北の富士、曙、若乃花、貴乃花を経て…元横綱白鵬、宮城野親方が相撲協会を退職する可能性が高まる

歴代最多の45回優勝記録を持つ元横綱白鵬の宮城野親方(40)が、日本相撲協会を退職する可能性が高まっています。白鵬は、所属している伊勢ケ浜部屋の師匠である伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)に退職届を託し、それを30日に協会に提出することが明らかになりました。すでに後援者や親しい関係者たちには退職の意向を伝えており、多くの関係者が「退職の意思は固い」と語っています。退職届は、6月2日に予定される臨時理事会で受理される見込みです。受理されれば、宮城野部屋の再興はもちろん「親方」としての立場も失うことになります。
主な元横綱だった親方の退職事例
◆北の富士 1970年初場所後に昇進し、10度の優勝を果たしましたが、1974年名古屋場所を最後に引退。九重親方として千代の富士や北勝海を育てましたが、高砂一門理事候補から外れたため、1999年初場所後に退職。その後、NHKの解説者を長らく務めました。
◆曙 1993年初場所後に横綱に昇進し、11度の優勝を果たしましたが、2001年初場所後に引退。曙親方として東関部屋で指導にあたりましたが、2003年11月5日に退職。その翌日には格闘技K-1参戦を発表し、同年大みそかのボブ・サップ戦などで話題を集めました。
◆若乃花 1998年夏場所後に横綱昇進し、5度の優勝を果たしましたが、2000年春場所を最後に引退。藤島親方として二子山部屋で後進を指導していましたが、引退相撲が終わった後の2000年12月に退職。その後はスポーツキャスターとして活躍し、アメリカンフットボールにも挑戦しました。
◆貴乃花 1994年九州場所後に横綱に昇進し、22度の優勝を誇りましたが、2003年初場所を最後に引退。二子山部屋を継承し、2004年6月に貴乃花部屋に名前を改め、後進を指導しました。2016年1月には理事長選にも立候補しましたが、2018年に元横綱日馬富士による貴ノ岩への暴行事件をめぐり、協会と対立。弟子が相撲を取れなくなることを避けるため、同年9月25日に退職届を提出しました。