プロ野球界の伝説的存在で、巨人軍で終身名誉監督を務めた長嶋茂雄さんが、3日午前6時39分に肺炎のため、東京都内の病院で亡くなりました。享年89歳でした。読売新聞グループ本社、読売巨人軍、オフィスエヌが連名で報告しました。
＜長嶋茂雄さんの思い出の言葉を振り返る＞
◆1957年11月3日（立教大学時代、慶應義塾大学戦で新記録の8号本塁打を達成して）「最後のチャンスを生かせました。振り返ってみると、自分は幸運だったと思います」
◆57年11月5日（プロ入り前に）「卒業したら巨人に入りたいです。伝統に輝く巨人に憧れています」
◆58年4月5日（デビュー戦で国鉄スワローズの金田正一投手に4打席連続三振を喫して）「ご覧の通り、今日は全くダメでした」
◆60年10月（政治への関心について尋ねられ）「（新聞の）政治面は一応目を通しますが、世の中が騒がしくなってから読み始めただけです。スポーツマンは保守的ですから、社会党が政権を取ったら野球どころではなくなるかもしれません」
◆61年3月（米国ベロビーチキャンプで）「アメリカの子供は英語が上手いね」
◆63年10月6日（打率トップを5毛差で維持し）「『毛』の争いなら任せてください。何しろ僕は胸毛に自信があるので」
◆64年11月26日（亜希子夫人との婚約会見で）「初めて会った時から好きになりました。恋が何かは分からなかったが、ようやく気持ちが分かりました」
◆73年10月9日（監督を川上哲治監督から打診されて）「選手として燃え尽きるまでやるのが自分の務めです。体力の続く限りバットを持ちたいです」
◆74年10月12日（引退を決意して）「小さな白球との長い戦いが終わったことを悟りました」
◆74年10月14日（後楽園球場での引退セレモニーで）「今日はここで引退しますが、巨人軍は永遠に不滅です」
◆74年11月1日（巨人監督に就任し背番号も90に）「息子の一茂が3番、三塁、背番号3だったので、全部足して9、さらに0をつけて90が良いと言うのです」
◆74年11月21日（監督就任会見で）「来年はクリーンベースボールのスローガンで行きます」
◆75年4月8日（広島戦で監督初勝利）「現役時代のホームランより嬉しいです。監督冥利に尽きます」
◆76年8月17日（広島戦で監督100勝）「今日の勝利は大きい。これでチームの流れが変わります」
◆76年10月16日（初優勝の祝賀会で）「まるで宙に舞うような気分でした」
◆80年10月21日（巨人監督解任会見で）「フロント入りを打診されましたが、受け入れられません。しばらくは自分自身の見つめ直しと反省、そしてこれからの人生を考えたいです」
◆91年8月26日（浪人期間中に世界陸上をリポートし、カール・ルイスについて）「新幹線が通過するかのようでした」
◆92年10月12日（2度目の監督就任会見で）「これまでの環境から見れば大変な戦いの場に入るわけです。巨人再建に心血を注ごうという結論に至りました」
◆92年11月21日（ドラフト会議で星稜・松井を獲得し）「くじを引き当て『選択確定』の文字が出た瞬間、嬉しくなりました」
◆92年12月18日（息子の一茂がヤクルトから巨人に移籍し）「（一茂には）親子関係を抜きにして、より厳しく接しなければならない」
◆93年4月25日（香田、門奈、石毛の継投で快勝し）「今日の投手リレーは方程式通りに決まりましたね、ハイ」
◆94年4月29日（連夜の1点差勝利に）「う～ん、紙一重でしたね。水泳でいうならバサロで逃げ切ったようなものです」
◆94年5月11日（危険球が原因でヤクルト戦が大乱闘に発展し）「やられたらうちだって黙っていません。目には目を、です」
◆94年8月18日（マジック25が点灯し）「マジックは言葉通り魔法の世界です。消えないマジックってあるの？」
◆94年10月7日（中日戦との同率決戦を前に）「最後の大一番。国民的行事です」
◆95年8月9日（逆転優勝を信じて）「9月には、ドラマがありますよ。メークドラマです」
◆96年2月20日（宮崎キャンプ中に60歳の誕生日を迎えて）「今年、初めて還暦を迎えました…」
