【とっておきメモ】大の里の特技はけん玉「相撲に生きる」振り返る父 横綱昇進で紅白出演ある?

記録的な横綱昇進が確実となりました。24歳の大の里(二所ノ関部屋所属)は、無敗の13連勝で2場所連続の4度目の優勝を達成しました。琴桜との大関対決を寄り切りで制しました。15年初場所の白鵬(現宮城野親方)以来、幕内では10年ぶりに13日目での優勝決定です。大関で2場所連続優勝して昇進しなかった前例はなく、28日の臨時理事会で正式に「第75代横綱」となる見込みです。日本出身では、師匠である稀勢の里(現二所ノ関親方)が2017年に昇進して以来、8年ぶりの快挙です。初土俵から13場所目での昇進は昭和以降最速で、無敗での昇進は1958年の年6場所制以降初となります。大関昇進時に述べた「唯一無二」の存在として、相撲史にその名を刻むでしょう。
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「特技は?」と尋ねられると、大の里は「けん玉」と即答します。アクロバティックな技はできませんが、基本的な技は得意で、父の中村知幸さんが回転を加えて行う”裏技”を「それだと簡単すぎる」と自主規制したそうです。
「小学6年生の時にどこかで買ってきたようで、突然家に置いてあった」と父は言います。当時の大の里は、「けん玉は膝を使わないと上手にできない。これは相撲にも活かせるよ」と自信満々に話していました。中学から親元を離れて新潟に相撲留学する際も、「心配はなかった」と父は言い、けん玉もそれを後押しする一因だったそうです。こうした思い出が込められた特技のけん玉に、横綱に昇進すれば、大みそかのNHK紅白歌合戦でゲスト出演し、歌手の後方でけん玉を披露する日が来るかもしれません。【高田文太】