【龍仁(韓国)8日=永田淳】FIFAランキング15位の日本代表が、東アジアE-1選手権の初戦で香港代表(同153位)を6-1で破り、華々しい勝利を収めました。
初めての招集で先発したFWジャーメイン良(30=広島)は、代表デビュー戦となる試合で4得点を記録し、大きな注目を集めました。日本代表は前半だけで5ゴール、さらに後半にも1点を加え、大会連覇に向けて力強いスタートを切りました。
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FWジャーメインは、華やかな代表デビューを果たしました。
試合開始4分でMF相馬のクロスに反応し、胸でトラップしてからの左ボレーで鮮やかな先制点を決めました。続く10分には再び相馬のクロスからヘディングでゴール。同22分には素早いパス回しから左足でコースを突くシュートを決め、ハットトリックを達成。同26分には右足でも得点し、あらゆる形で得点できることを証明しました。試合後、ジャーメインは「1点取れるとリラックスでき、1点目をどのタイミングで取るかが重要だった。爆発力は出たかな」と話し、磐田時代以来の1試合4得点を振り返りました。
30歳以上でのデビュー戦ゴールは、記録上では史上初という快挙。この日ゴールを決めたMF稲垣の持つ29歳の記録を超え、歴史に名を刻みました。さらに、初陣でのハットトリックは4人目の快挙。前半22分での達成は、1930年の若林竹雄に並ぶ最速記録で、26分での4点目は単独最短記録となり、「名前が残ったかなと思うと嬉しい」と胸を張りました。
2023年に当時J2だった磐田で指導を受けた「恩師」との出会いが、急成長の転機となりました。代表コーチも務めた横内昭展監督(当時)から「プレーに強弱をつけること」を求められ、自らのフルパワースタイルを見直すことに。これにより、「パワーを使うところと、そうではないところ」を使い分ける冷静さを身に付けました。これがクロスから点を決めるポイントの発見につながりました。
昨季、J2に降格した磐田で力を発揮し、J1で日本人最多の19得点。以前はシーズン3点が最高だった彼が、磐田で覚醒。今シーズンから広島に移籍し、30歳で初めて代表に選出されました。
今後の代表定着への期待が集まる彼は、「僕は応援している側で、あまり意識していない」と謙虚に語りました。しかし、この日の決定力は、2026年の北中米W杯のメンバー入りに向けて確かなアピールとなりました。
◆ジャーメイン良(りょう)1995年(平7)4月19日、神奈川県生まれ。流通経大柏高から流通経大に進学し、2017年にJ1仙台に加入。2021年に横浜FC、2022年に磐田へ移籍し、2024年にJ1で日本人最多19得点を記録。今季から広島で活躍中。代表1試合4得点。J1通算166試合34得点。父は米国人、母は日本人。身長182センチ、体重82キロ。左利き。