【バスケ】宇都宮が琉球との激戦制し、史上最多で3度目の優勝を果たす 亡き監督への「日本一」の誓いを実現

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宇都宮ブレックス(東地区1位)は、亡き監督であるケビン・ブラスウェルに今回の優勝を捧げました。琉球ゴールデンキングス(西地区1位)との激戦を制し、史上最多で3度目の優勝を成し遂げ、リーグ戦最高勝率を誇るチームとして初の頂点に立ちました。今年2月に、46歳という若さでブラスウェル監督が急逝。その衝撃と悲しみを乗り越え、チームは「ケビンを日本一の監督にする」を合言葉に団結しました。チャンピオンシップでは千葉Jなどの強豪を次々と倒し、約束の地に到達しました。エースの比江島慎(34)の目には涙が光り、MVPには宇都宮のD.J・ニュービル(33)が選ばれました。

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試合後、比江島はブラスウェル監督の遺影を掲げました。選手たちは勝利の歓声の中、涙を流しました。厳しい試合、追い詰められた状況でも、誓いを果たすために全員が「ハビット」(習慣)を貫きました。

第2Q終了時点で12点の差がありましたが、じりじりと追い上げ、第4Q残り1分15秒でニュービルが逆転の3点シュートを決めました。一度はリードを奪われましたが、残り33秒、不調だった比江島が再び逆転の3点シュートを成功。「気持ちで打った。ケビンが僕の背中を押してくれた」と語りました。

昨年8月、選手全員が揃った最初の練習の前に、ブラスウェル監督はある映像を見せました。昨季の千葉Jとのチャンピオンシップでの戦い、第4Q残り1分24秒での逆転される場面。「勝てた試合を自分たちで手放した。苦しい時こそコミュニケーション。それを習慣にしないと成長はない」と監督は語りました。千葉Jとの開幕戦には連敗しましたが、その後は12連勝を遂げました。しかし、1月17日朝、チームラインに監督が倒れたとの一報が入りました。

心臓の疾患が見つかり緊急手術、その後に合併症発症。前日まで笑顔で冗談を言っていた監督の突然の死にチームは打ちひしがれました。2月24日、監督は帰らぬ人となりました。宇都宮市内の病院で選手たちは集まり、その場で「ケビンを日本一の監督に」と固く誓いました。

恒例のシャンパンファイトにも監督の遺影が持ち込まれ、泡と涙と汗でぐちゃぐちゃになりながら選手たちは喜びを分かち合いました。遺影の中の監督も微笑んでいるように見えました。【沢田啓太郎】

▽宇都宮・比江島(第4Qに逆転の3点シュートを決め)「最後、ケビンが僕の背中を押してくれた」

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