【全文】日本相撲協会、宮城野親方の退職に関する経緯を発表。九州場所後の預かり解除案も慰留を試みたが退職の意向

歴代最多45度の優勝を誇る元横綱、白鵬の宮城野親方(40歳)について、日本相撲協会は正式に退職を承認しました。協会は2日に都内で開かれた臨時理事会で、昨年4月から閉鎖されていた宮城野部屋と宮城野親方の退職を全会一致で容認。彼の退職願は9日付で受理される予定です。
協会が発表した決定事項とその経緯について、以下に詳細を記載します。
伊勢ヶ濱部屋の継承および宮城野部屋の今後について
令和7年6月2日
公益財団法人日本相撲協会
令和6年2月23日の理事会では、年寄宮城野としての白鵬翔が、弟子の暴力行為に関する監督責任や協会への通報義務違反、協会の調査の妨害行為で懲戒処分を受けました。その際、師匠としての素養や自覚が欠けていることが確認されたため、弟子たちは伊勢ヶ濱一門で預かられ、師匠・親方としての指導・教育が進められることになりました。
しかし、宮城野から令和7年6月9日付の退職願が提出され、本日の理事会では伊勢ヶ濱部屋で預かられている宮城野の弟子たちをどう処遇するかが議論されました。
浅香山理事、伊勢ヶ濱親方、春日野理事からそれぞれ状況報告がありました。浅香山親方は、「一年間再開のための話し合いを重ねてきたが、退職の意向を示す宮城野親方を思い留まらせるのは難しかった」と報告しました。
また、伊勢ヶ濱親方も「説得を試みたが、宮城野自身の意志が強かったため、慰留できなかった。弟子たちを心配しており、伊勢ヶ濱部屋での預かり継続を望んでいた」と伝えました。
これらの報告を受け、理事会は宮城野親方の退職願受理を決定。宮城野部屋の力士たちについては、伊勢ヶ濱部屋での預かり継続を全会一致で決定しました。
その後、伊勢ヶ濱こと杉野森正也が宮城野師範名跡を継承、照ノ富士こと杉野森正山が伊勢ヶ濱名跡を継承し、全ての決議が全会一致で可決されました。伊勢ヶ濱正也は7月6日以降、参与として伊勢ヶ濱部屋に所属します。
以上(原文まま)
宮城野親方は、元前頭北青鵬の暴力問題で監督責任を問われ、処分を受けていました。部屋の再開が見通せず、角界を離れることとなりました。