58歳130日、まさに日本サッカー界のキング・カズがここに在る-。アトレチコ鈴鹿FW三浦知良は、プロキャリア40周年を記念したホームゲーム、ヴィアティン三重戦に先発出場しました。昨年10月26日のソニー仙台戦以来、約9カ月ぶりの試合で、言うまでもなくリーグ最年長記録です。前半45分で交代しましたが、試合序盤に絶妙なスルーパスでチームのゴールチャンスを演出しました。試合は前半に3点をリードされてしまいましたが、カズの持つ不屈の精神をチーム全体が発揮し、後半の追加タイムにPKで3-3の引き分けに持ち込みました。試合後のカズの一問一答は以下の通りです。 -プレーを振り返って「決して満足できる内容ではなかったと思います。(3失点した後に)失点を抑え、みんなでしっかり守って次に繋げること。そこも考えなければいけなかったのですが、その点では声かけも含めて部分的にはできたかなと。ただ、サッカーの本質的な楽しさは出せなかったかもしれませんね。」-クラブ史上最多の4917人が集ったことについて「この街にはそれだけのポテンシャルがあると思います。この(三重)ダービーや40周年記念試合ということで、皆が本当に頑張ってくれた結果だと思います。こういうムーブメントを起こせることは素晴らしい経験でした。」-プレーする喜びについて「良いプレーができた時は素直に嬉しいですし、自分はまだこういうプレーができるんだと感じる瞬間があります。それは試合だけでなく、普段の練習の中でもありますし、そういう場面ごとに充実した日々を過ごしています。逆に、情けなくなる時もありますが、良いプレーと悪いプレーを重ねていることが僕にとっての幸せなのではないかと感じています。自身の喜怒哀楽を感じることが、とても大切だと思います。」 -ブラジルでの経験について「2年前にポルトガルに行った時にも同様に、様々な環境に適応し、その地で友人を作りながらプレーすること。それはブラジルの経験が大きく影響しています。もしあの経験がなかったら、自分が今こうして続けていられるか分かりません。」◆カズの年長記録 J2横浜FC時代、2017年3月12日の群馬戦で得点を決め、50歳14日でJリーグの最年長得点記録を更新しました。「リーグ戦でゴールを決めた最年長のプロサッカー選手」としてギネス世界記録に認定されています。2021年3月10日の浦和戦ではJ1の最年長出場記録を54歳12日に更新。フランス紙レキップは「三浦は60歳まで最高レベルでプレーするつもりだ」と驚きをもって伝えました。ポルトガル2部のオリベイレンセで、56歳だった2023年4月22日のビゼウ戦で途中出場し、同国の最年長出場記録を更新しました。