新横綱大の里、師匠二所ノ関親方の化粧まわしで「雲竜型」伝授に「1つの夢がかなった」

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師匠の横綱道が注入される。大相撲の第75代横綱に昇進した大の里(24=二所ノ関)が29日、茨城・阿見町の二所ノ関部屋で、新しい綱をつくる「綱打ち」に参加し、雲竜型の土俵入りを稽古した。指導したのは師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)。愛弟子も、同親方の横綱昇進後、最初の場所を飾った化粧まわしをつけて、所作を学んだ。30日に東京・明治神宮で、新横綱の推挙式と、公の場で初めてとなる奉納土俵入りを披露する。   ◇   ◇   ◇初めて締めた純白の綱が、身と心をつつむ。「横綱としての実感がわきました」。長さは4・22メートル、重さは7・2キロ。二所ノ関一門の力士たちがねじり鉢巻き姿で綱をより合わせて完成した。「横綱ですけど、みんな先輩。時間を割いてくれて、みんなで綱を作ってくれた。初めて見て経験して、すごいなと思ったし、感謝しています」。初土俵から約2年。初めて体感する儀式は横綱・大の里のためのものだった。夢見ていた雲竜型の土俵入り。かたわらには二所ノ関親方がいる。凜(りん)と静まる空間。「指先を伸ばして」。師匠の言葉が澄んで耳に響く。「この土俵で親方から教えてもらう。そのイメージを持って、この部屋に入ってきた。1つの夢がかなって良かった」。化粧まわしは第72代横綱・稀勢の里が昇進初場所で身につけ、優勝を飾った時のもの。「感慨深いです」。至福の瞬間だった。24歳の愛弟子は同親方を含め、歴代横綱の土俵入りの映像をあさった。前日28日の昇進伝達式後は汗だくになるくらい練習した。「これを目標に相撲部屋を始めた」という師匠も成果を実感していた。「だいぶ練習したんじゃないですかね(笑い)。スムーズでした」と合格を与えた。30日、明治神宮での奉納土俵入りに臨む。同親方は横綱昇進時の奉納土俵入りで鼻血が10分間止まらなくなった思い出があるという。「大の里はそんな感じじゃないと思う(笑い)。余裕がある」。唯一無二の新横綱の心は-。「ワクワクしている」。神聖な地で、横綱として大地を踏みしめる。【広重竜太郎】

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