20号到達、大谷翔平の新たな境地示す「美しい放物線」「低空弾丸」「超高弾道」3試合連続のホームランは三者三様

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【クリーブランド(米オハイオ州)27日(日本時間28日)=四竈衛】大谷翔平選手(30)が、新たな本塁打の境地を開拓しました。彼はドジャースの選手としてガーディアンズ戦で「1番DH」としてフル出場し、3試合連続で20号の2ランを放ち、チームの勝利に貢献しました。この本塁打は5月では13本目であり、彼は日本人メジャーリーガーとして最長の5年連続で20本塁打を達成しました。また、本塁打のキング争いでもリードしています。

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打球が放たれた瞬間、大谷は打球の行方を確かめつつ、一塁を目指してスピードを上げました。左翼フェンス(約5.8メートル)の上を越えるかどうかの興奮の中、打球は最高132フィート(約40メートル)に到達しました。滞空時間が約6秒2秒のこの打球は、本塁打の境界線を示す黄色いラインを越え、外野コンコースに跳ね返りました。試合が一旦停止したことを確認した大谷は、速度を落としながらダイヤモンドを1周しました。

4回2死一塁の状況で、大谷が打ち返したのは、外角のボールゾーンから縦に入る時速135キロのカットボールでした。左翼手のクワンが打球を追う様子を見せましたが、打球は恐れずにスタンドへ消えました。ガーディアンズの先発バイビー投手は驚きの表情を浮かべました。風に乗ったのではなく、大谷の打球はまるで「ヘリウムガスボール」のように高く飛んでいきましたとロバーツ監督がユーモアを交えて語りました。

この日の3試合連続ホームランは今季2度目であり、第1打席、第2打席ともに第1ストライクを捉えました。しかし、打球の質は3つすべて異なります。千賀選手から放った18号は美しい放物線を描きました。前日の19号は低く鋭いライナー。そして、この日は反対方向への超高弾道アーチを見せました。まるでゴルフ界のスター、タイガー・ウッズが風やコースに合わせてドライバーを操るように、大谷は世界トップクラスの投手を相手に多彩な打撃を披露しました。

大谷自身は打球の軌道や打ち分けを意識しているわけではないでしょう。投げられたボールに対して強い力を伝えることで、打球が多少ずれてもホームランラインを越えるだけの威力があります。このような姿勢は、彼を究極のバッターへと導いています。

5月にして13本目のホームランで、過去最速で20号に到達しました。ロバーツ監督がいうように、力だけでなく四球も多く選んでおり、ただ単にパワーだけが注目されるわけではありません。20代の強打者から、30代の成熟期へと進化していますが、大谷の目指す「二刀流」は依然として力強い投手の姿も忘れていません。

▼大谷は両リーグで最初に20号に到達しました。エンゼルス時代にもアメリカンリーグでトップだったことはありますが、両リーグを通じての最速は日本選手初の記録です。5月までに20号を達成したのも初めてです。シーズンペースは58.9本に達します。20号到達は松井秀喜選手の5度を上回り、日本選手最多。3試合連続ホームランは12度目であり、松井秀喜に続く記録です。

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