菊池雄星「1点で終わりましたし」指示の尊重も、煮え切らず-初回からのジャッジへの連続敬遠でブーイング

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【アナハイム(米カリフォルニア州)28日(日本時間29日)=斎藤庸裕】エンゼルスの菊池雄星投手(33)は、ヤンキース打線を相手に粘りの投球を見せましたが、打線の援護が得られず、今季5敗目を喫しました。主砲のアーロン・ジャッジ外野手(33)とは、ワシントン監督の指示で初回から勝負を避け、2打席連続の申告敬遠を行い、ヤンキースファンからブーイングを浴びました。球数が増える結果となりましたが、5回4安打で初回に許した1点のみの失点で、先発投手としての役割を果たしました。

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菊池は首をかしげました。1回1死二塁の場面で、主砲ジャッジに対しワシントン監督から申告敬遠の指示が出されたことについて、「走者をためるよりは、勝負してヒットやホームランを許しても2点にとどまる。そうした状況で自ら苦しくするのはどうなのかと」と語りました。そして、続く4番ベリンジャーに四球を与え、1死満塁から犠飛で先制点を喫しました。「結果的に1点で終わったので、監督の判断が正しかったと思いますが」と冷静に振り返りながらも、複雑な心境を明かしました。

試合前の段階でジャッジとの対戦成績は25打数5安打で打率2割に抑えていたこともあり、序盤からの申告敬遠は投手としては不本意だったことでしょう。ジャッジとの勝負を望んでいた菊池は、忍耐の投球を強いられる形となりました。「敬遠を好む投手はいないでしょうし、特にあのような形で出すことには個人的には理解しがたい。ただ、コーチらの考えもあるでしょうし、後で話したい」とある程度の理解を示しつつも、自らの意思を明確に示しました。

2回2死二、三塁から再びジャッジを申告敬遠で歩かせ、無失点で切り抜けました。異例の作戦でリズムを崩しかけましたが、3回以降は立て直し、スライダーを中心に無安打無失点。「5回まで試合を作れたので、調子自体はあまり良くありませんでしたが、役割は果たせたと思います」と振り返りました。

チームは打線が沈黙し、完封負け。ヤンキースにスイープ(同一カード全敗)され、8連勝の後の痛い5連敗となりました。それでも、主力投手として先発ローテーションを守り続ける菊池は、「自分の仕事をしっかりやることしかできませんが、チームとしては6月の戦い方が大事になってくるので、踏ん張りどころ」と語り、気を引き締めました。

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