◆96年6月12日（松井のバースデーアーチが実らず）「松井が打ったのに原稿が飛んじゃいましたね」
◆96年7月17日（松井が2打席連発で22号）「松井が40本打ってタイトルを取れば2年越しのメークドラマが完成します。ミラクルが起きますよ」
◆96年7月29日（首位広島に5ゲーム差と迫り）「8月を乗り切れば、9月以降は総力戦です。皆さんに必ず話題を提供しますよ。ミラクルをお見せします」
◆96年11月17日（清原獲得に向けて）「やりましょう、（永久欠番の）3を。それくらいみんな納得します」
◆96年11月20日（清原との交渉で）「思い切って僕の胸に飛び込んで来てほしい」
◆97年7月5日（阪神戦で監督700勝）「別にどうってことない。でも今日は暑かったな」
◆98年10月24日（ガルベス選手の球界復帰に一句詠み）「ガルベスが カリブの海で ブイ（V）運ぶ」
◆99年9月11日（阪神戦で6投手の継投が決まり）「今までにない形。新しい『ブリッジ』だからね」
◆00年2月11日（背番号3の復活。宮崎キャンプで）「元の新人時代に戻っただけです。バックナンバーで勝負しているわけじゃありませんから」
◆00年9月24日（マジック1で中日戦、逆転サヨナラV）「野球というものは生きているんです。理論や何も関係ない。人間の能力が結集したものです」
◆00年10月28日（20世紀最後の日本シリーズで）「もう、最高です。この1年、この20世紀、本当にありがとうございました」
◆01年6月28日（史上10人目の監督通算1000勝達成）「プレーヤーの力が積み重なった結果です。指揮にも限界がありますが、プレーヤーの力100％で作り上げた」
◆01年9月28日（監督辞任を発表）「今日の天気のように晴れ晴れとした気持ちです。惜しまれながら引くのは冥利に尽きます」
◆01年10月1日（思い出深い甲子園での最後）「こんなにたくさん来てくれたことはありがたい。すべてやり遂げた心境です」
◆02年8月21日（夏の甲子園決勝観戦）「球児たちを見ると思い出が蘇ります。高校野球は不滅です」
◆02年10月1日（松井の大リーグ挑戦を受けて）「表情も体重も減ったような感じでした。できればとどまって欲しかった」
◆02年12月2日（アテネ五輪の日本代表監督に就任）「五輪の聖地アテネに日の丸を揚げたい。日本の代表としての重い使命を感じています」
◆03年11月7日（アテネ五輪アジア予選を突破）「短期決戦でタレントたちが奮闘しました。次はアテネです」
◆13年5月5日（国民栄誉賞表彰式で松井と共に東京ドームへ）「ファンの皆さんのおかげです」
◆13年10月30日（ソックス、上原が胴上げ投手となり）「彼のマウンド姿はたくましかった。精神力は変わらない」
◆14年2月11日（新人の小林に）「キャッチャーとしていい要素を持っている。肩も打球もいい」
◆15年10月26日（高橋由伸が引退し新監督就任）「己を捨て、チームのために大きな決断を下してくれました」
◆16年8月4日（東京五輪で野球が復活）「侍ジャパンの姿を観られるのが楽しみです」
◆16年11月13日（二刀流・大谷について）「見ているよ。すごいよね～」
◆17年6月11日（母校立大の大学選手権優勝を観戦して）「非常にうれしかった」
◆18年1月15日（松井の野球殿堂入りを祝って）「未来の4番打者を育ててほしい」
◆19年9月21日（巨人の5年ぶりリーグ優勝を受けて）「本当によくやってくれました」
◆20年6月19日（コロナ禍でのプロ野球開幕について）「プロ野球の開幕はまさに万感の思いです」
◆21年8月7日（侍ジャパンの金メダルに祝辞）「日本の野球に新しい歴史が刻まれました。おめでとうございます」
◆21年8月22日（中田翔選手に応援を）「一生懸命やって、ジャイアンツが優勝できるように頑張って」
◆21年12月6日（文化勲章を受賞する会で）「今後も野球界のために尽くします」
◆22年3月25日（文化勲章の祝賀セレモニー参加）「ファンの皆さんあってのジャイアンツです」
