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長嶋茂雄さんの最後の願いを胸に、王貞治氏が「球心会」設立。「今こそ一致結束の時」

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「野球界がひとつとなり、今後さらに野球人気が高まってほしい」。今月3日に89歳で亡くなった「ミスタープロ野球」長嶋茂雄巨人終身名誉監督が生前に残していた手紙が26日に、都内で開催された野球振興を目的とする団体「球心会」設立会見で公開されました。野球界の未来を願った長嶋氏の思いを、盟友で同会の代表を務めるソフトバンクの王貞治球団会長(85)が力強く受け止め、行動に移す決意を表明しました。

   ◇   ◇   ◇

会見が進む中、球心会の副代表で日本ハムのチーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)である栗山英樹氏(64)が、長嶋氏から王会長への手紙を代読しました。その手紙には、野球界を憂い新たな挑戦をサポートしたいという温かい言葉が綴られていました。

「王貞治様

王さん、野球界のさらなる発展を目指した『球心会』の結成、おめでとうございます。

アマチュア、プロの垣根を越えて、王さんがグラウンドでの活動を聞き、私も協力したいと思っています。

野球界が一つとなり、ますますの人気向上を期待しています。

令和7年5月吉日

     長嶋茂雄」     (原文まま)

王会長はこの手紙を受け「長嶋さんからの願いを胸に、私は野球界のためにやるべきことがあると誓いました」と決意を新たにしました。「長嶋さんが同じ目標を持ってくれたことが嬉しい。次の国民的ヒーローを生むための環境と基盤を作る必要があります。様々な組織の垣根を越えて一致団結すべき時が今なのです」と語りました。

「球心会」は今後100年を見据えた野球振興を目的に、プロとアマチュアの壁を超えた連携と情報発信を進める団体です。王会長は数年前から構想を温め、代表として各団体に協力を呼びかけています。具体的には、子どもたちが野球に触れる機会の創出、日本シリーズやオールスターなどの大規模な大会に合わせたイベント開催、保護者向けの情報提供など、幅広い取り組みを展開します。

「とにかく、やらせてください」。王会長は真剣な表情でこう言い切りました。「資金を集めて、子どもたちが野球を楽しめる場を作りたい。日本は土地が少ないですが、工夫して進めていきます。口だけで終わらせず、しっかり形にします」。

「ON」として現役時代から夢と感動を与えてきた「ミスター」が最後に託した願いを胸に、盟友・王貞治が再び野球界の最前線に立ちます。その視線の先には、子どもたちと野球の未来がしっかりと見据えられています。【鳥谷越直子】

◆球心会 一般財団法人。25年5月23日に設立されました。子どもたちに夢と希望を与える世界的ヒーローが野球界・スポーツ界から生まれ続ける未来をつくる取り組み「BEYOND OH! PROJECT」を推進しています。王貞治代表、栗山英樹副代表、評議員にサッカー元日本代表監督の岡田武史氏、全日本野球協会(BFJ)副会長・専務理事の内藤雅之氏、日本野球機構(NPB)の中村勝彦氏ら。本社は東京・千代田区。

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