【ニューヨーク24日(日本時間25日)=四竈衛】ドジャースの大谷翔平選手(30)が投手としての復帰を、7月15日(同16日)のオールスター戦後のシーズン後半に予定しています。これはドジャースのデーブ・ロバーツ監督(52)が明かしたものです。この日、大谷はメッツとの試合に「1番DH」でフル出場し、4打数無安打3三振という結果に終わりました。4月22日以来、これで今季4度目の1試合3三振です。また、25日(同26日)の試合前には、2023年の右肘手術後初となる打者相手での実戦形式の投球練習に臨み、夜の試合では打者としてメッツの千賀滉大投手(32)との対決が予定されています。2年ぶりの「二刀流」の復活計画が、本格的に再開されます。
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前夜に計5時間46分の長い試合を戦った影響もあったのか、大谷のバットからは快音が出ず、打席では苦戦を強いられました。これまでメッツの先発左腕ピーターソンとは相性がよく、過去10打数5安打の打率5割を誇っていましたが、この日は外角低めのスライダーに翻弄され、3度の空振り三振に終わりました。敵地のファンからはブーイングを浴びていた大谷でしたが、結果として大歓声を引き起こしました。
ドジャースも2点を先制したものの、投打の歯車が噛み合わず、4回までに逆転され、以降のチャンスも3併殺で逃しました。試合後、ロバーツ監督は対戦相手の好投を称え、「攻撃陣にあまりエネルギーがなかった」と静かな口調で敗戦を振り返りました。
一方で、25日は大谷にとって忙しい1日となります。試合前には、手術後初めて打者相手に実戦形式の投球練習を行う予定です。練習相手は金慧成(キム・ヘソン)らが予想されていますが、球数などの詳細は明かされていません。すでにキャッチボールではカーブやスライダーを投げ込んでおり、全ての球種を解禁しています。この投球練習が新たなステップとなります。
現時点では、球宴後の7月中旬を目指して投手復帰する見通しです。監督も「そうなると思う。そういう計画が進んでいる。2回ほど投げてから、徐々に5~6回に増やしていく予定だ」とコメントしています。
しかし、大谷の日常は中軸打者として変わりません。この日のナイターではメッツの千賀滉大投手(32)との今季初の対決が控えています。防御率1.43とリーグトップに立つ速球投手をどのように攻略するかが注目されます。シーズン終盤まで山本由伸投手(26)と並んでタイトルを争う可能性があるため、千賀との対決はチームの勝敗だけでなく、山本への援護にも影響が及びます。投手としての復帰を果たし、打席では相手エースに挑む−−−「二刀流」のバイオリズムは、大谷自身が待ち望んでいたものと言えるでしょう。