【日本ハム】新庄監督の“勘ピューター“「当たった」清宮幸太郎の守備変更が逆転Vへの鍵

日本ハムの新庄剛志監督(53)は“公約”を実現しました。「日本生命セ・パ交流戦」で中日との試合(バンテリンドーム)に接戦で勝利し、交流戦で掲げた目標の11勝目を達成しました。これで12球団最速で40勝を達成。この日はパ・リーグ6球団の中で唯一の勝利を挙げ、2位とのゲーム差を今季最大の3.5にしました。交流戦の最終戦である22日の中日戦に勝利し、ソフトバンクが負ければ、逆転で交流戦優勝が決定します。
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新庄監督は感動を隠しきれませんでした。「柳川くん、なかなか良いドラマを作ってくれる(笑)。やはり俺の教え子」。クローザーとして起用した柳川はピンチを作ったものの、1点リードを守り切りました。これで“公約”が達成されました。交流戦11勝目。「あぁ…」と一瞬、記憶を辿りました。交流戦が始まる前の1日ロッテ戦後、「11勝7敗でいければ良いかな」と思い出しました。
新庄監督 目標の数字を掲げないと、そこに向かう努力ができないと考えているので、いつも少し高い数字を掲げています。声に出すようにしています。
選手たちと共に、新庄監督も日々努力を重ねています。就任4年目となり、試合や映像を見て選手たちの特徴を全て把握し、常に最新の状態に更新しているため、“勘ピューター”もより鋭くなっています。「変えておいて良かった」とは8回の守備変更です。
三塁の清宮幸を一塁に回し、7回から二塁で出場した奈良間を三塁に。すると、中日の8回先頭打者田中が放った三塁線を襲う打球を奈良間が好捕。ピンチを未然に防ぎました。「あれは大きかった。(三塁が清宮)幸太郎だったら抜けているよと(土壇場で向かった)マウンドで話していました」。
他のポジションで守備固めが始まった7回も、清宮幸を三塁に据えたのには理由がありました。「あれはホームランを打って乗っていたからです。乗っている時は足も動くので、そのままにしようと。ただ、1イニングが終わったら、それが抜けるのでファーストに変えようということだけです」。9回無死二塁では、その一塁の清宮幸が犠打を阻止する好プレーを見せました。「あれも上手かったね。(采配が)当たったね」と自画自賛しました。
偶然ではない強さで12球団最速の40勝を達成。さらに交流戦優勝の可能性も残しています。「僕としては交流戦の優勝にはあまり興味はありません。ただ、賞金がもらえる。それを裏方さんたちに渡したい気持ちは本当にあります。手に入れますよ。マジで」。もう一つの“公約”も実現させます。【木下大輔】
◆交流戦優勝の行方 優勝の可能性はソフトバンク、日本ハムの2球団に絞られました。首位ソフトバンクは○か△で優勝。●でも日本ハムが●なら決まります。日本ハムは○で、ソフトバンクが●の場合に逆転V。ソフトバンク●、日本ハム△の時は勝率で並び、得失点率差(TQB)で優勝が決まります。「TQB」はトータル・クオリティー・バランスの略。1イニング平均得点から1イニング平均失点を引き、小数点第3位まで出します。計算式は(得点÷攻撃イニング)-(失点÷守備イニング)。21日試合終了時点の得失点率差は、ソフトバンクが+.238、日本ハムが+.121。得点が多く、失点も少ないソフトバンクがこの場合は有利です。優勝するとソフトバンクは6年ぶり9度目、日本ハムは18年ぶり2度目となります。