巨人戦での3連敗を機に再び苦境に陥ったDeNA。昨シーズンのチャンピオンチームであるはずが、今季は借金2で波に乗れていません。日刊スポーツの客員評論家である小谷正勝氏(80)が、チームの投手陣を分析し、巻き返しへの糸口を探ります。
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DeNAは、先発の一角であるバウアーが2軍落ちとなりました。ケイと東は防御率1点台でありながら、勝ち星に恵まれず、ケイは5勝5敗、東は6勝4敗という成績です。特に左投手の二人が更に調子を上げ、小差を乗り越えて勝つ試合を増やすことが求められます。
東は開幕当初の不調を克服しつつあります。彼が好調時の内外角へのコントロールを取り戻し、チェンジアップも改善すれば、勝球感覚を取り戻せるでしょう。
一方のケイは、日本では珍しい左打者との対戦に苦戦しています。良いときは右打者の懐に直球とカットボールを決めることができますが、左打者相手には外角にばかり投げてしまい、相手に狙い撃ちされています。
コーチ陣は相手が左打者を並べることを事前に察知し、対策を立てる必要があります。そのためにはブルペンでの練習を通じて、左打者の内角に投げ込むことが重要です。
バウアーは様々な試みを行っていますが、タイミングを誤ってリリースポイントを狂わせています。十分にメンテナンスし、かつての実力を取り戻すことが求められます。外国人選手との会話は問題解決への鍵です。
他の先発陣にも注目です。ジャクソンは来日当初は直球専門でしたが、変化球を中心に投げるようになりました。石田裕はお決まりのパターンから抜け出し、積極的に空振りを狙うべきです。
ブルペン陣の重要性も増しています。森原は早急に復帰させ、中川は安定感をさらに高める必要があります。そして若手の登用にも積極的に取り組み、新たな戦力を育成していくことが求められます。特に吉野光樹という3年目の投手に注目しており、彼の高めの球の力を活用するスタイルが確立されることを期待しています。
最終的に、DeNAは将来のピッチングスタッフのビジョンを示す必要があります。外国人選手に頼る現在の状態から、より一貫した戦略を打ち出さなければ、上位に安定して位置付けることは困難です。(日刊スポーツ客員評論家)