【巨人】戸郷翔征が遂に初勝利!「悩んだ期間はこんなに長くなかった」塩をなめ、神社参り、トイレ掃除で験担ぎ

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読売ジャイアンツ(巨人)のエース、戸郷翔征投手(25)がシーズン7回目の先発で、ついに初勝利を収めた。直球を主体に、今シーズン最多の108球を投げ、6回7安打2失点(自責1)という結果を残した。この勝利は、戸郷にとって野球人生での最大の不振を乗り越えた価値ある一勝となった。チームも今季初の5連勝を達成し、リーグ2位に浮上した。

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特別なボールを慎重にズボンの左ポケットにしまい込んだ。戸郷はベンチで勝利の瞬間を見届け、マルティネスから受け取った勝利球に微笑んだ。「苦しんだ分、この1球がすごく欲しかった。これを見ながら今夜はよく眠れそうです」。ようやく、希望の光が見えた瞬間だった。

直球が生命線として冴え渡った。「球速はそれほど出なかったけれど押すことができた」。3回に2失点を喫したが、原点に立ち返り、「直球の質とフォークボールの落差」を追求した投球で打者を抑えていった。5回1死二塁の場面ではサンタナ、オスナに対して直球を連投。「強打者を抑えて自信がついた」と語り、6回を投げ切った。

「自分だけが開幕していなかった」。2軍降格も経験し、「験担ぎはたくさんしました」。塩をなめ、神社を参り、トイレ掃除もした。「プロ野球人生で、こんなに悩んだのは初めてでした」。

しかし、この期間で増した感情もあった。「野球を愛する気持ちはさらに強くなった」。試合や練習に行くのが嫌になることは一度もなかった。1軍復帰となった5日の阪神戦前には、東京ドームの控室からグラウンドへ向かう短い階段を駆け上がった。「無意識だったからこそ、野球への愛がにじみ出たのだと思います」。

この日の登板は中4日と異例のスケジュールだったが、阿部監督が「勝利を付けてあげたい」と特別な配慮を示してくれた。前エースの菅野からも直接電話があり、「言葉の重みが違った。多くの方々に支えていただき、最高です」と恩返しの一勝となった。

「また野球が好きになりましたか」。東京ドームを後にする彼に声がかけられると、ニコッと微笑んだ。「もちろん! これこそが醍醐味ですね」。言葉を終えると、駐車場へ続く階段を駆け上がっていった。【阿部健吾】

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