【日本代表】復帰した佐野海を待つ「家族」の期待—森保監督、熟慮の末「葬り去らず再挑戦を」

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日本サッカー協会(JFA)は23日、千葉市で行われる26年W杯北中米大会アジア最終予選のオーストラリア戦(6月5日、パース)とインドネシア戦(10日、パナスタ)に臨む日本代表メンバー27人を発表しました。

昨年7月に不同意性交容疑で逮捕されたが不起訴となったMFの佐野海舟(24歳、マインツ)が約1年2カ月ぶりに復帰。日本協会は、謝罪が完了していること、本人が深く反省していること、刑事事件に問われなかったことを理由に招集しました。昨夏から挑戦しているブンデスリーガで全34試合に先発出場し、チームの6位躍進に貢献した彼に、再挑戦の機会が与えられました。今回のメンバーには初招集の7人を含め、前回3月から14人の入れ替えがありました。

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佐野海に再び道が開かれました。彼は、ピッチに立てば昨年2月のアジア杯終了以来、1年4カ月ぶりのこととなります。同年7月に不同意性交容疑で逮捕され、釈放された彼は、8月に不起訴処分となり、批判もある中でのチャンスに直面しています。

協会は慎重に招集を決定しました。山本ナショナルダイレクターは、「相手側と謝罪し、本人の深い反省が確認されたこと、刑事事件としては問題とならなかったこと」を理由に挙げました。協会スタッフも複数回ドイツへ渡り、対話を重ねてきました。また、3月のW杯出場決定も追い風となりました。

メンバー選考責任者の森保監督自身、慎重な判断を下しました。彼は2月にドイツで佐野海と直接対話を行い、「チームの一員を『家族』と考える時、過ちを犯した選手を社会やサッカー界から葬り去るべきではなく、再挑戦の場を提供する方が良いのでは」との考えに達しました。

佐野海のサッカー選手としての能力は疑う余地がありません。不起訴処分後からマインツで今季のブンデスリーガの全34試合に先発出場しました。リーグ公式サイトによると、彼は最長393.6キロの総走行距離で貢献。ボール奪取力の成長や、リーグ4位の勝利数を誇るデュエルの強さも際立ちました。呼ばれた以上、真摯な姿勢で期待に応え続けるしかありません。森保監督の「チームに還元し、多くの日本人選手に自信と勇気を与えてほしい」という期待に応えることが彼の使命です。【佐藤成】

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