プロボクシングWBC世界バンタム級1位の那須川天心(26=帝拳ジム)が、キャリア初の全裸で計量をクリアしました。
8日に東京・有明コロシアムで行われるWBA世界同級6位ビクトル・サンティリャン(29=ドミニカ共和国)とのノンタイトル10回戦を前に、7日に東京・後楽園ホールでの前日計量に臨みました。サンティリャンが53.5キロでパスする一方、那須川は53.4キロでクリア。
予想外の「ハプニング」でした。最初はお守りを首から下げたまま体重計に乗ったらオーバー。お守りを外してもリミットに達せず、深呼吸しながら再試行もクリアできず。最後にはパンツを脱ぎ、赤いタオルで隠されながら全裸で事なきを得ました。那須川は苦笑しつつ「いつもギリギリ狙いなんですが、予備計量で200グラム不足していたので、200(グラム)飲んだら『・5』に達しないかと。でも、無理でしたので脱ぎました」と振り返っています。
格闘技時代も含め、初めての全裸計量パス。「すぐに(パンツを)脱ごうとした時、(日本ボクシングコミッションの)インスペクターの(ロバート)山本さんが止めてくれて。赤い闘魂タオルで隠してもらいました。公共の場に僕のスッポンをさらさずに済みました」とメディアを和ませました。
ボクシング転向から2年目、7戦目の世界前哨戦でのハプニングでも、那須川は冷静でした。「いろんな壁があると思いました。でも全然恥ずかしくありません。いつかは全国の前で(全裸を)さらしてやろうくらいに思っています」と笑顔を見せます。昨年10月、ジェルウィン・アシロ(フィリピン)とのWBOアジア・パシフィック同級王座決定戦以来、2度目のリミットですが「非常に順調です。初めは不安要素があっても、準備を重ねる中で徐々に明確になり、試行錯誤も楽しんでいます。しっかりリカバリーして試合に挑むだけ。エネルギーは十分、まだまだ落とせます」とリラックスした表情を見せました。
サンティリャンとの世界ランカー対決は世界挑戦に向けた最後のテストマッチです。那須川は「本当にやるべきことをやってきました。それを出すだけです。チケットも完売していますし、那須川天心の次を見せられる試合にしたいので注目してください」と語り、大事な一戦に向けて集中していました。