重岡銀次朗の緊急手術と引退の可能性について** **

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プロボクシングの元IBF世界ミニマム級チャンピオン、重岡銀次朗選手(25歳、ワタナベ所属)が急性硬膜下血腫により緊急の開頭手術を受けていたことが明らかになりました。
日本ボクシングコミッション(JBC)の安河内剛本部事務局長が27日に都内で取材に応じ、この事態について明かしました。重岡選手は大阪市内の病院に入院しており、現在は集中治療室(ICU)で経過観察中です。看病には、元WBC世界ミニマム級王者の兄・優大選手(28歳、ワタナベ所属)と父親の功生さん(49歳)が付き添っています。
24日の夜、重岡選手はインテックス大阪で同級王者ペドロ・タドゥラン選手(28歳、フィリピン)に挑戦。激しい試合の末、第12ラウンドで判定負けを喫しました。昨年7月に彼と対戦した際も、右目眼窩底骨折による8回TKO負けを経験しており、今回の試合は約10カ月ぶりの再戦でした。試合後に緊急手術を受けたものの、現在も脳に腫れが残っているとのことです。
安河内氏は重岡選手の競技復帰について「開頭手術を受けたため、現役続行は厳しい」とし、引退の可能性を示唆しました。回復の見通しについては「今は全く分からない状況で、安全を祈るしかない」と語りました。
判定結果が出た後、重岡選手はコーナーで意識を失ったように見え、両目を閉じて肩の力が抜けた状態でした。その後、担架で運ばれ記者会見も開かれないまま救急搬送されました。
◆急性硬膜下血腫: 頭蓋骨の下の硬膜と脳の間に急速に血液が溜まり、脳を強く圧迫する症状を指します。この状態はしばしば頭部外傷が原因となり、高齢者に多く見られます。意識障害や半身まひを引き起こすこともあり、治療法としては手術で血腫を取り除くことが一般的です。慢性的な場合は、血腫が徐々に広がり数週間から数カ月かけて進行します。
◆重岡銀次朗(しげおか・ぎんじろう): 1999年(平成11年)10月18日、熊本市生まれ。幼稚園から小学6年まで空手を学び、小学4年からボクシングを始めました。小学5年からU-15全国大会で5連覇を達成し、熊本・開新高では高校選抜連覇や国体優勝など5冠を獲得しました。アマチュア戦績は56勝(17KO・RSC)1敗。2018年9月にプロデビューし、WBOアジア・パシフィック・ミニマム級王座、日本同級王座、IBF世界同級暫定王座を獲得しました。身長153センチの左ファイターです。