【大橋秀行】佐々木尽、初回に倒れるも頑張りを見せる ウェルター級はやはり“世界の壁”

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WBO世界ウェルター級2位の佐々木尽(23=八王子中屋)は、大きな期待を背負って初の世界タイトルに挑んだが、残念ながら結果は失神KO負け。この階級ではまだ日本人の世界王者が誕生していないため、佐々木選手にとっても日本ボクシング界にとっても大きな試練となった。試合は同級王者ブライアン・ノーマン(24=米国)に挑み、計3度ダウンを喫した。5回0分46秒、左フックの一撃で敗退し、試合後は病院へ直行することになった。

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佐々木選手には3回までに反撃のチャンスがあると思われていたが、1回2度のダウンが痛手となった。特に試合序盤での左フックが側頭部に命中したことでペースを乱され、そのダメージが試合全体に影響を及ぼした。それでも2回からは持ち前の気迫で立ち向かい、観客を沸かせる場面を作った。

ノーマン選手のパンチは的確で、ディフェンスも巧みで、佐々木選手を翻弄した。残念ながら、これが日本人がまだ到達できていないウェルター級という“世界の壁”であることを改めて実感させられる試合となった。24歳という若さながらノーマン選手の強さと雰囲気は特別で、今後の成長が楽しみだ。

佐々木選手も見事な場面を作り、未来の可能性を感じさせてくれた。決して手が届かない差ではない。彼の挑戦は、日本人にもウェルター級で十分戦えるという希望を与えてくれた。これを良い経験にし、さらなる成長を期待したいと思う。(元WBA、WBCミニマム級王者)

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