【横浜】また監督解任、クラブ史上初の非常事態「裏天王山」完敗でキスノーボ体制に見切り

J1リーグで最下位に低迷する横浜F・マリノスが、今シーズン2度目の監督解任を決断しました。15日、新潟での試合で19位のアルビレックス新潟に0-1で敗北。この試合に勝てば3連勝を果たし、順位を19位に上げることができる大事な試合でしたが、完封負け。シュート数も4本に対し、14本許すなど、内容的にも敗北を色濃くした試合でした。
試合直後、クラブ首脳陣は元オーストラリア代表のディフェンダー、パトリック・キスノーボ監督(44)の解任を決定しました。複数の関係者によると、後任には昨シーズン途中までサガン鳥栖を指揮していた川井健太氏(44)が濃厚とのことです。
名門クラブにとっては初の非常事態と言える歴史的な低迷が続いています。シーズン中に2度の監督解任を行うのはクラブ史上初のことです。4月にはイングランド代表の元ヘッドコーチ、スティーブ・ホーランド氏(54)が電撃解任され、新たにキスノーボ氏が昇格したばかりでした。Jリーグ創設時から参加している“オリジナル10”の一員であり、降格未経験という名誉を保持しているクラブとして、迅速な対応を取りました。
しかしながら、荒療治の成果は現れず、アジア・チャンピオンズリーグでは準々決勝で敗退。リーグ戦も3連敗からクラブワーストの7連敗にまで悪化しました。5月下旬には首位鹿島との対戦で3-1、FC町田ゼルビアに対して3-0の勝利で息を吹き返したかに思えましたが、天皇杯では国内4部相当のJFLのラインメール青森に2回戦で0-2の完敗。中断明けの下位対決でもパフォーマンスは改善されず、またも黒星を喫しました。
現在、3勝5分け11敗で勝ち点14。残留圏内の17位FC東京とは6ポイント差があります。新監督を託される川井氏は、前サガン鳥栖監督であり、“戦術家”としての評価も高いものの、昨年8月に19位で事実上の解任となっていました。年末にはJ2ジュビロ磐田監督の最終候補に残っていたが、現在までフリーの状態が続いていました。
◆川井健太(かわい・けんた)
1981年(昭和56年)6月7日、愛媛県宇和島市生まれ。愛媛FCユースから桃山学院大学を経て2004年、当時JFLの愛媛に加入。2005年には優勝し、翌2006年にJ2を経験して引退。2008年から2017年まで女子サッカーの指導に携わりました。2018年5月にJ2愛媛の下部組織からトップ監督に昇格。2020年に退任しました。2021年はJ2山形でクラモフスキー監督に師事し、2022年から2024年8月の契約解除までJ1サガン鳥栖を指揮。攻撃的なサッカーを志向しています。身長182センチ、体重72キロ。血液型はB型。