山本由伸「雨じゃなければ…」初回から8者連続凡退の快投、わずか56球で勝利「感覚が良かった」

【デンバー(アメリカ・コロラド州)25日(日本時間26日)=四竈衛】 ドジャースの山本由伸投手(26)はロッキーズとの試合に先発し、5回1安打無失点という好成績を収めました。降雨により試合が中断され、56球で降板しましたが、5月26日以来5試合ぶりとなる7勝目(6敗)をマークしました。この日は公式戦の折り返し地点となる試合で、大谷翔平投手(30)は2打数1安打2四球で2得点を記録。彼の79得点はメジャーでダントツのシーズン79得点となり、今年のペースでは年間158得点が予想されています。ドジャースは3連勝し、リーグで最速の50勝に到達し、100勝ペースに乗っています。
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激しい雷雨「サンダーストーム」にはかなわずとも、山本はわずか56球で勝利を収めました。試合は両軍無得点で迎えた6回表。冷たい風が吹き始めた直後に、バックスクリーンの裏で稲妻が光り、大粒の雨がグラウンドを打ち始めました。観衆は急いで移動を始め、2死二、三塁からマンシーが放った打球がロッキーズ内野陣によって見失われ(公式記録は安打)、ドジャースが2点を先制。そのすぐ後に試合は中断されました。
約1時間27分後に試合が再開し、ドジャースはさらに1点を追加。山本は3点のリードを持った状態でリリーフ陣にマウンドを託しました。しかし、その時点までは誰もが「続編」を望むような快投劇でした。「初回から入りを大事にしてマウンドに上がった。感覚がとても良かった」。初回から8人連続で凡退を奪い、5回までは走者2人で残塁1という状況。1イニングあたり平均約11球というテンポで、初完封が期待されるほどの投球でした。「調子が良かったので、雨がなければもっと投げられたと思うが、ポジティブにとらえ、球数が少なかったのでしっかり休養につなげたい」とコメントしました。
開幕時から一喜一憂しない姿勢は変わらず、この日は公式戦81試合目の折り返し地点。東京での開幕戦以来、山本は先発ローテーションの柱として16試合で防御率2.61を記録し、安定した投球を続けています。「投球内容には多少の波がありましたが、体調はずっと良く保たれていました。食事、睡眠、トレーニング、練習のどれも充実して取り組んだ結果だと思います」と自己分析しています。現状に満足しているわけではありませんが、1年前の同時期は右肩の違和感で離脱し、チームに貢献できない無力感も味わいました。
シーズンを乗り切るだけでなく、目的は10月のポストシーズンにあります。「ちょうど半分が過ぎたところで、気を引き締めてもっと加速できるように頑張りたい」と語る、ドジャースの新エースである山本は、さわやかな笑顔を浮かべながら、雨の止んだグラウンドでゆっくりと勝利の輪に加わりました。