大の里、史上初のデビューから負け越しゼロで連続優勝達成!スピード昇進で横綱昇進が確実に

大関大の里(24歳、二所ノ関部屋)が負けなしの13連勝で、2場所連続として4度目の優勝を果たしました。琴桜との大関同士の取り組みを制し、15年初場所での横綱白鵬(現・宮城野親方)以来、10年ぶりに13日目での幕内優勝を決定。同時に、2場所連続で昇進が議論され、28日の番付編成会議と臨時理事会を経て、「第75代横綱 大の里」が誕生する見通しです。なお、大関で連続して優勝しながら横綱に昇進しなかった例はありません。
横綱昇進が正式に決定すれば、それは記録的なものでしょう。初土俵からわずか13場所での昇進は、昭和以降最速の記録です。これまでの羽黒山、照国の16場所を超え、年6場所制が導入された1958年以降では、輪島の21場所を大幅に更新しています。学生相撲出身としても、輪島以来2人目となり、新入幕からの9場所での昇進は、「昭和の大横綱」大鵬の11場所を上回る最速記録です。さらに負け越しなしでの昇進も、年6場所制では初めてのことです。大関昇進時に述べた「唯一無二」の存在になることが確実です。
前日22日の12日目、2敗で追っていた横綱豊昇龍が敗北し、大の里との間に3差がつきました。この日の琴桜戦に勝てば優勝が決まるという状況でしたが、大の里は冷静に「自分のことだけ考えて、明日も頑張ります」とコメントしました。師匠の稀勢の里(現・二所ノ関親方)以来、8年ぶりに日本出身横綱の誕生となります。
◆13日目の優勝 2015年初場所以来10年ぶり。大関では2012年初場所の把瑠都以来で、日本出身力士としては1996年秋場所の貴乃花以来29年ぶりの快挙です。
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大の里泰輝(おおのさと・だいき)
◆生まれ 2000年(平成12年)6月7日、石川県津幡町出身。本名は中村泰輝(なかむら・だいき)。
◆幼少期 生まれた時の体重は4036グラムあり、幼稚園のころから同級生よりも頭一つ大きかったです。津幡町の少年相撲教室で小学1年生のときから相撲を始め、小学1年生のころにはすでに牛丼並盛り2杯を軽々と食べていました。
◆中学、高校 小学6年生の夏に「もっと強くなりたい」と新潟県糸魚川市に相撲留学し、能生中学校と海洋高校へと進学しました。
◆大学 日本体育大学では1年生で学生横綱に輝き、3、4年生時にはアマチュア横綱を獲得し、幕下10枚目格付け出し資格を得て、大相撲界に華々しくデビューしました。
◆幕下 昨年の夏場所初日、日本体大の2年先輩である石崎とのデビュー戦で敗戦しました。しかし、その2日後には初白星を挙げ、「前評判で騒がれすぎたが、自分はただの人になった」と述べました。同場所は6勝1敗でしたが、その後の名古屋場所では苦戦し、六番相撲では再び石崎に敗れて3勝3敗となりましたが、七番相撲に勝利し、新十両昇進を決めました。
◆十両 所要2場所での新十両昇進は、伯桜鵬の1場所に次ぐ2番目のスピード出世です。この秋場所の初日も、石崎改め朝紅龍に対し「三度目の正直」で初白星。この場所と続く九州場所では12勝3敗とし、十両を2場所で通過しました。
◆幕内 昨年初場所で昭和以降3位タイとなる所要4場所で新入幕。同場所で優勝争いに加わり、10日目から関脇琴ノ若(現琴桜)、大関豊昇龍、横綱照ノ富士に3連敗も、新入幕力士が横綱と対戦するのは10人目でした。敢闘賞を受賞し、続く春場所では敢闘賞と技能賞を獲得しました。夏場所の所要6場所での新三役昇進は昭和以降2位の速さで、12勝3敗の成績で優勝。技能賞と殊勲賞に輝きました。名古屋場所では9勝に終わるも、優勝した照ノ富士を破り殊勲賞。この結果、新入幕から4場所連続で三賞を受賞する史上初の快挙を達成しました。秋場所では13勝2敗で2度目の優勝を果たし、技能賞と敢闘賞で5場所連続三賞受賞を果たしました。その後大関に昇進し、今年春場所で3度目の優勝を飾りました。
◆サイズ 192センチ、191キロ。靴は32センチ。腕周り53センチ、太もも周り76センチ。
◆得意 右四つ、寄り、突き、押し。
◆特技 けん玉。
◆家族 父・知幸さん、母・朋子さん、妹・葵さん。
◆血液型 O型。