定が懸念されたデュプランティエ、完封まであとわずかで危機を乗り越える

阪神タイガースのジョン・デュプランティエ投手(30)は、完封を目前にした「危険球退場」の危機を無事回避しました。試合は9回に入り、無失点のまま進行していましたが、1アウトを取った後の球が桑原将志外野手(31)の顔付近に投げられました。桑原選手は素早く体をひねって背中に当たったものの、もしヘルメットに直撃していたら「危険球」として退場処分を受ける可能性がありました。しかし、球審は判定を下さず、試合はそのまま続行されました。

【阪神】たまらんティエ! モンスター化した右腕が再び完全制圧 2度目の完封&奪三振単独1位

阪神タイガースのジョン・デュプランティエ投手(30)が、今シーズン2度目となる完封勝利を果たし、5勝目(3敗)を挙げました。走者が二塁に進んだのは4回の一度だけで、それ以降は全く隙を与えませんでした。6月19日のロッテ戦(甲子園)での完封勝利、同月28日のヤクルト戦(神宮)での7回無失点に続き、今回も素晴らしい投球を見せ、連続無失点記録は25イニングまで達しました。この試合では9つの三振を奪い、シーズン奪三振数は95に到達。DeNAのトレバー・バウアー投手(34)を抜いて、リーグの単独トップに立ちました。規定投球回に満たないにもかかわらず、驚異的な奪三振率を誇っています。▼デュプランティエが今シーズン2度目の完封勝利を達成したのは、阪神の外国人投手では2014年のランディ・メッセンジャー(3度)以来です。来日1年目の投手としては2002年のジェフ・ウィリアムス(2度)以来、実に23年ぶりの快挙です。▼さらに、デュプランティエは6月19日のロッテ戦から3試合連続で無失点を続け、次回の登板で9回無失点を達成すれば、NPB外国人投手最長の記録である34イニング(1965年のジーン・バッキー)に並ぶことになります。

【フォトギャラリー&まとめ】日本陸上選手権第2日にドルーリー、久保凛、新星フロレス、桐生祥秀が登場

東京・国立競技場で陸上日本選手権が4日から6日まで行われています。9月に開催される世界選手権東京大会の代表選考も兼ねており、男女合計34種目で日本一が決まります。 競技の詳細は、第1日に女子5000メートル、第2日に男女100メートルと800メートル、女子400メートル、第3日に男女走り幅跳び、200メートル、女子100メートル障害などが行われる予定です。 ドルーリー朱瑛里 女子1500メートル予選 女子1500メートル予選1組で苦しんだ様子のドルーリー(撮影・足立雅史) 女子1500メートル予選1組をスタートする田中(中央)、ドルーリー(左端)ら(撮影・足立雅史) 女子1500メートル予選1組のスタートで前に出るドルーリー(右から2人目)。中央は田中(撮影・足立雅史) 女子1500メートル予選1組で競り合う田中(左)、ドルーリー(右)ら(撮影・足立雅史) 女子1500メートル予選1組で競り合う田中(中央左)、ドルーリー(同右)ら(撮影・足立雅史) 女子1500メートル予選1組で力走するドルーリー朱瑛里(中)(代表撮影) 女子1500メートル予選1組をゴールし苦しげな表情を見せるドルーリー(撮影・足立雅史) 女子1500メートル予選1組 13位でゴールし苦しげな表情を見せるドルーリー(代表撮影) 田中希実 女子1500メートル予選 女子1500メートル予選1組で先頭を走る田中(中央)(撮影・足立雅史) 女子1500メートル予選1組を1着でゴールした田中(撮影・足立雅史) 女子1500メートル予選1組で力走する田中希実(右)(代表撮影) 女子1500メートル予選1組で力走する田中希実(左から3人目)(代表撮影) 女子1500メートル予選1組で力走する田中希実(代表撮影) 女子1500メートル予選1組を1着でゴールした田中(撮影・足立雅史) 久保凛 女子800メートル決勝 女子800メートル決勝を日本新記録で優勝した久保(右)(撮影・足立雅史)...

【陸上】久保凛、日本新記録で2連覇「とても嬉しい」初の世界選手権へ一歩前進/日本選手権

日本記録保持者である久保凛選手(17歳、東大阪大学敬愛高)は1分59秒52の日本新記録で2連覇を達成しました。昨年7月に自身が樹立した日本記録を0秒41更新しました。9月に開催される世界選手権東京大会の参加標準記録(1分59秒00)にはわずかに届かず、今回は内定を得ることはできませんでしたが、代表入りに大きく近づきました。久保選手は「標準記録を切れなくて悔しい」としながらも、「1年ぶりに納得のいくレースができた。率直に言うと、とても嬉しい」と微笑みました。初の代表入りが有力な自国での世界選手権に「ワクワクしています。出場できれば入賞を目指したい」と意欲を見せました。久保選手は高校3年生となった今シーズンも好調を維持。5月の静岡国際では2分0秒28で9月の世界選手権東京大会の開催国枠エントリー設定記録を0秒71上回り、同月のアジア選手権では2分0秒42で銀メダルを獲得しています。6月13日の近畿高校総体では、専門外の1500メートルで高校歴代2位の4分11秒07を記録し2連覇。小林祐梨子選手が2006年に記録した従来の大会記録(4分14秒39)を19年ぶりに更新しました。◆久保凛(くぼ・りん)2008年(平成20年)1月20日生まれ、和歌山県有田川町出身。小学1年生でサッカーを始め、串本JFCでプレー。高学年の頃、地元の駅伝大会で区間新記録を樹立し、潮岬中で陸上を始める。中学3年時、全国中学校体育大会800メートルで優勝。2023年に東大阪大学敬愛高に進学し、同年から全国高校総体で2連覇を果たす。サッカー日本代表の久保建英選手はいとこ。憧れの選手は田中希実選手。身長167センチ。

