【陸上】久保凛2位で悔し涙 苦しいレースに「全然余裕がなかった」連勝記録は13でストップ

女子800メートルの日本記録保持者である久保凛選手(17歳、東大阪大敬愛高3年)は、2分2秒29という結果で2位に終わり、レース後には涙を浮かべました。優勝を果たしたのはオーストラリアのキルソップ・コール選手で、タイムは2分1秒66でした。
久保選手はレースの前半400メートルを59秒でスタートしましたが、後半では思うようにペースを維持できませんでした。「2周目から足の感覚が前回の静岡国際の時と全く違って、非常に重く感じました。レースが思うように作れず、反省点が多い試合でした」と振り返っています。
今シーズン、久保選手は3月に1000メートルで2分40秒23を記録し、U20&U18の日本新記録を達成しました。高校3年に進級して臨んだ4月の金栗記念800メートルでは2分2秒58、さらに今月3日の静岡国際では自身2番目のタイムとなる2分0秒28を記録し、9月に東京で開催される世界選手権の開催国枠エントリー設定記録を0秒71上回っていました。
この日は世界選手権の参加標準記録である1分59秒00にあと0秒93と迫りましたが、「2周目は全然余裕がなかった」と苦しいレースとなりました。「しばらくこのような感覚はなかった。静岡がうまくいきすぎたので、その1週間後にこの結果は納得がいかない」と振り返りました。さらに、世界陸連(WA)公認の国内大会800メートルで、昨年3月から続いていた連勝記録が13で止まり、「絶対に勝たないといけないという気持ちも少しあった」と吐露し、「今日は母の日だったので(優勝者に贈られる)花を持ち帰りたかった」と肩を落としました。
久保選手は高校2年生だった昨年度に大ブレークを果たしました。6月の日本選手権で初優勝し、満を持して迎えた7月の大会では、日本女子として初めて2分を切る1分59秒93を記録し、19年ぶりに日本記録を更新しました。
すでに今秋の世界選手権では開催国枠エントリー設定記録をクリアしています。通常の選考基準を満たす選手がいない場合は、世界ランキングや7月上旬の日本選手権(東京・国立競技場)の成績次第で初の代表入りが可能となります。自力での出場権を得るためには、参加標準記録を突破した上で日本選手権で3位以内に入る必要があります。
次の試合は今月下旬に韓国で行われるアジア選手権です。この大会ではシニア初の日本代表として出場します。「今回はうまくいきませんでしたが、切り替えて調子を上げていきたいです。年齢に関係なく挑める舞台で、楽しみつつチームにも貢献したい」と次を見据えています。