12日に、ソフトバンクと巨人の間で、ソフトバンクの内野手リチャード(25)と巨人の内野手秋広優人(22)および投手大江竜聖(26)の2対1交換トレードが成立したことがわかりました。ソフトバンクは開幕から多くの選手が怪我で離脱しており、周東、近藤、正木が不在で、DH兼外野手であった柳田もチームを離れました。小久保監督はこの状況を「異常事態」と表現しており、ベテランの中村が一塁を守るという異例の選択がされています。秋広の獲得により、一級品の打撃力を持ちながら、守備では両翼と一塁もこなせる柔軟性が期待されます。昨年は自己最多となる121試合に出場し、打率2割7分3厘、10本塁打、41打点という成績を残しました。秋広のパンチ力ある打撃で中村の負担減を目論見、白羽の矢が立てられました。中継ぎの左腕として期待されている大江も、ソフトバンクの補強ポイントに合致しています。ソフトバンクでは長谷川が左肘のトミー・ジョン手術を3月21日に行い、昨季32試合に登板した彼も今季絶望となっていました。さらに、昨オフにトレードで獲得した浜口は、難病「胸椎黄色靱帯骨化症」の手術と左肘関節クリーニング手術を受け、復帰には3~4カ月かかる見込みです。1軍のブルペンにいる左腕は、長時間リリーフが可能な松本晴と、勝ちパターンのヘルナンデスのみです。大江にはワンポイントでの柔軟な起用が期待されているようです。ソフトバンクで「ロマン砲」と形容されていたリチャードは、その天真さと主砲山川が認めるパワーを持っていました。放出は名残惜しいですが、チームは2連覇を目指す中での緊急事態に直面しています。現在借金「2」で4位と苦しんでおり、上昇を目指して動いた決断です。◆リチャード(砂川=リチャード)1999年6月18日生まれ、沖縄県出身。沖縄尚学高校から2017年育成ドラフト3位でソフトバンクに入団。アメリカ人の父、ジャンさんと日本人の母、あけみさんの間に生まれました。2020年3月に支配下登録され、ウエスタン・リーグでは昨シーズンまで5年連続本塁打王、3年連続打点王に輝いています。オフシーズンには、山川選手らと共に沖縄で自主トレに励みました。身長189センチ、体重123キロ。右投げ右打ちで、今季の推定年俸は1000万円です。◆秋広優人(あきひろ・ゆうと)2002年9月17日生まれ、千葉県出身。二松学舎大学附属高校では23本塁打を記録し、投手としても144キロを誇る選手でした。2020年ドラフト5位で巨人に入団し、2022年に背番号を68から55に変更しました。2023年には121試合に出場し10本塁打をマークしましたが、今季は5試合に出場し打率1割4分3厘、本塁打なし、打点なし。身長200センチ、体重100キロ。右投げ左打ちで、今季の推定年俸は2450万円です。◆大江竜聖(おおえ・りゅうせい)1999年1月15日生まれ、神奈川県座間市出身。二松学舎大学附属高校では1年夏と2年春の甲子園に出場。2016年ドラフト6位で巨人に入団し、サイドスローに転向したことで、中継ぎ左腕として貴重な存在になりました。2021年には47試合、2023年には32試合に登板しています。身長173センチ、体重82キロ。左投げ左打ちで、今季の推定年俸は2450万円です。