中日ドラゴンズがDeNAベイスターズに競り勝ち、借金を3に減らしました。試合の9回、田中幹也選手(24歳)が左翼スタンドに決勝となる1号ソロホームランを打ちました。井上一樹監督(53歳)は、「小さな巨人、田中幹也さまさま」とその活躍を称賛しました。
試合後の井上監督のインタビューは以下の通りです。
-9回に田中選手が決勝のソロホームランを打ちました。
「私もあれは予測できませんでした。しかし、開幕から出遅れた中で、今は何試合か出場していますが、彼を外すのは難しいほど活躍しています。小さな巨人とでも言いましょうか、今日は本当に大きく見えましたよ。あの155センチ(実際は166センチ)が」
-現在も試合に出続けている田中選手の体調はどうですか。
「まあまあです。今も話をしましたが、彼は『大丈夫』と言っていました。何か不具合があったとしても、選手は大丈夫と言うものですから、こちらが表情や動きを見ながら判断しないといけないと思っています」
-先発の三浦選手は6回途中で3失点でした。
「田中選手が打ってヒーローのようになりましたが、昨日の大敗(2-10)から考えると、まずは三浦投手に感謝ですね。細かく指示を出してきましたが、今日のピッチングに反映してくれました」
-どんなことを助言しましたか。
「『全てにおいて準備が遅い』とか、『練習をおろそかにするな』ということですね。セ・リーグとパ・リーグで野球の違いもありますし、打席で『打ってこい』とは言いませんが、それをきちんとやっておかないとリズムが乱れたり、切り替えが必要だったりと、まだ学ばないといけないことがたくさんあるんですよ」
-2回には板山選手が本塁打を放ちましたね。
「『ホームランバッターの雰囲気を出し過ぎだよ』と私は言いましたが、(18日の)東京ドームのホームランでね、今日もたまたまホームランが出ましたが、その思い切りの良さが出てきたと思えば、板山選手にも多くのチャンスがあります。だから今が競争という形で、良い相乗効果があるのではと思っています」
-昨日の試合後に「考え直すところがある」と言われてました。
「選手たちが打たれて大敗した日の翌日に、『あれが悪かった』『これが悪かった』と言うと、動きや振りが鈍くなるので、それはあまり言わないようにしていました。今日は外国人選手を少しいじったりしましたが、日本人でも外国人でも打てないと落ち込んでしまうものですから、『いやいや、それで大丈夫だよ』といった感じで励ましていました。今日の勝利は、打てなかった選手や重要な場面で結果を出せなかった選手の中で、また何かを復活させてくれたという大きな勝利となりました」
-プロ野球でも田中選手のような小柄な選手が頑張れる姿は子供たちに勇気を与えると思います。
「本当にそうですね。145センチ(実際は166センチ)の田中幹也がこれだけのことをして…。今日は本当に“小さな大巨人”の田中幹也さまさまだと監督が言っていました。子どもたちは大谷翔平選手を見て、『あれくらい大きくならないとダメかな』と思うかもしれませんが、『そうじゃない。小柄な選手でもこれだけ活躍できる』ということを示す、ぴったりの選手だと思います」