武居由樹が衝撃の127秒TKOで2度目の防衛成功 那須川天心との対決へ徐々に機運が高まる

WBO世界バンタム級王者武居由樹(28=大橋)が2度目の防衛に成功した。同級7位ユッタポン・トンデイ(31=タイ)の挑戦を受け、1回2分7秒TKO勝ち。当初は1月24日に組まれたカードだったが、昨年12月に発症した自身の右肩関節唇損傷で全治4週間と診断され中止に。仕切り直しの防衛戦を制し、ボクシングデビューから11連勝を飾った。挑戦者は9~21歳までムエタイで1000試合を経験し、ムエタイの殿堂ラジャダムナン・スタジアムで王座獲得。アマチュアボクシング時代にはオリンピック連覇で元WBO世界フェザー級王者ロベイシ・ラミレス(キューバ)も下したという実績を持つ歴戦の猛者だった。元K-1スーパーバンタム級王者の武居にとっては気持ちを高ぶらせる元キック戦士対決でもあった。身長で160センチのユッタポンに対し、170センチの武居は「(パンチ回避の)目もいいし、やりずらい」と警戒。約10センチという身長差は、指導を担当する身長162センチの元世界3階級制覇王者八重樫東トレーナー(42)を仮想ユッタポンに見立て、軽めのスパーリングも実施。バンタム級リミット3戦目で過酷といわれていた減量も「ここ最近、1番でうまくいきました」と手応え十分で調整できていた。今年1月から右腕を固定しながら走り、同2月から本格的な練習を開始。キャリア初の長い治療期間となったものの、K-1時代から戦い続け、昨年は世界戦は2試合フルラウンドを戦った心身の疲労を回復させるには十分な「休息」となった。再生医療となるPRP治療法で患部に注射を打ち、3月ごろには「今は100%治って、全開になっている」とスタンバイできていた。今秋に予定される3度目防衛戦はWBOからの指名試合となる。武居のライバルとなる無敗の格闘家でWBC世界バンタム級1位の那須川天心(26=帝拳)の練習パートナーを務めた経験もあるWBO世界同級1位クリスチャン・メディナ(25=メキシコ)の挑戦を受けることになる。ボクシング転向後の大きな目標となっている那須川との対決は徐々に機運が高まっている。来年にも予定されるビッグマッチに向け、武居は走り続ける。◆武居由樹(たけい・よしき)1996年(平8)7月12日、東京・足立区生まれ。10歳の時、同区のPOWER OF DREAMジムの古川誠一会長の自宅に住み込み、キックボクシングの練習を開始。都立足立東高時代はボクシング部に所属。14年11月、K-1傘下のKrushでプロデビュー。17年にK-1スーパーバンタム級王座を獲得。17年のK-1年間最優秀選手に選出。キック戦績23勝(16KO)2敗。20年12月にボクシングに転向。22年8月、東洋太平洋同級王座を獲得。24年5月、WBO世界バンタム級王座を獲得。身長170センチの左ボクサーファイター。<ラウンドVTR>◆1回 左構えのサウスポースタイルの武居と、右構えのオーソドックススタイルのユッタポンの無敗同士の一戦。武居が開始から右ジャブを突いて距離をさぐる。ユッタポンはほとんど手を出さず。40秒すぎに武居が左ストレート1発でダウンを奪う。立ち上がったユッタポンに再び左強打を強でダウンを奪う、立ち上がったユッタポンにさらに左強打で3度目のダウンを奪う。さらに立ち上がったユッタポンに連打を畳み掛けるとレフェリーがストップ。武居がTKO勝利で2度目の防衛に成功。【ボクシング・ダブル世界戦】武居由樹VSユッタポン、力石政法VSヌニェス/ライブ速報中