【南北海道】昨秋部員1人から始まった札幌あすかぜが健闘 指揮官は北照で甲子園8度の河上敬也監督

2年ぶりに単独チームで大会に挑んだ札幌あすかぜは、ベンチ入り9人ながら初回に3点を先制し、奮闘しました。3年生1人、2年生1人、1年生7人のチームメンバーは、昨春から指導を開始した元北照の河上敬也監督(66)の下で、秋に向けて大きな一歩を踏み出しました。
わずか9人で戦い抜いた札幌あすかぜは、さわやかな風を札幌円山に吹き込みました。北照を春夏通じて甲子園に8度導いた河上監督は昨年4月から指導を始めました。「選手たちだけでなく、私やコーチの全員が、やればできると自信を持つことができました」と、この結果に満足しています。
その決意は初回の攻撃に表れました。1回、2アウト1、2塁で5番の主将、長岡宏紀外野手(3年)が先制の中前適時打を放ちました。続いて荒川亮二外野手(2年)も中前適時打で3点を奪いました。
秋には荒川一人だけの部員で大会に出場できなかった危機的状況から、今年4月に7人の新入生が入部しました。さらに1年生のときに退部していた長岡も監督の要請で復帰。「辞めたことを後悔しており、大好きな監督の下で後悔なく最後を迎えたかった」と語ります。今春は札幌北斗と合同チームでの出場でしたが、最後の夏に念願の単独チームとしてグラウンドに立ちました。
春からは河上監督を慕う北照出身のOB13人がコーチとして指導に加わり、キャッチボールもままならなかった選手たちがわずか2ヶ月で急成長を見せました。2安打1打点を記録した長岡は「最初はボールに当てられなかったが、監督の直接指導で打てるようになりました」と語ります。孤独だったときに退部を決意した荒川も、「監督が留まらせてくれ、コーチも丁寧に教えてくれたおかげで今回のヒットにつながりました」と感謝の意を表しています。
単独チームで記録した価値ある3得点。秋以降の公式戦で1勝を目指し、名将のもとさらなる成長を遂げていきます。