【ラグビー】ウェールズに12年ぶり勝利を収めた日本、リーチ主将「後半の自信が勝利を引き寄せた」

世界ランキング13位の日本代表が12位のウェールズ代表を打ち負かしました。エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(65)による第2期政権の2年目での最初の試合で、逆転勝利を収めました。これまで1勝13敗と苦戦を強いられてきた相手から、12年ぶりの勝利です。日本チームの主将でフランカーを務めるリーチ・マイケル(36=東芝ブレイブルーパス東京)は「後半に走れる自信がありました。日本代表らしいプレーをできて勝てて良かったです」と喜びを語りました。前半は苦しい状況が続きました。4分には先制点を許し、16分にFB松永拓朗(26=東芝ブレイブルーパス東京)がトライを挙げたものの、負傷で3分後に交代となりました。投入された中楠一期(25=リコーブラックラムズ東京)がその直後のプレーで、ゴールエリアでボールに手をかけたと判定され、認定トライで7-14の劣勢に。再びトライを許し、7-19で前半を終えました。しかし、後半は無得点の時間が続く中で59分に得点を重ね、13フェーズにわたる攻撃の末に中楠が左隅にトライを決めました。自らが犯した反則地点での飛び込みは反撃の合図でした。24分には李がペナルティゴールを決めて17-19と接近、30分にはモールからハラトア・ヴァイレア(26=クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)がトライし、24-19と逆転して勝利を収めました。ジョーンズ体制の昨季は4勝7敗と苦戦しました。今季は12月に予定される27年ワールドカップオーストラリア大会の組み分け抽選を控えており、良い結果が求められています。この試合に向けた会見でジョーンズHCは「結果が一番大事」と述べていましたが、見事にランク上位の相手との貴重な初戦を制しました。ウェールズからの勝利は、13年6月15日の第1次ジョーンズ政権(23-8、東京・秩父宮ラグビー場)以来の快挙です。今季の開幕会見で指揮官は「自信を持ってW杯に進んでいけた」試合としてこの勝利を振り返りました。先月28日にJAPAN XVとして臨んだマオリ・オールブラックス戦では20-53と大敗。防御に課題があるとされていましたが、改善の兆しが見えました。次の試合は12日に兵庫・ノエビアスタジアム神戸で再びウェールズと対戦します。2連戦の結果次第では、ジョーンズHCの進退問題に発展する可能性もあるため、結果を意識し戦いました。2連勝で不安を払拭したいところです。【飯岡大暉】

【陸上】17歳の久保凛が日本新記録を樹立し、女子800mで2連覇達成 高校3年生が貫禄の日本一/日本選手権

日本記録保持者の久保凛さん(17歳、東大阪大敬愛高等学校)が1分59秒52という日本新記録を樹立し、2連覇を達成しました。この種目での連覇は、2017年・2018年の北村夢さん以来の快挙です。 久保さんは、高校2年生だった昨年6月の日本選手権で初優勝し、注目を集めました。同じ年の7月には日本女子で初めて2分を切る1分59秒93という記録をマークし、19年ぶりに日本記録を更新しました。 高校3年生になってからも好成績を次々と出しており、今年5月の静岡国際では2分0秒28のタイムで9月に開催される世界選手権東京大会の開催国枠エントリー基準タイムを0秒71上回り、同月のアジア選手権でも2分0秒42で銀メダルを獲得しました。 6月13日の近畿高校総体では専門外の1500メートルに出場し、高校歴代2位となる4分11秒07で2連覇を成し遂げました。これは、2006年に小林祐梨子さんが打ち立てた従来の大会記録(4分14秒39)を19年ぶりに更新する素晴らしい内容でした。 ◆久保凛(くぼ・りん)2008年(平成20年)1月20日生まれ、和歌山県有田川町出身。小学1年生でサッカーを始め、串本JFCでプレー。高学年の頃に地元の駅伝大会で区間新記録をマークし、その後潮岬中学校で陸上を開始。中学校3年生の時に全国中学校体育大会800メートルで優勝。2023年に東大阪大敬愛高等学校に進学し、同年から全国高校総体で2連覇を達成。サッカー日本代表の久保建英選手はいとこにあたり、憧れの選手は田中希実さん。身長167センチ。

ロバーツ監督「速やかに忘れ去りたい試合」ホームゲームで過去最悪の17点差敗北 大谷は連続無安打

ドジャースはホームで歴史的な敗北を経験しました。序盤から投手陣が崩れ、合計18失点を喫しました。17点差という大敗は、ホームゲームでの過去最悪の結果です。「1番DH」として出場した大谷翔平投手(30)は、3打数で安打を記録できず、2試合連続でヒットがありませんでした。先発した右腕のカスペリアス投手は3回までに9安打6失点し、3番手のデービス投手は6回に10失点を許し、アストロズ打線の勢いを止めることができませんでした。ドジャースが1イニングで10得点以上を許したのは、1999年4月23日のカージナルス戦以来のことです。ドジャースにとっては、恥ずべき記録が続きました。デーブ・ロバーツ監督(53)は試合後、「この試合は速やかに忘れ去りたい。ポジティブな結果は何もなかった。ただ、勝った試合で救援陣を休ませることができたことで、残り2試合を勝ち越すための良い状況を作ることができた」と冷静に振り返りました。