【阪神】7番打者としての脅威「恐怖の7番」坂本誠志郎 交流戦での打率4割超「もっともっと」バットに対する意欲

阪神の坂本誠志郎捕手(31)が、9個目の「0」を記録した際に、体格の大きいデュプランティエにハグされ、笑顔を見せた。お立ち台では「横にいる男は配球の天才です」と称賛され、喜びに満ちていた。
捕手としての高い貢献度はもちろんのこと、最近ではバッティングでも注目されている。0-0の4回、無死一塁の場面で、ロッテの先発投手・種市からヒットエンドランで中前打を放ち、連続試合出塁の記録を「24」に更新。この貴重な一打が、近本の先制犠飛につながった。7回には、左翼の頭を越えるフェンス直撃の二塁打を放ち、甲子園を再び歓声で包んだ。先発出場では3試合連続のマルチ安打。交流戦では37打数15安打を記録し、規定打席には届いてはいないものの、打率は4割5分に達している。
シーズン全体でも規定打席に達していないが、打率は2割7分1厘と好調だ。23年に最も打撃で活躍した際も、2割7分台は5月以来。「もう少し良い場面で打てたら嬉しいんですが…。パ・リーグの投手もみんなすごい。打てる球は1球か2球だけ。それをしっかり仕留めるのが大事だと思っています」と語る。データを用いた準備や捕手としての配球の読みも鋭い。
今季はバットにもこだわり、履正社や明大で愛用していたメーカーのものを使用。材質をイエローバーチから、硬いメープルに変更した。海外のメジャーブランドも複数試し、他球団選手のバットを観察するなど、打撃にも熱心である。「うちの打線は素晴らしい打者が揃っています。僕のところでみんな一息つくんですよ」と冗談を言うこともあるが、相手チームにとっては“恐怖の7番捕手”として脅威である。
20日からの交流戦では、首位を走るソフトバンクとの最終3連戦が控えている。全試合での先発マスクの可能性が高い。「投手を楽にしてあげたい、もっともっとと思いながらプレーしたい」と意気込む。20日の初戦では今季無傷の6勝を挙げている強敵、モイネロが待ち構える。下位打線に潜む貪欲な強打者が、昨季のパ・リーグ王者にとっての脅威となるかもしれない。【柏原誠】