元稀勢の里 師匠から愛弟子大の里へ「稽古は質より量」直系4代続く横綱の系譜 インタビュー

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元横綱稀勢の里である二所ノ関親方(38)が、今場所前、特別インタビューに応じ、愛弟子の大の里に関する物語を語りました。もし正式に横綱昇進が決定すれば、歴代の若乃花、隆の里、そして自身に続き、四代続く直系の横綱系譜が完成します。出羽海一門に続く、常陸山、常ノ花、佐田の山、三重ノ海、武蔵丸の5代に続ける2例目の長さとなり、師匠がその舞台裏を詳しく語りました。【取材・構成=高田文太】

 ◇    ◇

-大の里関と最初に会ったのはいつですか

二所ノ関親方(以下、親方):日体大に足を運んだ時です。当時「いい子がいるよ」と聞いて、大の里くんに会いに行きました。(大学)4年生だったと思います。

-日体大の稽古場で?

親方:そうですね。

-第一印象は?

親方:体つきが日本人には珍しく、身長が190センチを超え、体重が180キロでも軽快に動ける力士であるのは稀です。彼の相撲スタイルも独特で、誰にも似ていないので、そこに魅力を感じました。

-第一印象から「この子はすごい」と感じましたか

親方:体格や実績を見れば、その実力の高さが分かりました。

-4年生ということは、すでにアマチュア横綱?

親方:そうですね。

-直感的に「いずれは横綱に」と思いましたか

親方:大相撲に入れば面白いことになるだろうとは思いましたが、横綱とは思いませんでした。でも、将来どんな相撲を取るのか楽しみでした。彼はまだ成長途中だったので、どれだけ成長するか期待をしていました。

-初めて会ったときに「うちの部屋に来ないか」と誘ったのですか

親方:どちらかというと、彼からのアプローチが強かったです。

-大の里関は、自身の弱点をすぐに指摘してくれたと言っています。それは何ですか

親方:まあ、大相撲とアマチュアの違いもありますから。大相撲では自分よりも大きい人とも戦います。どういうふうに戦うか教え込みました。それが克服できれば今後は良いと思います。

-親方が引退する時、横綱を育てたいと言っていました。師匠もそのまた師匠も横綱。系譜をつなげたい思いでしたか

親方:部屋の目標としてありました。直系4代続く横綱というのは珍しいことですから。

-今後、弟子が横綱昇進のチャンスを得るとは思っていましたか

親方:いずれ花開くことを期待して、体作りから相撲の基本を教えていました。まだ完全にはなっていないので、指導を続けたいです。今の勝ちよりも未来の勝ちを目指してほしいです。

-「横綱とは?」と聞かれたら、どう答えますか

親方:心技体が充実していないとなれないと思います。努力だけでなく運も必要です。人生の中で色々なものをつかむことが求められます。

-親方、「貯金は尽きている」とのことですが、それは何ですか

親方:結局、稽古量だと思います。たくさんやって体が覚える部分があります。

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